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自閉症の人は注意力を調節する脳領域の活動が異なるという研究

time 2020/05/06

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

自閉症の人は注意力を調節する脳領域の活動が異なるという研究

新しい研究によれば、発達障害である自閉症の人は注意力を調節する脳の一部の領域の活動が、自閉症でない人とは異なります。
研究チームは、青斑核として知られている脳領域の活動を瞳孔反応から測定しました。
脳幹に位置するこの領域は、脳全体の活動を調節する上で重要な役割を果たします。
たとえば、瞳孔を広げたり狭めたりして、人が受け取る視覚情報の量を調整します。
このため、研究チームは瞳孔の大きさを使用して、その地域の活動を推測し、あることに対しての人の注意度合いを測ることができます。
瞳孔が広いほど、注意していることが示されます。
また、青斑核は、興奮性と抑制性の脳信号のバランスを調整する重要な役割を担っていると考えられています。
いくつかの研究では、このバランスが自閉症の人ではうまくいっていないことを示しており、この脳の領域が自閉症に生物学的な影響を与えるものであることを示唆しています。
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新しい研究では、研究チームは注意散漫になる音がある場合とない場合とで作業をしたときの自閉症の人とそうでない人の瞳孔反応を比較しました。
自閉症でない人の瞳孔は、音を聞くと大きくなり、青斑核が注意していることが示唆されました。
対照的に、自閉症の人の瞳孔は広がりませんでした、青斑核が注意を調整しないことが示されました。
これは自閉症の人の感覚的な経験に重大な結果をもたらすかもしれないと研究チームは述べています。
この研究を行った米カーネギーメロン大学の心理学のマレーネ・ベーマン教授はこう言います。
「最も重要な情報に実際に集中することができないということは、常にたくさんの刺激を相手にしなければなりません。
これは、自閉症の人に見られる感覚過敏症の原因となっている可能性があります」
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研究チームは、コンピューター画面に同じ文字が2回続けて表示されたときに、自閉症の成人26人と、そうでない成人26人にキーを押すようにお願いをしました。
その後、通常の会話と同じくらい大きな音が0.15秒ごとに再生されるなかで同じ作業をお願いしました。
研究チームは、作業中の瞳孔面積を測定しました。
自閉症の人も自閉症でない人も、どちらも、両方の作業をうまく行うことができました。
しかし、音が鳴る場合の作業において、自閉症でない人は瞳孔が拡大し、青斑核がコンピューターに向かって集中し音からは意識を離すようにしていたことが示唆されました。
自閉症の人では瞳孔が拡大することはありませんでした。
「気を散らすものを意識から遠ざけ、意識するべきものに集中できるように脳が行っています。
しかし、自閉症の人にはそれが見られませんでした」
自閉症の人とそうでない人との違いは、同じ文字が2回続いたときに気づいてキーを押したときに現れました。
自閉症の人も、そうでない人も、気づかなかった場合には違いはありませんでした。
これは人が行動を決定するときに青斑核が特に重要な役割を果たしていることを示す研究と一致しており、興奮性および抑制性シグナルを変調しているという考えを支持します。
この研究は”Journal of Neuroscience”に掲載されました。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子を見ていてずっと昔に気づいたのですが「目が輝かせる」ということがあまりありません。
何かに興味をもったときに見せる、目の状態です。
それは目全体が大きく開くだけでなく、瞳孔も開いているというときです。
今回の研究と通ずるように思います。
発達障害の人の多くは全体を見ない。目の錯覚が診断に役立つかも

(チャーリー)


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