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自閉症の私が抱えるアレキシサイミア(失感情症)について

time 2023/08/05

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

自閉症の私が抱えるアレキシサイミア(失感情症)について

自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴の一つにアレキシサイミア(失感情症)があります。
すべての自閉症の人がアレキシサイミアを持っているわけではありませんが、多くの人がその特徴を持っています。

アレキシサイミアとは、自分自身の感情を処理し理解することが難しい状態のことです。
自分の感情や身体の状態を認識することが難しいのです。

現在の研究は、アレキシサイミアの原因を理解しようとしています。
神経画像学の研究や皮膚伝導度を調べる生理学的な研究などが、自閉症の人々が自分自身の内なる状態を理解できない理由を説明するために進展しています。
私は多くの研究者や博士号を持つ方々による臨床論文を読んできましたが、アレキシサイミアがどれだけ困難なものかを述べているものもありました。

研究者が言う中で、特に重要な一つは、感情をその瞬間に認識できない場合、感情の調整がより難しくなるということです。
また、高いアレキシサイミアを持つ人々にとっては、メルトダウン(感情崩壊)がより一般的です。
たしかに、それは深刻なことですが、それだけでは、なぜアレキシサイミアと共に生活するのがどれほど困難なのかを説明しきれていないように思います。

私は40代のころに自閉症と診断されました。
自分自身が完全に切り離されていたことに気づきました。
私は多くの場面で不安を抱えており、その不安が原因で過労やメルトダウンを経験してきました。

私は、足の指の打撲と骨折の違いがわからないため、これまで受診したたびに自分の痛みのレベルを5と表現していました。
また、どん底にまで陥らないと、自分が悲しいのかもわかりません。

私に感情はあります。
それが、強くなると私をメルトダウンさせます。

他人が、私は不安をかかえている状態だと言ってくれることもありますが、自分がそう認識するのには時間がかかります。
全ての感情は同じように感じられます。
自分の中に圧倒的な嫌な感じの塊があるような感じです。
しばらく経ってから初めて、自分が苦痛に苛まれていたり、心が折れていたり、パニック発作に襲われていたことに気付くのです。

さらに悪いことに、私は感情的な場面に対して顔で適切に反応することができません。
誤った対応をしてしまいます。

感情をその瞬間に解釈することができないために、物事を論理的に考えようとします。
すぐには恐怖を理解できないため、周囲を見渡して怖いと思われる要素を見つけ、それらのリスクをいくつかの合理的な構築に基づいて分析します。

痛みも適切に解釈できないので、状況の深刻さによって心配することが合理的かどうかを論理的に考えようとします。
これには時間がかかり、疲れ果てることがよくあります。
そしてしばしば、大きく間違えてしまうこともあります。
救急病院に行くまで、つま先を打っても骨折だとわからなかったこともありました。

私は喜んで危険な状況に飛び込み、安全なものを避けてしまうことがよくあります。
直感は意思決定において重要です。
直感は生活の支えですが、私には謎です。
人々は心に従えと言いますが、私には心に従うという感覚すら想像できません。

これは私の人間関係にも影響を及ぼします。
私に感情はあります。
それらは私に強い影響を与えますが、その感情を認識することが必要な時点を過ぎてからしか私はそれらを見つけることができません。
しばしば、相手の反応に気づかずに衝突してしまうこともあります。
そうなってしまっても、それまでのやりとりを深く分析して、その瞬間の感情にどうやって至ったのかを見出すまでに時間が必要です。

なので、どうしてそうなったのかわからないまま、なんとか彼らの不快感を和らげようとします。
他の人が不快感を抱えていることは、わかります。
定型発達の人は感情や欲求をはっきりと示せるので、私は対応できるのです。
そうやって、他人を助けることはできます。
しかし、自分の感情には何もできません。

私のパートナーとの関係では、アレキシサイミアは壊滅的です。
相手のニーズを見守り、対応しようとしますが、自分のニーズを理性的にどのように表現すればよいかわからなくなると、メルトダウンしてしまいます。
社会的な関係について、私はチェスのように考えてしまいます。

しかし、これが逆効果になることもあります。
相手が、私の計画とは違う行動を取ったりすると、私の反応は不安定になります。
チェスをするような考え方では、対応できなくなってしまうのです。
私はパターンを暗記してそれを繰り返すことしかできません。
結局、私は全ての試合で負けてしまいます。

私にとって、これがアレキシサイミアと共にに生きるということです。

私は常に80手先までのすべてのことを計画しています。
この計画に、私に直感がないことを補うこと、そして感情を瞬時に感じなかったことが数日後に襲ってくること、あるいはメルトダウンに至ることを防ぐことを、私は期待しています。
私は人間関係では、私から過剰に世話好きになるようにしています。
それは、自分の内なる世界に他の人を入れる方法を全くわからないからです。

私の考え方を説明するのは難しいです。
私が常にあらゆる変数を分析して結果を予測しようとすることについて、発達障害でない人たちに説明を試みたことがあります。
しかし、私に「そんな考えすぎないで」と言うばかりです。

私は、何をどうすればいいのでしょうか?
考えすぎなければ、私はやっていけません。
どのようにして考えや計画なしに行動し、生きることができるのでしょうか?

私は時々、トイレに行ったり、食事をしたりするといった基本的なことも忘れてしまいます。
それらの体のサインに気づかないためです。
常に自分の体を確認して、基本的な生存タスクも行わなければなりません。

私はあちこちにあざや切り傷ができることがよくありますが、怪我の原因に気づかず、怪我をした経緯を覚えていません。

私は常に考え続けなければなりません。
考えるのをやめたら、私はやっていけません。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

そもそも話すことができないので、どの程度かはわからないのですが、うちの子もアレキシサイミアをかかえているように思います。

出血して痛いであろうはずなのに、掻きむしり続けたり、逆に外見からはなんともないのに、突然泣き叫びだしたり。

内なるところでいろんな混乱が生じているように思います。

どれほどたいへんなのか、私には正直わかりません。

なんとか、つらさが減るように、助けたい、といろいろするのですが、泣き叫んでいる原因がわからないときには結局、抱きしめることくらいしかできません。

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(チャーリー)


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