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知的障害や自閉症の人は腎不全になりやすい?韓国大規模調査

time 2026/02/04

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知的障害や自閉症の人は腎不全になりやすい?韓国大規模調査

この記事が含む Q&A

知的障害のある人は腎不全のリスクが高いですか?
知的障害のある人は障害のない人に比べ腎不全になるリスクが約5.5倍高いと報告されています。
自閉症のある人の腎不全リスクはどの程度ですか?
自閉症のある人は障害のない人に比べ腎不全リスクが約8.6倍高いとされています。
予防や早期の見守りは必要ですか?
発達障害のある人は若い時から腎臓の状態を見守り予防的支援を検討することが重要と結論づけられています。

この研究は、「知的障害」や「自閉症」のある人が、将来的に腎不全を発症するリスクが、そうでない人と比べて高いのかどうかを、国全体の大規模データを用いて調べたものです。

研究を行ったのは、ソウル大学ブンダン病院 家庭医学科、サムスン医療センター 家庭医学科・サポーティブケアセンター、成均館大学 医学部、スンシル大学 社会福祉学部・統計学科、アーカンソー大学医療科学センター 公衆衛生学部などの研究チームです。

腎不全は、腎臓の働きが極端に低下し、透析や腎移植が必要になる重い状態を指します。
世界的に患者数や死亡数が増え続けており、医療費や生活への影響も非常に大きい病気です。
そのため、「どのような人が腎不全になりやすいのか」を明らかにし、早い段階から予防や見守りを行うことが重要とされています。

一方で、知的障害や自閉症などの発達障害のある人は、高血圧、糖尿病、肥満といった生活習慣病を合併しやすいことが知られています。
これらは腎臓病のリスク要因でもあります。
そのため、「発達障害のある人は腎不全になりやすいのではないか」という疑問が生まれますが、これまで長期間にわたって大規模に調べた研究はほとんどありませんでした。

そこで研究者たちは、韓国の国民健康保険データベースと、国家障害登録制度のデータを連結し、2004年から2020年の間に知的障害または自閉症として登録された人を対象に、腎不全を発症する割合を調べました。

対象となったのは、
・知的障害のある人 約15万5千人
・自閉症のある人 約2万2千人

それぞれについて、年齢と性別が一致する「障害のない人」を3倍数用意し、最長で約20年近く追跡しました。

腎不全は、血液透析、腹膜透析、腎移植のいずれかを受けた場合として定義されました。
韓国では、これらの治療を受ける人は特別な医療登録が必要なため、診断の正確性が高いとされています。

まず、研究開始時点の特徴をみると、知的障害や自閉症のある人は、障害のない人に比べて、
・医療扶助(低所得層向け制度)を受けている割合が高い
・合併症(糖尿病、高血圧、脂質異常症、精神疾患、てんかんなど)が多い
という傾向がありました。

追跡期間中に確認された腎不全の発症数は、
・知的障害のある人:687件
・知的障害のない人:371件
・自閉症のある人:16件
・自閉症のない人:4件
でした。

人数の違いを考慮した解析の結果、次のことが分かりました。

知的障害のある人は、障害のない人に比べて、腎不全になるリスクが約5.5倍高い。
自閉症のある人は、障害のない人に比べて、腎不全になるリスクが約8.6倍高い。

年齢、性別、収入、居住地、他の病気の有無などをすべて調整した後でも、この差は残りました。
つまり、「糖尿病や高血圧があるから腎不全になりやすい」という説明だけでは足りず、知的障害や自閉症そのものと関連する要因が、腎不全リスクに関わっている可能性が示されたのです。

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さらに詳しく見ると、知的障害については、いくつか興味深い特徴がありました。
女性のほうが、男性よりもリスク上昇が大きい。
20歳未満の若い年齢層のほうが、20歳以上よりもリスク上昇が大きい。
収入が高い層でもリスク上昇がはっきりしている。
糖尿病や高血圧などの合併症が「ない」人のほうが、相対的なリスク上昇が大きい。

これは、「もともと腎不全リスクが低いと考えられている集団」の中で、知的障害があると、その影響がより目立つ可能性を示しています。

一方で、自閉症については、年齢や性別などによる明確な違いは見られませんでした。
ただし、自閉症のある人では腎不全の発症数自体が少なく、統計的に細かい差を検出しにくかった可能性があると研究者は述べています。
研究者たちは、なぜこのような差が生じるのかについて、いくつかの可能性を挙げています。

・肥満になりやすいこと
・運動不足などの生活習慣の問題
・向精神薬などの薬剤使用
・健康診断や予防医療を受けにくいこと
・発達障害と腎臓の病気の両方に関わる遺伝的要因

ただし、この研究では体重や食事、運動習慣などの詳細データは含まれていないため、これらは「推測」の段階であり、今後の研究が必要とされています。

この研究が伝えている最大のメッセージは、次の点です。
知的障害や自閉症のある人は、若い頃から腎不全のリスクが高い可能性がある。
そのため、症状が出てから対応するのではなく、早い段階から腎臓の状態を見守り、予防的な支援を行う必要がある。

発達障害のある人は、すでに多くの健康課題や社会的困難を抱えやすいことが知られています。
そこに腎不全という重い病気が加われば、生活の負担はさらに大きくなります。

この研究は、「発達障害のある人の健康管理は、行動や発達の問題だけでなく、身体の慢性疾患にも目を向ける必要がある」ということを、静かに示しています。
診断名だけを見るのではなく、その人が将来どのような健康リスクを抱えやすいのか。
どのタイミングで、どんな予防ができるのか。
そうした視点を持つことが、本人や家族、支援者にとって大きな意味を持つのかもしれません。

(出典:Pediatric Nephrology DOI: 10.1007/s00467-026-07177-x)(画像:たーとるうぃず)

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