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学習障害、発達障害は脳の特定領域ではなくネットワークに原因

time 2020/03/04

この記事は約 4 分で読めます。

学習障害、発達障害は脳の特定領域ではなくネットワークに原因

英ケンブリッジ大学の研究者はこれまで考えられていたこととは異なり、学習困難は脳の特定の領域が原因なのではなく、脳内のハブへの接続の少なさが子どもたちの困難に強く影響しているといいます
世界中の子どもの14パーセントから30パーセントが特別支援を必要とする程度の深刻な学習障害をかかえています。
多くの場合、認知や行動の問題にも関連します。
場合によってはこうした子どもたちは、失読症、計算力障害、言語障害、ADHDや自閉症スペクトラム障害などの発達障害と診断されています。
これらの困難を引き起こす可能性がある脳の領域について、これまでの研究では特定することができていません。
無数の脳の領域が候補になっています。
たとえばADHDでは、前帯状皮質、尾状核、淡、球、線条体、小脳、前頭前野、運動前野、および頭頂葉の大部分に関連しています。
このようなことになっている理由の一つとして、ある診断をされても、実際にはそれぞれがことなるために、関わる脳領域もそれぞれ異なる可能性が考えられています。
n1 学習障害、発達障害は脳の特定領域ではなくネットワークに原因
しかし、英ケンブリッジ大学MRC認知脳科学ユニットの研究チームは別の理由の可能性を示しました。
特定の脳の領域が原因なのではありません。
この研究チームは、AIを利用して、479人の子どもたちの脳の違いを分析しました。
そのうちの337人は学習関連の問題をかかえています。
残りの147人はそうした問題をかかえていない比較対象です。
AIは、子どもたちの認知、学習、行動のデータ、MRIによる脳スキャンデータについて学習し分析しました。
この研究結果は”Current Biology”で発表されています。
研究チームは、脳の違いと学習障害の有無に関係がないことを発見しました。
つまり、ADHDや自閉症であることを予測できる特定の脳の領域はなかったのです。
さらには、言語の問題や記憶障害などについても、特定の脳の領域の障害ではありませんでした。
n2 学習障害、発達障害は脳の特定領域ではなくネットワークに原因
研究チームは効率的な交通システムやSNSなどのように、子どもの脳はハブを中心にネットワークで結ばれていることを発見しました。
この脳のハブとネットワークよくつながっている子どもたちは、聞き取りの能力が低いなどとても特殊な認知障害をかかえているか、または認知障害が全くありませんでした。
これとは対照的につながりが不十分な子どもは、広範囲にわたる深刻な認知の問題をかかえていました。
「これまで何十年もの間、特定の学習障害や困難を予測できる、特定の脳領域があるといわれてきました。
しかし、そうではないことを示しました」
そう、この研究を行ったダンカン・アストル博士は言います。
「実際には、これらの脳領域がどのように接続されているか、特にハブを介して接続されているかどうかについて検討することがとても重要です。
これらのハブは脳領域間で情報を共有する上で重要な役割を果たすため、学習困難の重症度はこのハブとの接続に強く関連していました」
アストル博士はこの研究結果から考えられる一つのこととして、発達障害の診断名によって療育内容を大きく変える必要なないかもしれないといいます。
「診断名は家族にとっては重要です。
子どもの困難を専門的に認識し、専門家のサポートへの扉を開くことになるからです。
しかし、先生が行う療育の内容などについては、診断名は重要ではないかもしれません。
リスニングスキルや言語能力を向上させるために、どうサポートするかを療育内容では検討することをおすすめします」
n3 学習障害、発達障害は脳の特定領域ではなくネットワークに原因
今回の研究による発見は、薬物治療が発達障害に対して有効であることが証明されていない理由を説明するかもしれません。
たとえば、ADHDの治療に使用されるメチルフェニデート(リタリン)は、多動を軽減するように見えますが、認知障害を改善したり、教育の進歩を改善したりすることはありません。
薬物は特定の種類の神経細胞を標的とする傾向がありますが、長年にわたって築かれる脳内のハブとネットワークにはほとんど影響を与えません。
学習障害や発達障害においてハブとそのつながりが重要な役割を果たすことが示されたのはこれが初めてですが、脳障害においてその重要性は近年ますます明らかになってきています。
ケンブリッジ大学の研究者は、統合失調症などの思春期に出現し始める精神衛生障害でもそれが重要な役割を果たすことをこれまでに示しています。
(出典:英ケンブリッジ大学)(画像:Pixabay
発達障害は脳の特定部分が原因なのではなく、脳内のネットワーク、つながりが原因ではないかとするケンブリッジ大学の研究です。
また、療育については発達障害の診断名を中心に考えるのではなく、抱える機能の問題を中心に考えるべきと。
うすうす感じていたことをはっきりさせてくれた研究のように思います。
発達障害のASDとADHDの両方をもつ子に有効なゲーム療育研究

(チャーリー)

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