発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

米国ではいなくなってしまった5歳未満の自閉症の子の6割が死亡

time 2020/11/12

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

米国ではいなくなってしまった5歳未満の自閉症の子の6割が死亡

どこかにいなくなってしまうことは、子どもたちにあるよくあることです。
多くの親がすぐ見つけることができずに、不安になったことがあるでしょう。

しかし、発達障害である自閉症スペクトラム障害の子をもつ親にとっては、幼い頃に限らずよくある出来事です。

2020年米アカデミー小児科全国会議で、米ケネディ・クリーガー研究所と米ジョンズ ホプキンス医学部のポール・リプキン准教授が「自閉症の危険性:いなくなってしまう子どもの安全」で、この深刻な出来事について発表しました。

リプキン准教授は、徘徊、逃走、放浪など、いなくなってしまった自閉症スペクトラム障害の子どもの多くは死亡していたことを指摘しています。

2011年以降、自閉症スペクトラム障害の人が行方不明となったのは1500件以上でした。
そして、そのなかの200件以上で死亡していたことが報告されています。

自閉症スペクトラム障害の人がどこかに行ってしまった場合に、約3分の1は死亡しているか医療処置が必要な状態で発見されています。

アメリカでは毎月約20件の放浪があり、2〜3件が死亡で発見されています。

死亡に至るケースのうち、71パーセントは事故による溺死です。
そのうち76パーセントは排水溝や自然の水域で起きていました。

放浪する子どもは10〜14歳が最も多くなっています。
死亡者数は5〜9歳が最も多くなっていました。
死亡リスクは5歳未満が最も多く、放浪した子どもの約6割が死亡していました。

親は子どもの放浪を防ぐために、囲いでおおったり、警告ブレスレットなどのデバイスを使ったりしています。

ほとんどの家庭では、少なくとも6つの異なるツールを使用しており、その負担は大きいと考えられます。

これらの家族の多くは、小児科医から問題の助けを得ておらず、代わりに自閉症スペクトラム障害の人を擁護するグループや学校、自閉症スペクトラム障害の子どもを持つ他の親たちに頼ることが多くなっています。

放浪によるケガや死亡を防ぐために、医師がより重要な役割を果たすためには、診察のたびに子どもの行動について尋ね、監視し、安全性を向上させるために地域の機関と協力し、より良い安全性のために地域内外で提唱し、家族に教育やリソースを提供する必要があるとリプキン准教授は言います。

4歳以上の自閉症の子の親の約半数が、自分の子どもが逃げようとしたか実際にどこかに行ってしまったと答えています。

自閉症スペクトラム障害の子どもとそうでないきょうだい子がいる親を対象にした調査が行われました。

4〜7歳の子どもでは、自閉症の子どもの46パーセントが放浪したのに対し、そうでないきょうだい子は11パーセントでした。
8〜11歳の子どもでは、自閉症の子どもの27パーセントが放浪したのに対し、そうでないきょうだい子では1パーセントでした。

このデータから逃走や放浪は、子育てのしかたではなく、自閉症スペクトラム障害の特質に起因していることが示されます。

親は、子どもがさまよった理由をいくつか報告しています。

その中には、探検や走ることの楽しさなどのポジティブな要因も含まれていますが、不安を誘発する状況から逃れるため、大きな音がするなどのネガティブな理由も含まれています。

また重要なのは、子どもの放浪行動が親にも影響を与え、ストレスや夜の睡眠不足、外出先での満足度の低下につながっています。

放浪による溺死を防ぐためには、実際の生活状況にあわせて、完全に服を着て靴を履いたまま泳ぐことを自閉症の子どもに教えることも有効です。

(出典:米Contemporary PEDIATRICS)(画像:Unsplash

うちの子も小さな頃に祖父母のマンションの部屋からいなくなってしまい、必死に探し回ったことがありました。

また、大きくなった最近でも、自宅から出て行ってしまったことがありました。

このままいなくなってしまったらと、本当に不安と恐怖を感じました。

目を離さないこと、出ていけないように防ぐ工夫、ずっと必要です。

発達障害、知的障害の娘が逃亡してしまうためドアには鍵を3つ

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから

最近の人気記事

福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。