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自閉症は極端な男性脳?そもそも男性ホルモンは共感に影響なし

time 2019/09/07

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自閉症は極端な男性脳?そもそも男性ホルモンは共感に影響なし

新しい研究では、男性ホルモンの一つであるテストステロンと自閉症スペクトラム障害の特徴的な特性である認知的共感の低下、との間に関連性は認められませんでした。

80年前の最初の臨床報告以来、自閉症は女性よりもはるかに多くの男性にみられました。
そして、ずっとその理由は解明されていません。

現在、最も一般的でよく引用される仮説の一つ、そして最も物議を醸すものの一つでもありますが、
それは心理学者サイモン・バロン・コーエンが最初に提案した「極端男性脳」(EMB)理論・仮説です。

子宮内の高レベルの出生前ホルモンが、他人の感情を読む能力の低下など、極度に男性的な特性につながる可能性があるとするものです。

この理論の裏付けとなる証拠について、多くの異なるレベルで議論がなされています。
テストステロンの役割に関するこれまでの研究のほとんどは、相関関係を示すのみだからです。
研究の多くは参加者が少ない規模の小さなもので、一貫性もありません。

たとえば、2011年にバロン・コーヘンらによる研究では、16人の若い女性のみが参加したものです。
これらの参加者にテストステロンを投与すると、他の人の感情を読むテスト(RMET)の成績が低下することがわかりました。
この研究では人差し指と薬指の長さの比率と、テストステロンのレベルとの関係も発見されています。

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カナダ、トロント大学の神経経済学者であるアモス・ナドラーはこう言います。

「この研究を間違いのないものとして考えてきました。
誰も疑うことがありませんでした。」

ナドラーの研究チームは、2011年のバロン・コーヘンらによる研究の15倍の参加者、25倍の参加者で同様な実験を行いました。
この研究は”the Proceedings of the Royal Society B”に掲載されています。

男性は自閉症と診断される確率が女性の4倍にもなるため、参加者は男性のみとしました。

研究チームは合計643人の男性にテストステロンか有効成分が全く入っていない疑似薬(プラセボ)を投与しました。

まず、243人に対して普段のテストステロンのレベルを測定し、2011年の研究で使用したのと同じ認知的共感テストを受けてもらいました。
そして、テストステロンまたはプラセボを肩につけ、前回とは異なる認知的共感テストを再び受けました。

次に別の400人に対して、同じことを行いました。
テストステロンを鼻につけたことだけが異なります。

「研究の結果、テストステロンレベルと他人の考えや感情を理解する能力との間に因果関係がないことがわかりました。
それは自閉症スペクトラム障害の顕著な特徴とされているものです。」

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ナドラーは極端な男性の脳理論の証拠は不十分であり、認知的共感におけるテストステロンの役割は、私たちがしばしば考えるよりもはるかに複雑であると考えています。

この結果は、出生前テストステロン暴露と自閉症の特徴との間に関係がないことを発見した他の最近の研究によっても裏付けられます。

オランダのライデン大学でホルモンがどのように脳に影響を与えるかを研究しているピーター・ボスは、この新しい研究に説得力があると感じています。
しかし、その結果に対する見方には非常に注意する必要があると言います。

結局のところ、この研究でわかったのはテストステロンが他人の考えや感情を理解する能力とは関係がないという点だけです。
さらにRMETのようなテストは、感情認識だけでなく幅広いスキルを必要とするために、しばしば批判されています。医療現場では利用されていません。

「この研究は慎重に実行され、これまでの研究をはるかに超えるとても多くの人が参加したという点はとても素晴らしいです。

男性については、テストステロンの投与がRMETのパフォーマンスに影響を及ぼさないことを説得力をもって示しています。」

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しかし、ボスは研究チームの努力を賞賛しながらも、たくさんの参加者による研究であったにも関わらず、女性が参加者に含まれていなかったことに驚くといいます。

テストステロンは性差を形作る上で重要な要因であると考えられているため、男性と女性の両方で同様であると仮定することはできないと考えられるからです。

たとえば男性、特に重度の自閉症の男性であれば、普段から認知的共感テストの成績は低いため、テストステロンによる低下はわかりにくい可能性があります。
一方で、普段から女性は高いため、テストステロンによる低下は大きく見える傾向があります。

「この研究は『極端な男性脳』仮設の証拠に異議を唱えるものになるとは思えません。
そのような主張は時期尚早だと思います。」

ボスはこの研究に女性が参加していたのなら、その主張に喜んで同意できたといいます。

(出典:米science alert)(画像:Pixabay

自閉症になる原因は脳が極端に「男性的」になっているからという説があります。

男性ホルモンのテストステロンのレベルが高いために、女性のように他人と共感することができない、それこそ自閉症の特徴と考えるものです。

今回の研究はそもそもテストステロンが他人との共感能力に影響を与えることはないので、その説は成り立たないだろうとするものでしたが、批判もあるという話でした。

私は研究者ではありませんが、男性ホルモンが多すぎることが自閉症の原因と考えるのは、簡単すぎやしないかと思ってしまいます。

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(チャーリー)

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