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自閉症の子はけんかでなくてもけんかだと思ってしまいやすい

time 2021/02/01

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子はけんかでなくてもけんかだと思ってしまいやすい

新しい研究では、自閉症スペクトラムの子どもたちは、そうでない子どもたちと比較して、両親の間の健全な議論を否定的なものと誤解する可能性があることを示唆しています。

それは自閉症の子どもたちが建設的にもめごとを解決する方法を両親から学ぶ機会を逃している可能性があることを意味します。
そう研究を行ったナオミ・イーカスとクリスティーナ・クロスはいいます。

「子どもたちは親からもめごとを処理する方法を学びます。

親たちがお互いを尊重し、意見の違いがあっても問題を解決するのを見て、建設的に衝突を解決する方法の例として子どもたちは学びます。

しかし、自閉症スペクトラムの子どもたちは、そうしたことから学ぶことができていないかもしれません」

そう、米南メソジスト大学の心理学のクロス准教授は述べています。

米テキサスクリスチャン大学の心理学のイーカス准教授はこう言います。

「自閉症スペクトラムの子どもたちは、そうでない子どもたちと比較して、一般的に子どもの発達に有害ではないと考えられる親たちのけんかにも否定的な反応を示しました。

これらの子どもたちは、葛藤を実際よりもネガティブなものと誤解している可能性があります」

自閉症スペクトラム症(ASD)は、米国では54人に一人の子どもがかかえていると推定されています。

症状の範囲と程度は、それぞれの人で大きく異なります。
一般的な特徴としては、コミュニケーションでの困難、社会的相互作用での困難、反復行動などが挙げられます。

イーカス准教授とクロス准教授は、初期の知見に基づいて、自閉症の子どもを持つ親は、けんかをしたらが子どもが理解できるようにする必要があるかもしれないし、親がけんかを終えたことをわかるようにする必要があると述べています。

また、自閉症の子どもの親たちには意見の相違を話し合う建設的な議論と、怒鳴るようなけんかとの違いをわかるように教えることをすすめています。

「これは、仲間との衝突にも役立つはずです」

そうイーカス准教授は言います。

研究のために、イーカス准教授とクロス准教授は自閉症の子どもとそうでない子どもに、親のふりをした俳優のビデオを見てもらいました。

ビデオでは、意見が一致していない両親が建設的に対応しているのを見ました。
お互いに敬意を示し、冷静に話し、問題を解決していました。

次に、子どもたちは両親がお互いを侮辱したり脅したりしている破壊的な口げんかのビデオを見ました。

ビデオを見た後、子どもたちは自分がどう感じたか、自分がその部屋にいたらどうするかについての質問に答えました。

研究チームは、自閉症の子どもたちが、自閉症と診断されていない子どもたちよりも、親たちが建設的な対応をしていても否定的に反応することを発見しました。
この研究は”the Journal of Autism and Developmental Disorders”で発表されました。

なお、破壊的な口げんかに対しては、自閉症の子もそうでない子も反応に違いはなく、強く否定的な反応を見せました。

研究では、自閉症スペクトラムの子どもの親はそうでない親に比べて、夫婦間の不和の確率が高くなっていることも示しています。

今回の研究は8歳から13歳の、29人の自閉症と診断された子どもと、そうでない21人の子どもが参加しました。

現在彼らは、自閉症スペクトラムの子ども118人とその親を対象としたより大規模な研究を行っています。

(出典:米南メソジスト大学)(画像:Pixabay

自閉症の子は親同士が冷静に建設的な議論をしていても、けんかをしているように誤解をしてしまうという研究です。

なので、そうしたときには「けんか」ではないことを教えて、意見が不一致の相手とうまくやっていけるように例として学べるようにするべきとのことです。

本当のけんかは、自閉症の子、そうでない子どちらにも否定的な影響を与えるので、子どもの前ではやめてください。

夫も子どもも自閉症の私たち家族、閉じこもり生活はむしろ快適

(チャーリー)


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