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言葉をなくした自閉症の子どもは成長に遅れはなかった。研究

time 2019/10/11

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言葉をなくした自閉症の子どもは成長に遅れはなかった。研究

新しい研究によれば、言葉をなくした自閉症の子どもは、言葉をなくしていない自閉症の子どもに比べて、早く成長していました。
「自閉症の子の退行」について考えるときには議論の余地があります。
ある研究者は、すべての自閉症の子どもはある時点で言語やその他のスキルを失う、自閉症による退行が起きると考えています。
一方で、自閉症の子でも退行が起きるのは一部だと考える研究者もいます。
今回の新しい研究は後者の仮説を支持するものとなりました。
「私たちの調査結果では、退行が起きた自閉症の子どもたちは一部です。
退行が起きなかった自閉症の子どもたちとは異なる成長を見せていました。」
そうイスラエルのベングリオン大学公衆衛生学のイダン・メナシェ助教授は言います。
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メナシェらによる研究チームは、言葉を失う前、少なくとも1ヶ月間の間に3つの単語を話した子どもたちについて研究調査を行いました。
この子どもたちは、平均すると自閉症でない子どもたちと同じ時期に歩いたり、話し始めていました。
退行が起きる前は、自閉症出ない子と同じような成長を見せていたのです。
対照的に、退行が起きなかった自閉症の子どもは、自閉症でない子どもに比べて成長は数ヶ月遅れていました。
「退行」の定義については議論の余地があるために、研究チームは言葉についての退行のみを対象としました。
親が回答するアンケート、医療記録、親との面談を通じて調査を行いました。
3つの情報源のいずれかから言語についての退行が確認できた自閉症の子ども、言語の退行が見られなかった自閉症の子ども、あわせて218人の自閉症の子が調査対象となりました。
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言語の退行がない自閉症の子どもに比べて、言語の退行が起きた自閉症の子どもは
1.5ヶ月早くハイハイをしました。
3ヶ月早く歩き出しました。
8ヶ月早く話し出しました。
これは自閉症でない子どもと変わらない成長のペースでした。
「言語の退行があった自閉症の子どもは、自閉症でない子どもと変わらない速さで成長していたようです。」
身体の発達は運動と言語の発達にも影響を与える可能性があります。
そのために研究チームは頭囲、身長、体重の記録なども調べました。
それらは、自閉症の子どもとそうでない子どもで差はありませんでした。
しかし、言語の退行がない自閉症の子どもは筋肉が弛緩している傾向が有意に高くなっていました。
また言語の退行があった自閉症の子どもは、言語の退行がない自閉症の子どもに比べて早く自閉症と診断をされていました。
この研究結果は”Autism Research”にて発表されています。
 
「子どもたちがもっていたスキルが消えてしまう。
この退行という現象を明らかにすることはとても重要なことです。
しかし、それが誰に起こり、後の人生にどんな影響を与えるかについて明らかにすることはとても難しいことです。
また、自閉症の子どもについて退行のあるなしでグループ化することは、おそらく重要な何かを見落としてしまっているはずです。」
そう米カリフォルニア大学人間発達及び精神医学のキャサリン・ロード教授は言います。
今回の研究を行ったメナシュ助教授はこう言います。
「退行があった、なかったというふうに、自閉症の子どもたちを両極端で見てみたのです。
実際には明確に2つに分かれるわけではないでしょう。
自閉症の子どもたちはグレーゾーンがある連続しているものだと認識していますが、それでは捉えられないのです。」
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子は重度の発達障害で、今はお話することもできません。
ですが、「ハッスル、ハッスル」とか「プリン、プリン」とかは言っていた頃があります。
一回きりですが私に「おかえり」と言ってくれたこともあります。
2歳くらいのときでしょうか。話さなくなっていきました。行動も少しおかしくなっていった気がします。
まだまだ小さい頃なので、しかたないかと思いますが医療機関に相談にいっても「様子を見ましょう。」でした。
今振り返れば、まさにそれは「退行」でした。
後に発達障害と診断をされたときに、それはよくあることだと言われたことを憶えています。
その頃は環境に変化はなかったので、環境が原因ではやはりないはずです。
「おかえり」
一回きりになるのだったら、あのとき動画を撮っておけばよかったとよく思います。
発達障害の子は今語彙が少なくても言語能力はずっと発達を続ける

(チャーリー)


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