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自閉症の人には長時間練習より短時間の視覚的記憶が有効。研究

time 2022/08/09

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自閉症の人には長時間練習より短時間の視覚的記憶が有効。研究

イスラエルの新しい研究で、自閉症の人たちがより適応性の高いスキルを習得するのに役立つ方法が示されました。

自閉スペクトラム症(ASD)の人は、学んだスキルを新しい状況や環境に適用することが他の人よりも難しく、その能力を身につけるために多くの時間を費やす必要があることがよくあります。

しかし、イスラエルのテルアビブ大学のニサン・センサ教授によれば、いわゆる「フラッシュ記憶」が、長時間の練習の代わりに短時間の視覚的記憶方法となり、自閉症のたちについてはとくに、新しい知識に適応するのを助ける可能性があります。

センサ教授とイスラエルのベングリオン大学のイラン・デインシュタイン教授が、”Current Biology”に発表したデータによれば、従来の学習方法よりも最大30パーセント早く自閉症の人が新しいスキルを習得できることが示されています。

「私たちの新しい研究は、自閉症の人たちにとって、さまざまなタスクについてより効果的な学習方法の可能性を拓くものです」

2017年にセンサ教授は、人間の脳は新しい情報やスキルを素早く理解できるため、時には長時間の練習ではなく、非常に短い視覚的なリマインダーのほうが必要となることを示唆する査読済みの研究を発表しています。

今回の研究では、自閉症の人たちがフラッシュ記憶を利用した場合に何が起こるかを調べました。

この研究では、高機能自閉症の人に画面の中心を見るように指示しました。
画面の一部分に図形と線からなる複雑な画像を見せられた後、その外観に関連する詳細な質問をされました。
画面の他の部分にある後続の画像を理解するには、獲得した知識を一般化することが必要となります。

「これは大した作業ではないと思われるかもしれませんが、実は通常とは異なる視覚処理能力の別の部分を使っているのです」

フラッシュ記憶が役立つかを検証するために、参加者は長い期間、初期訓練を受けました。
その後、数秒間だけ画像を見て答える、非常に短い再学習を3回行いました。

「私たちが行ったのは、脳の根底に経験を作り出し、脳のネットワークに火をつけたり、促したりことです」

研究チームは、再学習をした人は、初期訓練だけを受けた人に比べて、新しく習得したスキルを適応させて画面上の場所を変えた画像を答える能力が20パーセントから30パーセント向上していることを発見しました。

「通常、人がタスクを学ぶときは、毎日何百回も練習します。
しかし今回、自閉症の人たちは、何百回も練習する代わりに、各セッションで合計10秒間の課題を5回だけ試行しました。
それだけで、より高い適応性を示しました」

センサ教授は、特定のスキルやコンセプトを一般化することを含むさまざまなスキル、さらには、楽器演奏やダンスも含めて、利用できる方法だと言います。

(出典:イスラエルTHE TIMES OF ISRAEL

視覚を使って、覚える「フラッシュカード」などを使ったほうが、自閉症の人はより早く、簡単に覚えることができるという理解でいいでしょうか。

発達障害、自閉症の方には「視覚的」に伝えるほうが効果的と言われることと共通しているところがありますね。

自閉症の子は生後6カ月で脳の視覚処理領域に明らかな差異。研究

(チャーリー)


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