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自閉症の弟をもつ姉が憂う。米国の人種による診断や支援の遅れ

time 2022/01/02

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の弟をもつ姉が憂う。米国の人種による診断や支援の遅れ

幼い頃、弟のジェイデンはいつも周囲から浮いていました。
大きな音が大の苦手で、飛行機が大好きで、誰よりも共感しやすく繊細だった。
彼は、幼いいとこの世話をするのと同じくらい、模型飛行機に熱中していた。

弟が工科大学のメカトロニクス学科(機械工学、電気工学、ロボット工学を組み合わせた学科)への入学が決まったときには、家族の誰も驚くことはありませんでした。

ジェイデンは自閉症の初期症状の多くを示していました。
正式に診断されたのは13歳のときでした。
一般的な発見年齢である4歳よりずっと遅いものでした。

これは、かかりつけ医の無知、あるいは弟が有色人種の少年であったからかもしれません。
米国では有色人種は、医療制度上、さまざまな理由で気づかれなかったり、見過ごされたりすることが多いのです。
例えば、黒人女性が出産時に死亡する確率は白人女性の3倍です。

自閉症の診断についても同じことが言えます。
米国では、人口の1%が自閉症です。
これは赤毛の人とほぼ同じ数です。
有色人種は自閉症の診断を受ける機会が少なく、診断後のケアも低水準になりがちです。

自閉症は、人々にさまざまな形で影響を与え、社会化の障害や感覚の問題を含むことがあります。
自閉症をかかえる人は、さまざまな面で障害を経験します。

自閉症の人の多くは「特別な興味」を持っており、それは通常よりも高い集中力と時間を割くことができる話題や研究分野です。
私の弟は、惑星、飛行機、ドローン、ブロックチェーン、そして次のイーロン・マスクになることに、人生のさまざまな局面で熱中してきました。

しかし残念ながら、自閉症の人の多くは、社会的な偏見に直面しています。
そして、自閉症をかかえる有色人種は、社会や特に医療において差別に直面することが多いのです。

有色人種に対するケアの質にどのような格差があるのかを理解することは、自閉症の診断や治療においてマイノリティや人種がより良いケアを受けられるだけでなく、医療分野全般に対する助けにもなります。

「健康状態や医療における人種間の不公平を解消するための効果的な戦略を特定し、実施することは、国家的な優先事項とすべきである」

そう、2000年にHealth Care Financing Review誌に発表された米国の研究で述べられてます。

米シカゴ大学の研究者がScience Advances誌に発表した研究では、自閉症の診断時に偏りをなくすための新しい人工知能のツールを提案しています。

この新しいAI診断ツールをテストした研究の主席研究員であるイシャヌ・チャトパディヤイ博士によると、一般的な自閉症診断では、自閉症の疑いがある子どもの親に、医療従事者の専門的見解に基づいた質問票が渡されて行われます。

「現在の自閉症の診断のほとんどは、実際にはそれほど客観的なものではありません」

そして、従来の診断方法は、自閉症の診断がされるまで、長い時間がかかっています。
女性や有色人種など、十分なサービスを受けていない人たちは見過ごされています。

「もし子どもたちが学校に行く前に診断されなければ、療育の効果は劇的に減少します」

そう、チャトパディヤイ博士は述べています。

現在、私の弟は18歳になりました。
年齢以上の職業経験と興味を持ち、生き生きと生活しています。
弟はまだ、不安や自閉症の一般的な障害、そして有色人種であることによる困難に直面していますが、自分が何者であるかということに徹底的に誇りを持っています。

私は、自閉症の特徴を持つ他の有色人種の子どもたちが、昔の弟のように見過ごされることがないようにと願っています。
そして、米国で医療界が有色人種を白人と同じように扱うようになることを願っています。

(出典:米CAPITAL CURRENT)(画像:Pixabay

先進国でも、こうして社会事情がさらに困難にしていたりします。

どの国であっても、必要とする人に適切な支援がなされるようになることを願います。

知的障害の兄は亡くなってよかったと言われるが私には最高の兄

(チャーリー)


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