テーブルで行われるゲームに緊張感が高まります。
ですが、１０歳の、ジェシカ・ペッハにとっては自分らしくいられる機会にもなっています。
ジェシカは自閉症です。
そのため、社交的な場面はしばしば怖いものと感じ、本当の自分を抑える必要があるように感じます。
しかし、「ダンジョンズ＆ドラゴンズ」では、違います。
神経多様性を持つと認識している子どもや若者たちが、参加しています。
彼らは南オーストラリア州の田舎町ロクストンにあるコミュニティホールのテーブルで、ファンタジー・ロールプレイングゲームをプレイするために集まります。
このゲーム「ダンジョンズ＆ドラゴンズ」では、プレイヤーたちは冒険パーティを組み、一緒にファンタジーの世界を探機し、クエストに挑戦し、経験を積み重ねて成長していきます。
サイコロを振って運命を決め、不運を呪い、運を称えながら、ジェシカと仲間のロールプレイヤーたちは社会的なつながりを築き、コミュニケーションを取ります。
母親のピッパは、ジェシカは社交的であるものの、思い通りにプレイすることができる人たちが必要だったと言います。
「娘のジェシカにとって、自分の特性を気にせずに行ける場所を持つことは大きなことでした。
学校は、そういう場所ではありませんでした。
最初はダンジョンズ＆ドラゴンズについて、全くわかっていませんでしたが、今ではとても楽しんでいます。
自由と創造力、新しいアイディアを奨励してくれる場所です」
ジェシカは病的要求回避（PDA）と注意欠陥多動性障害（ADHD）もかかえ、難しい状態になることもあります。
決定を下すのに苦労したり、圧倒されたりすることもあると言います。
しかし、ダンジョンズ＆ドラゴンズは創造力を発揮させ、コミュニケーションも行える機会となったのです。
ジェイ・グリーンは、週に一度のイベントでメンターとして関わっています。
その理由は、ダンジョンズ＆ドラゴンズが協力的な雰囲気と非批判的な空間を作り出すからです。
自身も自閉症とADHDを持ち、定型発達の人たちの世界は難しいと感じてきました。
ゲームセッションに参加して以来、ジェイは自分らしくいることができると感じた神経多様性を持つ子どもや若者たちが成長していくのを目の当たりにしてきました。
「自分はこうした変化を見たかったのです。
それが実現されているのは、本当に力強いことです。
彼らを全員がつながる方法で一堂に集めることができます。
彼らはゲームのキャラクターとなって行動するので、通常の考えから抜け出すことができます。
誰もが平等な条件のもとで参加できることが、みんなを安心させています」
豪サウスオーストラリア大学のゲームデザイン専攻の責任者であるスザンナ・エメリーは、ゲームが成長と教育を通じて社会的変革をもたらす方法であると考えています。
「本を読んでも、書かれた内容しか体験できず、物語を変えることはできません。
しかし、ダンジョンズ＆ドラゴンズなどのゲームでは、プレイを始めると選択肢によって世界が変わり始めます。
プレイヤーとプレイヤーの選択との間にはフィードバックループがあり、それによってすべてが決まっていくのです」
エメリー博士は、神経多様な人々の社交的なスキルに関しての一般的な考えには誤りがあるといいます。
「私たちの研究によれば、神経多様な人々は同じような人々との間では、コミュニケーションはとても得意です。
だからこそ、ダンジョンズ＆ドラゴンズのようなゲームでは、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちの考えが現れ、お互いにそれを探求し、楽しむことができます」
（出典・画像：豪abc）
テーブルトークRPG。大学生たちがしているのを見たことがあるのですが、それは楽しそうでした。
絶対イイと思います。
「ダンジョンズ＆ドラゴンズ」は最近、映画にもなりましたね。
（チャーリー）
