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自閉症の子はそうでない子に比べ、もっと痛く感じている可能性

time 2019/11/07

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自閉症の子はそうでない子に比べ、もっと痛く感じている可能性

自閉症スペクトラム障害の子は、自閉症のない子に比べて2倍の痛みを感じている可能性があると、新しい研究が示唆しています。
「痛みは誰にも一般的な感覚ですが、自閉症の子たちにとってはよくわからない感覚のようです。」
そう、研究を行った米ミシガン大学の臨床心理学のダニエル・シャピロ助教授は言います。
そして研究によれば、自閉症の子どもたちは脳性麻痺、てんかん、知的障害、胃腸障害など他の医学的状態も同時にかかえていることが少なくないために、自閉症でない子どもに比べて痛みを多く感じている可能性があると述べています。
また、自閉症の子が感じている痛みはそうでない子とは異なる感覚である可能性もあります。
「自閉症スペクトラム障害の子どもは、身体的感覚が異なるように感じられるか、またはよりわずらわしいものになっている可能性があります。
そのために、痛みの感覚がそうではない子に比べて自閉症の子には多くの苦痛をもたらしているかもしれません。」
また、自閉症でよく見られる言語とコミュニケーションの困難もかかえる子どもは、痛みの感覚を説明することが困難になっている可能性があるとシャピロ助教授は言います。
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2016年から2017年の子どもの健康に関する全国調査データから、シャピロ助教授の研究チームは、6から17歳の自閉症の子ども約1500人と自閉症でない約49,000人の子どもの痛みに関するデータを収集しました。
調査データは、過去1年間に子どもが頭痛や背中や体の痛みが頻繁にあったり、または慢性的な身体的痛みを抱えているかどうかについて親の回答です。
自閉症でない子どもではそうした痛みをかかえているのは8パーセントでした。
それに比べて自閉症の子どもでは16パーセントから20パーセントがそうした痛みをかかえていました。
そしてシャピロ助教授は、言葉を話すことができない子どもは別の方法で痛みを伝えていると言います。
「コミュニケーションが困難な子どもは、痛みを行動で示すことがあります。
感覚過敏の結果だと思っていた行動であったり、問題行動というかたちです。」
しかし、家族や医師も痛みがその行動の原因とはわからないかもしれないといいます。
「突然の行動、原因不明の行動の変化の原因は痛みなのかもしれないと思わなければなりません。」
こうした子どもに痛みについて質問する方法の一つとして、体の写真を使用して痛みの場所を示し、悲しみと幸せそうな顔で不快感の程度を説明することをシャピロ助教授はすすめます。
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米ニクラウス小児病院の神経心理学者、ブランドン・コーマンはこう言います。
「自閉症スペクトラム障害の子どもの多くは、痛みを確実に伝えることができません。
他の子どものように泣き、うめき、または慰めを求めないかもしれません。
一方で痛みに敏感で激しい痛みを感じているかもしれません。
しかし、それは子どもによって大きく異なる可能性があります。」
それぞれの子で異なる自閉症の状態によって、痛みは異なる感覚になっている可能性があることを付け加えています。
「私たちは子どもを能力があり、要求もある人として対応することが重要です。
自閉症の子どもたちがそのように見せたり、私たちと同じような方法で伝えなかったとしても、
私たちにとって苦痛なことは、自閉症の子どもたちにとっても苦痛である可能性が高くあります。」
シャピロ助教授は、歴史的に自閉症の子どもは他の子どもよりも痛みに敏感でないと考えられていたと指摘しています。
そして、今回の新しい研究結果をもとに、自閉症スペクトラム障害の子どもたちに対しても他の子どもと同様な、痛みに対する対応をとるべきだとシャピロ助教授はいいます。
この研究論文は”JAMA Pediatrics.”で公開されています。
(出典:米UPI)(画像:Pixabay
うちの子は注射を刺されても、表情は変わりません。
ここで立ったまま、なぜ動かないと思ったら窓に指を挟んで動けなくなっていました。
痛みに鈍感な感じがします。
一方で突然泣き出して、原因がよくわらないこともあります。
どこか痛いのかなと心配になり、身体中を触りながら質問をしても表情は変わりません。
親なのに、もうずいぶん大きくなったのにわかりません。申し訳なくなります。
伝えられない痛みについては本当に知りたいです、こうした研究、そしてセンサーなどによる技術開発を切に望んでいます。
重度の発達障害の人の中には伝えられないだけの人がいるのかも

(チャーリー)


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