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そう見えないように。自閉症を隠しているのはきついマラソン

time 2019/07/26

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

そう見えないように。自閉症を隠しているのはきついマラソン

発達障害の自閉症は多くの場合、子どもの頃に診断をされます。
しかし近年、成人になってから診断される人がますます増えてきました。
知的能力のある成人では、自閉症による困難に対処するための方法を身につけているために診断が簡単でなくなっていることも多くあります。
医師や雇用主、家族からも、自閉症であることを隠してしまのです。
最近の調査では、イギリスの多くの医師が自閉症を診断する能力に自信を持っていないことがわかりました。
隠してしまうことが、診断を困難にさせる大きな理由の一つとなっています。
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私たちの新しい研究は、こうした隠してしまうことをより詳細に知り、むずかしいことであるにもかかわらず、こうした行動をとる自閉症の人たちの声をひろうことを目的としました。
世界中の自閉症の成人が、まわりに合わせようとしていたことを伝えていました。
・ジェスチャー、アイコンタクト、表情について人のまねをした。
・全く理解できなくても、ジョークを言われたら笑うことを学んだ。
ある自閉症の一人はこう伝えました。
「他の人と同じような行動をとっている私を見て、誰一人、私が困難と戦っていることはわからないでしょう。
私は頭の中に、こういうときにはこう言う、こうする、とリストを作って忘れないようにしていました。」
調査に参加した多くの自閉症の人は、子どもの頃に診断されなかった理由、他の人にかかえていた困難を知られなかった理由を、自閉症を隠してきたからだと考えています。
「私を知る人の多くが、私が自閉症であると知るとおどろきます。
私はそれをほめ言葉だとは思いません。
私は気づいてほしいと思うんです。
私がふつうに見えるようにするために、どれほどひどい苦労をしているのか、あたなにはわからないでしょう。」
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また、こうした自閉症を隠そうとすることは、精神的なエネルギーを多く消費し、不幸にしていると多くの自閉症の成人が語っています。
「自閉症でない人にとっては歩いているようなことでも、自閉症を隠そうとしている人にとってはきついマラソンです。
それは私をひどく疲れさせます。不安にします。」
しかし、自閉症を隠そうとしたことのすべてが否定的な結果をもたらしたわけではありません。
そうしたことにより、自立して生活ができ、就職ができ、そして結婚することが助けられているようです。
「私は自閉症を隠すことで、友だちや同僚に好かれています。
寂しかったり、孤独だったことはありませんでした。」
自閉症の人はまた、自閉症ではない人たちが配慮すれば自閉症にやさしい社会を構築できると考えています。
コミュニケーションは双方向です。
状況によっては自閉症の人に、よりわかるように伝えられるはずです。
世界は自閉症ではない人だけではありません。
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この調査研究は、自閉症の成人と自閉症でない成人の間のギャップを浮き彫りにし、自閉症の診断と自閉症についての社会の理解の重要性を伝えるものです。
イギリスで自閉症の診断に利用されているマニュアルには、自閉症を隠してしまうことについて、きちんと言及がされていません。
正しく診断されるように議論がされ、改善されて、自閉症と診断をされなかった人をきちんとサポートできるようになることを願います。
また、自閉症の人とコミュニケーションを行うときに自閉症でない人ができることの手がかりも今回の研究調査は示しました。
例えば「お元気ですか?」とたずねることのような社交辞令を少なくすることが、自閉症の人とのコミュニケーションを改善させるかもしれません。
これについてはさらに研究を進めたいと考えています。
自閉症の人が自閉症であることを隠そうとする場合には、よりそのメリットが大きくなる、そして悪影響はより小さくなるように、今回の研究が役に立っていってほしいと考えます。
そして、自閉症の人とそうでない人との間の生活の質の向上にもつながっていくはずです。
英キングス・カレッジ・ロンドン 精神医学・心理学・神経科学研究所
ルーシー・リビングストン 研究員
(出典:豪THE CONVERSATION)(画像:Pixabay
「社会」に合わせるために隠す選択をし、そのためにさらにご苦労をかかえている方がこうしています。
社会にたくさんある「常識」「当たり前」「ふつう」、あなたがそう思っていても、そうでない人もいます。
そう思ってしまっている自分に気づき、「常識」「当たり前」「ふつう」を疑ってみてください。
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(チャーリー)


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