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これまでの研究結果によれば、「自閉症の遺伝子」はない

time 2021/03/25

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これまでの研究結果によれば、「自閉症の遺伝子」はない

自閉症の原因として、強い影響を与えるまれな遺伝子変異があることはよく知られています。
臨床的な遺伝子検査では、自閉症の人の少なくとも25パーセントに見られます。

しかし、これらの遺伝子変異は個々にはまれであっても、全体としてはよく見られるものです。
自閉症に関係する遺伝子の変異は100個以上にのぼります。

自閉症の原因となる遺伝子を特定することは、臨床的に重要であるだけでなく、自閉症やその中核的特徴に関わる神経回路やプロセスについての理解を深める上でも重要です。
治療法を開発する機会にもなります。

これらの遺伝子と、その機能を阻害する変異体の結果についての理解が深まれば、まだ決定的な遺伝子診断ができない自閉症の症例の根底にあるメカニズムもよりよく理解できるようになる可能性があります。

しかし、自閉症の人に見られる遺伝子は決して特別なものではありません。
同じ遺伝子の変異は、知的障害、てんかん、注意欠陥多動性障害、統合失調症など、他の神経発達疾患にも関与しています。
実際に、他の神経発達疾患の可能性は低く、自閉症だけ可能性が高いという遺伝子の変異例はまだ一つもありません。

最近のいくつかの研究で、他の神経発達疾患よりも自閉症との関連性が高い遺伝子を特定しようとしました。
比較的、自閉症に関わる特異的な遺伝子を同定したいという願望は理解できるものです。

このような情報は、自閉症についての診断やカウンセリングの精度を向上させる可能性があるからです。
また、研究の観点からも、比較的自閉症に特異的な遺伝子を特定することで、社会的コミュニケーションや相互作用の困難さ、制限行動や反復行動、非典型的な感覚反応や興味などの重要な側面の神経メカニズムを明らかにできるかもしれません。

g2 これまでの研究結果によれば、「自閉症の遺伝子」はない

しかしこれまでのところ、自閉症に特異的な遺伝子は見つかっていません。
同様に、自閉症と一意に関連する分子経路や神経経路、ネットワークも見つかっていません。

研究者や医師は「自閉症の遺伝子」があるとは考えないほうがいいでしょう。
これまでのエビデンスに従えば、意味がありません。

また、自閉症と知的障害、てんかん、注意欠陥多動性障害、統合失調症など他の神経発達疾患に関連する遺伝子とそれらの診断が大きく重なることもあるにもかかわらず、個々の医療診断に基づいた細かなカテゴリーに分けようとすることは臨床治療と研究の両面で間違いを起こす可能性があります。

最近行われた2つの研究では、自閉症の研究に参加した人と知的障害の研究に参加した人という2つの異なるグループで、どの遺伝子がどのくらいの頻度で変異しているかを比較しました。

一つの研究では、2つのグループでこれらの指標に有意な差があり、自閉症に特異的な遺伝子が存在する可能性が示唆されました。
しかし、もう一つの研究の結果はそうではありませんでした。

自閉症の人と知的障害の人で、遺伝子変異の頻度を比較する方法は、データを入手しやすいという点では便利です。
しかし、グループ間の知能指数分布の違いや、各参加者がそれぞれの診断を受ける機会が不均等であることにより偏りが生まれるため、正しい結果を導くには限界があります。

特定の遺伝子の変異が自閉症に特異的であると早合点することには問題もあります。

一つは、この情報が自閉症の遺伝子検査などの医療的な意思決定に不適切に組み込まれる可能性があるからです。

すでに、そうした遺伝子検査のキットが販売されています。
しかし、これまでの研究結果に従えば、これらの遺伝子検査を知的障害用の遺伝子検査とは異なるものだとして宣伝したり、これまでに確立された知的障害に関連する遺伝子を、自閉症に関わる遺伝子から除外することは、間違いを導く恐れがあります。

g1 これまでの研究結果によれば、「自閉症の遺伝子」はない

また、自閉症の人や知的障害の人の第一段階の臨床検査としては、検査キットによる一部の遺伝子の検査よりも全遺伝子の塩基配列を調べる方が優れたものとなります。
自閉症の神経生物学的研究の研究対象を一部の遺伝子や回路に限定するのは、時期尚早でしょう。

自閉症の根底にあるメカニズムの理解を深めるには、発達期の脳機能障害に起因するより広範な疾患群を調査し、関連する連続的に分布する認知、運動、行動の形質やバイオマーカーの測定を含めた、大規模な研究が必要です。

今後の研究では、大きな影響を与える希少変異体が、自閉症に特異的な意味を持つ遺伝子として特定される可能性はあります。
しかし、より緩やかな効果を持つ希少変異を評価することができる、より大規模な研究を経なければ、遺伝子レベルでの特異性の証明はできないのかもしれません。
また、自閉症に関連する特定の形質は、人それぞれがもつ微妙な遺伝子の違い「多遺伝子性リスク」によってより決定される可能性もあります。

いずれにしても、これまでの研究結果に基づけば、自閉症に特異的な遺伝子があると考えたり、臨床診断の対象を特定の遺伝子群に限定したりすることは適切ではありません。

米Dascena社 Chief Clinical Officer デイビッド・レドベター
米自閉症・発達医学研究所 小児科准教授 スコット・マイヤーズ

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

そこが違うから、そうなる。

そんなシンプルなものだとは私も思えないです。

発達障害、自閉症の方がより生きやすい、過ごしていきやすい。

遺伝子の研究によって、そのメカニズムの解明ができれば、それに貢献するものと私は認識しています。

自閉症が男性に多いのは、人類に進化をもたらす遺伝子の戦略

(チャーリー)

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