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自閉症と「共感覚」との遺伝的な関連性。数千組の双子研究から

time 2023/11/01

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自閉症と「共感覚」との遺伝的な関連性。数千組の双子研究から

数千組の双子を対象とした最新の研究により、共感覚(synesthesia)は自閉症と遺伝的に関連している可能性が示唆されています。

具体的には、共感覚は、非社交的な自閉症特性、すなわち繰り返しの制約された行動や興味と関連しているようです。
これらの特性は、自閉症でない人との知覚における違いとも関連しています。

研究を行ったスウェーデンのカロリンスカ研究所の精神疫学者であるマーク・テイラーはこう言います。

「私たちの研究は、共感覚と自閉症の間の関連は、知覚の違いと非社交的な自閉症特性において、共通の遺伝的原因による可能性があることを示唆しています。

これらの発見を基にした将来の研究では、自閉症、共感覚、および知覚に影響を与える特定の遺伝子グループを特定できるかもしれません」

「共感覚」とは、特定の言葉を聞いた際に現れる幻の味など、追加の感覚効果を引き起こす現象です。

一方、自閉症は、社会的相互作用、行動、感覚に影響を与える一連の特性と行動に関連付けられています。

以前の研究で、自閉症を持つ人と共感覚を持つ人の間にはかなりの重なりがあることが示されていました。
自閉症を持つ人は、共感覚の経験をより多く持っており、共感覚を持つ人は自閉症の特性をより多く持っている可能性があります。

これにより、それらの間に関連があるかもしれないと考えられるようになりました。
しかし、自閉症や共感覚の原因が何であるかはわかっていないため、その関連性は明確ではありませんでした。

共感覚は家族に遺伝することがあります。
共感覚だけでなく特定の種類の感覚もそうです。

たとえば、文字と色の「色字共感覚」は、一卵性双生児のほうが、そうでない双生児よりも多く見られ、遺伝子が関与している可能性を示唆しています」

テイラーの研究チームは、この潜在的な関連性を調査し、共感覚への遺伝的および環境的寄与、およびそれが自閉症とどのように関係があるのかを明らかにしようとしました。

この種の研究に最適なのは、双子です。
一卵性双生児は遺伝的に似ているため、特定の特性への遺伝的寄与を明らかにするのに役立ちます。

研究者は、スウェーデンの子どもと青少年の双子研究に参加している18歳の2131組の双子を調査しました。この双子たちは、時間をかけて包括的な研究調査を行う対象となっていて、その中には自閉症特性の評価や8種類の共感覚についても含まれています。

この双子たちは、658組が一卵性双生児で、765組が同性の二卵性双生児、708組が異性の二卵性双生児でした。

研究チームは、一卵性双生児同は二卵性双生児よりも似たような共感覚の経験を報告しやすいことを発見しました。
つまり、遺伝子が共感覚とその表現に役割を果たしていることを示唆しています。
ただし、環境要因もとくに、色字共感覚に関しては重要な役割を果たしていました。
双子の一方だけがその経験を持つことがありました。

研究者はまた、共感覚が高い関心やルーチン、反復的な身体的動作などの非社交的な自閉症特性に強く関連していることも発見しました。
今回の研究を行ったテイラーは次のように述べています。

「自己報告された共感覚の個人差は遺伝的であり、自閉症特性と関連していることが明らかになりました。
この関連性は強力な遺伝的影響を受けているようです。
また、双子によって共有されていない環境要因が、共感覚の個人差に影響を与え、ある程度自閉症特性との関連性にも影響を与えていることも明らかになりました。

私たちは、これらの発見が共感覚に影響を与える環境要因、自閉症と共感覚の共通の遺伝的メカニズム、および両現象で共有される具体的な行動特性に影響を与える未来の研究を刺激することを望んでいます」

(出典:米science alert)(画像:たーとるうぃず)

たとえば、特定の曲を聞くと、「おいしい」と感じたりする方がいます。
それが「共感覚」と呼ばれるものです。

発達障害の人は感覚に問題をかかえることも多いため、共感覚との関連についてはありそうに思います。

曲がおいしい。自閉症の人のなかには共感覚をもつ人が多い

(チャーリー)


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