発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

知的障害のある人は平均寿命が短い。対応することで改善できる

time 2019/12/06

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

知的障害のある人は平均寿命が短い。対応することで改善できる

知的障害のある人の平均寿命が短いこと、そしてその結果は医療関係者がきちんと対応することで改善できることが研究で示されました。
“Journal of Applied Research in Intellectual Disabilities”で発表された研究で、研究チームは知的障害の人たちの死亡リスクを高める要因について伝えています。
2005年から2015年にかけて、オーストラリアのニューサウスウェールズ州で障害者支援サービスを受けた42000人以上の知的障害のある人たちの記録を調査しました。
がんを患った知的障害の人は、がんを患っていない知的障害の人の死亡率に比べて8倍でした。
重度の精神疾患をかかえた知的障害の人はそうでない知的障害の人に比べて死亡率が4倍でした。
ダウン症であり知的障害をかかえる人はそうでない知的障害の人に比べて死亡率が3.5倍でした。
この研究結果から、知的障害のある人が受ける医療が不十分であるか、治療が手遅れになっていたことが示唆されます。
「死亡率が高い原因はがんを患っていることがもちろんありますが、がんに対する診断の遅れや不適切な診断により死亡リスクが高まっている可能性があります」
トロラー教授はそう言います。
「同じく、精神疾患、ダウン症、脳性まひ、てんかん、その他慢性疾患もかかえる知的障害の人が適切な治療が受けていない可能性があります」
c1
母親のジュリー・ホイステッドは、低酸素脳症により知的障害をかかえた息子のジョシュアが、適切な治療が受けられないことを何度も経験してきました。
ジョシュアはグループホームに住んでいる、44歳のときに精巣がんと診断されました。
「もっと早く診断することができたはずです。そうすれば早期治療が可能だったはずです。
かかった病院では、手術はすすめられませんでした。
それは、手術後に息子がじっと座っていることができないと考えたためです。
そのために化学療法しか選択しがありませんでした。
すべての医療関係者が知的障害の人についてもっと知ってほしいと思います。
知的障害に人に対する誤解は、医療サービスにあってはならないはずです」
そして、ジョシュアは45歳で命を落としました。
c4
トロラー教授は、知的障害のある人ががんを患っても積極的な治療を行われない、治療が不十分であった同様のケースを他にも知っているといいます。
「多くの専門家が、知的障害のある人たちに対して正しい知識と接し方をもっていません。
これが、知的障害の人が必要な治療を受けるのを妨げている可能性があります」
医療関係者がもっと適切に対応できるようになれば、知的障害の人たちの死亡率は劇的に改善する可能性があるとトロラー教授は指摘します。
「知的障害人の死亡率の上昇は、知的障害に加えて、それに関連するふだんの健康管理の悪さも影響しています。ライフスタイルの改善もさせることを考えなければなりません」
知的障害の人の死亡率を上げるものとして、てんかんや脳性まひもあります。
「てんかんは事故やケガのリスクを高めます。
突然の原因不明の死にも関連している可能性があります。
したがって、てんかんによる発作をうまく制御し事故のリスクを減らすように考えなければなりません。
脳性まひは、加齢により悪化する摂食、嚥下の問題をさらに悪化されることが考えられます。
ダウン症にかかわるリスクは、予防的なヘルスケアを積極的に行うことで軽減できると考えます」
c3
この研究の主執筆者である、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学のトロール教授の同僚であるシモン・レッパムンド博士は、健康上の問題を改善しようとする前に知的障害の人が直面する障害を理解する必要があるといいます。
「コミュニケーションの難しさと健康リテラシーの欠如が、知的障害の人たちの健康管理の障壁になる可能性があります。
また医師が予防的ヘルスケアをうまく行うためには、知的障害の人に対する日常的な健康チェックの実施などを含む、訓練と時間を必要とする整備が必要です」
ニューサウスウェールズ大学ののジム・シンプソンはこの研究結果は知的障害のある人たちの健康についての政府の戦略に役立つものだといいます。
「知的障害のある人について、がんによる死亡率が8倍も高く、知的障害だけでなく精神障害などもかかえると若くして亡くなっている事実はとても恐ろしいことです。
この研究は、オーストラリア政府の知的障害のある人たちの健康改善のためのロードマップの作成にとても役にたつものとなります。」
(出典:米Medical Xpress)(画像:Pixabay
うちの子は重度の発達障害、自閉症で知的障害もあります。
親であっても、どうして泣いているのかわからないことがよくあります。
どこか痛いのか、苦しいのか、
わからないです。難しいです。親なのに情けなくなります。
本当に難しいので、医療関係の方もわかってくれるようになったら心強いです。
言葉を話すことができない発達障害の子の内面を知るセンサー技術

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから

最近の人気記事

福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。