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発達障害の息子の問題行動に体の内側の「内受容感覚」が関係

time 2019/09/01

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発達障害の息子の問題行動に体の内側の「内受容感覚」が関係

私は「内受容感覚」この言葉を聞いたことがありませんでしたが、それが何であるかはすぐにわかりました。
私の3歳半の息子は発達障害です。ADHDと自閉症があります。
最近、息子について気付いたいくつかのことを紙に書き留めていました。
一見関連がなさそうなのに同時に起きたりする関連がありそうに思えたことです。
お腹が空かない。
のどが渇かない。
眠くならない。
痛みへの反応が乏しい。
食べ物の温度に過度に反応する。
触れたときの反応がにぶい。
人の感情の変化を認識できていない。
以上のようなことです。
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私は地元の自閉症・発達障害センターが主催したイベントに出席し、
「内受容感覚:8番目の感覚システム」というセッションに参加しました。
作業療法士、自閉症の専門家、研究者、そして本を出版したケリー・マーラーが行ったものです。
マーラーは「内受容感覚」について、体の内側で感じる情報であることから説明を始めました。
私たちの口、耳、胃、腸、皮膚など体のあらゆる場所に感覚を受け取る受容体があります。
これらの受容体が、島皮質と呼ばれる脳の領域に信号を送り、その信号が解釈されることで、恐怖や痛み、のどの渇き、トイレに行きたいという気持ちになります。
口が乾燥していると受容体が信号を送れば、脳は喉が乾いていると感じます。
胃が唸っていれば、空腹を。
それに基づいて、行動して何かを食べたり、飲んだりすることで喉の渇きや空腹感がなくなります。
自閉症、不安、抑うつ、外傷、摂食障害、肥満、トイレが困難、感覚処理障害、行動障害などの状態にある人たちは、多くの場合、この「内受容感覚」に関わる機能が不十分な状態になっています。
私の息子は、食事の時間であることを知らせる体の内側からの感覚を認識していないようです。
息子はコミュニケーションに問題をかかえているので、私に直接伝えることはできませんが、私にはそう見えます。
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私が息子の前に食べ物を置いても、食べさせなければ、息子は何時間もそのまま食べないでいます。
そして、満腹を感じることにも問題をかかえているようです。
たった、一口、二口でもう食べなくてもよい感じになってしまいます。
(逆に満腹感が認識することができないために、過食してしまう人がいることは知っているでしょう。)
内受容感覚を良好に認識できている人には、表情やボディランゲージから人の感情を理解しやすいこともマーラーは言っていました。
子どもがケガをした場合には、親はその痛みも感情もわかることがその例です。
痛みがわかるこそ、子どもを叩いたりすることもあるのです。
内受容感覚の認識が不十分な人の場合にはそれが難しいのです。
私の息子もそのように思います。
息子は、人の怒りがわかりません。
ボディーランゲージがあったり、表情が変わったり、声が大きくなっても息子には、わかりません。
私が息子に腹を立ててしまったときでも、息子は私を見て「ママは幸せ」だと言います。
幸せは良いことだと息子は理解しています。
私が腹を立てていることを全く理解できていません。
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マーラーは、内受容感覚の認識の困難は人によって異なるといいます。
極端に大きく感じたり、小さく感じたり、または違って感じる可能性があります。
例えばある子は膝の小さなケガに過剰反応する一方で、骨折をしても何週間もそのまま、何も言わない子もいます。また、気分が悪そうでも、どこがどうなっているのか特定することができない子もいます。
しかし、そうした内受容感覚の認識の困難は改善できるといいます。
マーラーは、これまでに多くの子どもや大人の改善を助けてきました。
子どもが怒っている場合でもそれは人により異なることを理解することを例として示しました。
怒りを感じると、顔は紅潮し体が熱くなる人がいます。
こぶしを握って、歯を食いしばっている人もいます。
まず子どもが怒っているときには、どんな変化があるのかに気づき、それを子どもに覚えてもらうことがまず第一歩です。
しばしば、私たちとはちがう行動を示すことがあるといいます。
こぶしを握りしめ、怒っている人をみてもわからない子は、こぶしを握りしめるのは緊張しているときだけでした。
次のステップは、気付いた変化に基づいて行動させることです。
ある子は散歩することで、怒りが静まるかもしれせん。ある子はベッドに横になることで怒りがなくなっていきます。子どもへの対応方法は、子ども一人ひとり違ってきます。
怒りのような感情は一時的なもの、早く気づき、早く行動することで解消できることを子どもたちに教える必要があるといいます。
マーラーの話を聞いて、私は3歳半の息子に内受容感覚をどうやって教えるか頭を悩ませました。
話に出てきたのはもっと年上の子どもや成人が多かったため、私はマーラーに質問しました。
遊びと日常生活を通じて、内受容感覚の認識ができるように取り組むことが最善だと答えてくれました。
例えば、私が息子のほおにキスをしたら、どう感じるか聞いて話してみる。
息子が飲み物を求めてきたら、口の中がどんな感じをしているのかをたずね、話をし「のどの渇き」という言葉を教える、などです。
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それ以来、私は息子とのコミュニケーション方法を本当に変えました。
私は息子に夕食を作って、食事の時間を伝えたときに、お腹の中の気持ちについてたずねて、「空腹」について話しました。
ケガをしたときの痛みについても話しています。
息子がおもちゃを投げると、おもちゃがケガしたことを話します。
「人形のバズは1分間座る必要がります。
それは、投げられて足をケガして、気分も悪くなっているからです。」
そうして、私は息子の内受容感覚の認識について発達の遅れに気づき、発達を助ける方法を探すようになりました。
時間はかかるでしょうが、いつか息子が自分の体と調和できることを願っています。
人生を大きく変えてくれるはずです。
ケリー・マーラーはこう言っています。
「世界中の人に自分自身をもっと理解してほしいと願っています。
自分の体の中の感じ方を特定し、コントロールすることができるように。
それは喜びに満ちた人生につながるはずです。」
(出典:米YAHOO!)(画像:Pixabay
うちの子も、泣いていてもどこが痛いのか、苦しいのか、わかりません。申し訳なくなります。
痛みにはとても鈍感な感じがします。
傷があっても、痛そうな感じは少なく、むしろ自分でいじってそれを悪化させています。
うちの子も「内受容感覚」の認識に問題がありそうです。
私がもっともっと気づけるようになりたいと思うばかりです。
言葉を話すことができない発達障害の子の内面を知るセンサー技術

(チャーリー)


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