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自閉症の人は同時に摂食障害をかかえることも多い。研究結果

time 2020/05/14

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自閉症の人は同時に摂食障害をかかえることも多い。研究結果

これまでの研究で、摂食障害のある成人の20から30パーセント、摂食障害のある未成年者の3から10パーセントが自閉症をかかえていることがわかっており、自閉症と摂食障害を同時にかかえる可能性が高いことがわかっています。
しかし、自閉症の特徴と摂食障害のどちらが先に生ずるかは明らかではありませんでした。
“Journal of Child Psychology and Psychiatry”に掲載された英ロンドン大学の新しい研究で、幼年期の自閉症の特徴が摂食障害に特徴的な行動の前に来るため、自閉症が摂食障害を発症させる要因になっていると考えられることがわかりました。
今回の研究を行った英ロンドン大学精神医学のフランチェスカ・ソルミ博士はこう言います。
「自閉症の特徴をもっている7歳の子どもは、そうでない同年齢の子どもよりも思春期に摂食障害の症状を発症する可能性が高いことがわかりました。
これまでのほとんどの研究では、複数年にわたって追跡調査をしたものではなかったため、自閉症が摂食障害のリスクを高めるのか、それとも、摂食障害の症状が自閉症の特徴に似たようなものになっていくのかがわかっていませんでした」
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今回の研究には、英ブリストル大学の別の研究に生まれたときから参加している5831人が参加しました。
研究チームは、7歳、11歳、14歳、16歳の時点で自閉症の特徴があるか、14歳の時点で摂食障害(拒食、過食など)があるかどうかを調査しました。
研究チームは自閉症の正式な診断ではなく、母親から報告された自閉症と思われる特徴についての聞き取りをもとにした調査としたため、実際には自閉症ではない人も含まれています。一方で、正式な診断をされていない自閉症の人を含んでいることも考えられます。
調査した結果、女の子の11.2パーセントに摂食障害があることがわかりました。
男の子では3.6パーセントでした。
摂食障害のある青年は7歳までに自閉症の特徴を示していました。
そのため、自閉症の特徴は摂食障害より前に現れると考えられ、自閉症が摂食障害の原因となっている可能性が示されました。
7歳で自閉症の特徴を示した子どもは、14歳で摂食障害を示す可能性は24パーセント高くなっていました。
また、14歳で摂食障害を示した子どもは、16歳の時点で自閉症の特徴が増加していることはありませんでした。
研究グループでは、女の子の11.2%が前年内に少なくとも1つの摂食障害を報告した(7.3%が月に、週に3.9%が経験した)のに対し、男の子は3.6%(月に2.3%、週に1.3%)でした。
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今回の研究では、自閉症と摂食障害との結びつきの理由まではわかりません。
しかし、研究チームは自閉症の子どもたちが社会的なコミュニケーションと友だちを作ることなどの問題をかかえている可能性が高く、それがうつ病や不安障害につながっていく可能性を指摘します。
摂食障害は、これらの感情的な困難から生じていると考えられます。
この研究に参加した、英ロンドン大学のウィリアム・マンディ博士はこう言います。
「研究の次のステップは、自閉症の特徴を示す人が摂食障害になってしまうその理由について理解し、摂食障害にを防ぐ療育方法を開発することです。
神経性の食欲不振をかかえる女性の約5分の1は、自閉症の特徴を示すことが多く、これまでの摂食障害の治療方法の効果が最も少ないということが、これまでに示されています。
自閉症で摂食障害をかかる人には、これまでとは異なる治療方法が必要になることがあるでしょう」
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英ロンドン大学のグリン・ルイス教授もこの研究に参加しています。こう言います。
「自閉症の子どもを持つ親や介護者は、摂食障害を発症するリスクが高いことを認識しておくべきです。
摂食障害に注意を払い、早めに助けを求めることが役立つでしょう」
摂食障害に対する支援団体のディレクター、トム・クインは次のように言います。
「自閉症の人の中で摂食障害のリスクが高いことを特定するこの重要な研究を歓迎します。
摂食障害の治療には早期の介入が非常に重要です。
この研究は親たちや医師が、摂食障害の初期兆候をより迅速に発見することを助け、摂食障害を発症するリスクのある人々が必要な助けを得ることを確実にします。
自閉症の人に摂食障害の発症の可能性を減らすためにますますこうした研究が進むことを期待しています」
(出典:米EurekAlert!)(画像:Pixabay
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最近は外に出ることが少なくなったからか、ますます夜眠らず、何か食べたいと騒ぐことが多くなって、そんなときにはちょっとだけポテチをあげてしまっています。
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(チャーリー)

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