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自閉症の子は脳の感覚領域が過剰に接続、それが強いほど重度に

time 2020/07/05

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

自閉症の子は脳の感覚領域が過剰に接続、それが強いほど重度に

新しい研究によれば、発達障害の自閉症の幼児は脳の感覚野の間に異常に強いつながりを持っています。
また、そのつながりが強いほど、子どもの自閉症の特徴はより顕著になります。

米サンディエゴ州立大学のインナ・フィッシュマン准教授は、感覚領域の過剰接続が自閉症の子の脳の発達を妨げる可能性があると伝えています。

この研究結果は脳の接続性と自閉症に関する複雑な研究​​分野に加わるものです。
一部の脳領域間の接続性の低下、他の領域間の接続性の強化、または接続性の違いがないことを示しています。

これまでの脳イメージング研究で、自閉症の乳児や幼児が感覚領域を含むさまざまな脳領域のネットワークの繋がり方が違っていることがわかっています。
しかし、これらのデータのほとんどは、そうでない子どもに比べて約20倍の自閉症である可能性が高い、自閉症の兄姉をもつ子どもからのものでした。

「私たちの初期の知識の多くは、自閉症のリスクの高い幼児からのものです」

そう、今回の研究には関与していない米ペンシルベニア大学の心理学のベンジャミン・エリーズ助教授は言います。

対照的に今回の新しい研究では、自閉症と診断された子どもたちに焦点を当てました。

「自閉症と診断されたばかりの子どもたちを対象にした研究はとても少ないのです。
それが今回の研究の強みです」

そう、米カリフォルニア大学デービスMINDインスティチュートのクリスティーン・ウーノルダール准教授は言います。

フィッシュマン准教授のチームは機能的磁気共鳴画像を使用して、1歳から3歳の自閉症の24人の子どもとそうでない23人の子どもに対して、寝ている間の脳の活動をスキャンしました。

そして、記録された脳の活動をこれまでに報告されている、10種類の脳内ネットワークに分類しました。

次に10種類の脳ネットワーク内およびネットワーク間の接続性、つまり2つの脳領域が活動を同期する度合いを測定しました。
また、自閉症診断観察検査を使用して、子どもの自閉症の重症度も測定しました。

その結果、自閉症でない子どもたちに比べて、自閉症の子どもたちは視覚に関わる脳ネットワークと、感覚情報と運動を統合する脳ネットワークとの間に大きなつながりがあることを発見しました。
そして、これらのネットワークの相互接続が多ければ多いほど、子どもの自閉症の特徴はより強くなっていました。

この研究は”Journal of Child Psychology and Psychiatry”に掲載されました。

今回の研究結果は、自閉症の子どもがしばしば、生まれて早い時期に感覚情報を処理することが困難である理由を説明するのに役立つかもしれないと、フィッシュマンの研究室の博士課程の研究者であるボシ・チェンは言います。

そして、チェンは自閉症の子どもたちの脳の接続性の違いが、学齢期になるまでに言語などの他の機能を管理する脳ネットワークにも影響を与えている可能性があると推測しています。

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

視覚をより使って、コミュニケーションしたり、学習できるようにしたほうがよい。

そうしたことの裏付けにもなる研究結果なのでしょう。

自閉症の子どもたちは記憶した経験の応用が困難。視覚化が有効

(チャーリー)


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