発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

発達障害や知的障害の人が急増し1割の4万人に。米国里親制度

time 2024/02/27

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

発達障害や知的障害の人が急増し1割の4万人に。米国里親制度

新たな研究によると、2016年に米国では自閉症や知的・発達障害を持つ約4万人の若者が里親制度のもとにいました。

米国では、里親制度に関わる若者は、精神的な健康の問題、トラウマを受けるリスクが高く、成人後の結果も同年代の若者に比べて悪いことが知られています。

自閉症や知的障害を持つ若者がこの制度とどのように関わっているかについての研究は不足しています。
この問題を改善するためには、里親制度の中で自閉症や知的障害を持つ若者がこの制度をどのように利用しているかについての証拠が必要です。

米ドレクセル大学のA.J.ドレクセル自閉症研究所の研究者たちが、米ジョージ・メイソン大学の社会福祉学部、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の社会福祉学校と協力して、知的・発達障害(自閉症を含む)を持つ若者の里親制度への関与と、それが米国でどのように進化してきたかを調査しました。
2016年の全米メディケイド請求データを使用しました。
この研究は「Journal of the American Medical Association (JAMA) Pediatrics」で公開されています。

2016年には、米国の里親制度に40万人以上の若者がいました。
研究者たちは、知的・発達障害を持つ若者の里親制度における人口が大幅に増加し、約4万人、つまり約1割に達していることを発見しました。
それは、里親制度にいる若者の中で自閉症と知的障害の割合が、一般的な米国人口で見られる割合に比べて2倍から5倍高い数字でした。

知的・発達障害を持つ若者の中では、黒人の若者や女性の若者が、白人や男性の若者に比べて里親制度に関係したリスクが高くなっていました。
また、知的・発達障害を持つ若者の里親制度の関連リスクは年齢と共に増加していました。

この研究の主執筆者である米オータム研究所の政策および分析センターのディレクターであり、准教授のリンゼイ・シェア博士はこう述べています。

「知的・発達障害を持つ若者が里親制度にどのように関与しているかを理解することは、必要な政策やプログラムの変更に向けた優先事項を特定するための重要な第一歩です。

公衆衛生、政策、社会福祉の専門家による私たちの協力チームは、メディケイド制度内でのこの人たちを理解しあいと考えています」

米国のメディケイド制度とは、低所得者向けの公的医療保険制度であり、特に貧困層や障害を持つ人々に対して、医療サービスを提供するためのものです。
米国では、州ごとに運営されており、連邦政府と州政府の資金で支えられています。
この制度は、必要な医療を受けられない人々に医療サービスを提供することで、健康の格差を緩和しようとする目的があります。

今回、研究チームは、米国メディケイド制度全体で検討するために、最大の情報源となるメディケイド請求データを使用しました。
知的および発達障害を持つ若者を対象とした里親制度のメディケイドにおける研究は、メディケイドが知的・発達障害を持つ若者や里親制度にいる若者の主要な保険者であるため、タイムリーで重要です。
しかし、州が知的・発達障害を持つ若者のサービスを里親制度にどのように結びつけるかには障壁があるようです。

「この研究は、しばしば見過ごされがちな、非常に脆弱な里親制度の若者たちの経験を中心に据えています。
これらの若者を支援する最初のステップは、彼らの経験を目に見える形にすることです」

そう、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の准教授であり、この研究の共著者であるエイミー・ブランク・ウィルソン博士は述べています。

自閉症に焦点を当てた研究は、しばしば家族や個人にとって協力が難しいデータの要求のために、少なく限定されてしまうことがよくあります。

しかし、メディケイド請求などの二次データソースの使用は、メディケイド制度に登録されている多くの人たちの経験を観察するための革新的な機会を提供します。
これにより、メディケイドの政策やプログラムを再編成したり、新しい方法を検討できます。
これには、里親制度にいる知的・発達障害を持つ若者への支援を強化することが含まれます。

米ジョージ・メイソン大学の助教授であり、この研究の共著者であるメリッサ・L・ビリョーダス博士はこう述べています。

「この研究活動の強みは、人種、民族、性別、年齢、障害の交差するアイデンティティを重視することにあります。
疎外されることによる生まれる複雑で独特な課題について、より多くを知ることで、私たちの努力が公平な政策や実践により役立つことになります」

(出典:米ドレクセル大学)(画像:たーとるうぃず)

米国では問題が起きやすい制度だと認識されているのですね。

里親制度によって、救われる親、子どもは多いと信じていますが、

必要とされる子どもたちは、決して見逃されずに、いち早く救われるようになることを心から願います。

両親をなくした自閉症の青年。長年の友だちが後見人になった

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから

最近の人気記事

福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。