発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

自閉症が男性に多いのは、人類に進化をもたらす遺伝子の戦略

time 2021/03/06

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

自閉症が男性に多いのは、人類に進化をもたらす遺伝子の戦略

進化が、自閉症を含む多くの健康状態の顕著な性別での不均衡をもたらしている。

そう遺伝学の研究者のチームは結論付けています。
人間のゲノムは、物理的および精神的な健康状態について男性を脆弱なものにし、男性と女性で異なる特性を引き継ぐように進化してきた。
“the Journal of Molecular Evolution”に掲載されたこの研究はそう発表しています。

例えば、子宮頸がんと卵巣がんは女性のみ、そして多発性硬化症などは女性で発生することが多いものの、全体的には男性のほうが病気にかかりやすく、平均的に男性のほうが早く亡くなります。

「私たちの細胞は、私たちの祖先から何百万年もの間、人類が経験してきたすべての変化を記録しています」

そう、この研究を行ったカナダのトロント大学、神経病理学のカルン・シン准教授とウェスタン大学生物学部のシバ・シン教授は言います。

自閉症は、女性よりも男性のほうが顕著に多い健康状態の例となります。
親からは同じ遺伝情報を受け継ぐものの、女性と男性とで自閉症となることが大きく異なるのです。

今回の研究チームの一人であるジョークラマ・シンはこう言います。

「女性と男性がもっと違っていれば、別の種になっていたかもしれません。
私がこの研究が興味深いと思うのは、これまでの医学文献では与えられなかった視点を提供するものだからです。
遺伝学、進化生物学の視点が人の健康研究にも貢献していく例になります」

研究によれば、女性は一般的に長生きし、病気になることも少なくなっています。
その理由は、女性の遺伝子は男性の遺伝子の不健康な特徴に反応して進化し、より優れた免疫力と長寿性を獲得してきたからです。

そして、遺伝子を通じて、人間の健康状態を理解することは、治療法や予防法にも役立つはずだと研究チームは言います。
精神的健康状態の起源はより複雑ですが、それらも同じ進化的要因の影響を受けていると指摘します。

男性は社会性に困難をもたらす障害をかかえる可能性が高くあります。
一方で、女性はうつ病や不安になりやすいという傾向があります。

自閉症については、男女で診断される数が大きく異なります。
男の子は自閉症のいくつかの形態を持つ可能性が女性よりも4倍も高く、重度の症状を持つ可能性も高くなっています。

研究チームは、男性に特定の条件をもたせる一方で、女性を「保護」するように女性の遺伝子が対応していくことで、人類は進化してきたと説明しています。

なお、自閉症は遺伝的特性だけに起因するものではありません。
しかし、男の子は環境などの要因に対しても、女性より脆弱になる特性を受け継ぐ可能性が高くあります。
そのため遺伝的特性の結果、自閉症につながる可能性を女性よりも多くもつことが考えられます。

(出典:加マクマスター大学)(画像:Pixabay

男性の脆さに対応して女性は丈夫になることで、人類が進化してきたんですね。

そのために自閉症は男性に多い。

新しい発見とともに納得感もあります。

発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち

(チャーリー)

たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから


最近の人気記事

福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。