- アスペルガー症候群の人はどのようにして芸術で成功することができるのか?
- 子どもが特定の分野に興味を持っているかどうかをどうやって見極めるのか?
- 自閉症スペクトラム障害を持つ子どもをどうやって支援したら良いのか?
芸術家デルウィン・チーアが生まれたとき、彼の父、ITスペシャリストのローレンス・チーアは、革新的なテクノロジー企業デル(Dell)とオペレーティングソフトウェアウィンドウズ(Windows)に触発されて息子の名前をつけました。
当時48歳だった父は、息子が独自の方法でイノベーターとして成長することになるとは、当時考えてもみなかったはずです。
デルウィンは、アスペルガー症候群と診断されています。
芸術家としての仕事で世界的な認知を受けています。
アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害の一種である発達障害です。
アスペルガー症候群の人々は、その行動や思考パターンがしばしば固定的で反復的であるため、社交や他人との関係構築に苦労することが一般的です。
しかし、それは、現在20歳のデルウィンにとっては障壁ではありませんでした。
父のローレンスは言います。
「3歳のときから鉛筆やペンを使って描き始めました。
描画を完璧だと感じるまで描き続けたため、他の子どもたちとは異なると気付き始めました。
息子は納得いかないと感じると、絵を捨ててしまうこともありました。
昼夜を問わず描いていました」
デルウィンは9歳のときには絵が展示されるようになっていました。
アーティストの経歴を振り返ると、デルウィンが無駄な時間を過ごすことはなかったことがわかります。
2013年に、デルウィンはマレーシア記録ブックにおいて、60以上の作品を持つ個展を開催した最年少のアーティストとして記録されました。
同じ年に、米国のRecordSetterによって、世界で最年少のサヴァン芸術家として個展を開催したと認定されました。
その翌年、「I Can Draw」を出版しました。
その本が米ホワイトハウスにも届き、バラク・オバマ大統領から署名入りの表彰状をも受け取りました。
そして、デルウィンの作品はマレーシアの女優ミシェル・ヨーと故エリザベス2世女王などの有名人が収集するものとなっています。
デルウィンの描く絵のテーマは主に、動物の王国です。
父は語ります。
「息子は本当に動物が大好きなのです」
とくにお気に入りの動物は「馬」だと控えめにデルウィンは言います。
現在は、大きくかじを切って、肖像画の制作に取り組んでいます。
3回目の個展では、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品をデルウィン独自のスタイルでインスパイアしたものを展示します。
デルウィンの若い年齢での傑出した実績は、他の親たちを関心させるものかもしれませんが、父親のローレンスはこう言います。
「他の親がデルウィンの仕事を見ると、自分の子どもたちにも芸術をさせ、その方法で成功するべきだと思うかもしれません。
そうではありません。
子どもたちが何に興味を持っているかを、理解することが重要です。
本当に芸術に興味があるのか?
もし興味がなければ、子どもたちが興味を持ち、やりたいと思うことにチャレンジしてもらったほうが良いです。
やりたいと思わないことは、どんなに強制しても、やれません」
(出典・画像:マレーシアFree Malaysia Today)
大好きなことを見つけたら、精一杯応援したいものです。
大好きなことに取り組んでいる人には誰もかないません。
(チャーリー)