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自閉症の少年が語る。自閉症の人がもつ「感覚」の違いと困難

time 2024/02/07

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

自閉症の少年が語る。自閉症の人がもつ「感覚」の違いと困難

自閉症の少年が、自分の感覚処理の違いについて語ります。

私の感覚システムはとても特別です。
見ること、聞くこと、味わうこと、嗅ぐこと、さらには触れる感覚、動きの感覚、体の動きの感覚、思考や感情、感情や痛みの感覚においても異なります。

私の体では、すべての感覚が一緒に働きます。
感覚の混合がいつもあります。
すべての感覚から同時に情報を得ることは、とても混乱します。
私は全身で刺激を受けます。

この高頻度の電気信号で私の感覚は非常に活発です。
私の脳波は止まない海の波のようです。
その結果、私の心はダメージを受けます。
私は心のバランスを保とうとしますが、制御できなくなることもあります。
感覚によって、とても気が散る状態になります。

情報を処理するときに、私はどのように異なって感じるかについて伝えます。

【聴覚】
私の聴覚システムは、ほとんどの時間、受動的に機能します。
つまり、私は相手の話をとても深く聞きますが、何も反応せず、注意を払わずにいます。
他人が話すと、あらゆる種類の音が耳に入ります。

私はとても敏感な聴覚システムを持っています。
これにより、周囲のすべての音を聞くことができます。

人々はとても小さな声で話したり、とても大きな声で話したりします。
人が話すのを聞くとき、私は直感と感情を使っています。

敏感な聴覚システムのバランスをとるために、私には小さな声で話してほしいと思います。
それか、ジェスチャーです。
私は、指示を出されたり、呼び出されたりすると、ハミングをしたり、近づいてボディランゲージで反応します。

自閉症の子どもを聴覚障害だと思い込まないでください。
彼らは完璧に聞こえていても、言語の処理はとても難しいタスクなのです。
考える時間を十分に与えてください。
反応するための十分な時間を与えてください。

そうした子どもに話すときには、より理解しやすいように、モノなども使ってもいいでしょう。
写真をコミュニケーション中に取り入れるとよく反応する子どももいます。
もっと、写真も使ってみてください。
交代で、やりとりすることを促し、コミュニケーションスキルを育ててください。

敏感な聴覚システムを持つ子どもたちには、ストレスを引き起こす大声を出さないでください。
彼らの聴覚システムの感度は、イライラさせ、不快感を引き起こすほどです。
言語の理解を促進する、快適な感覚を促すためには、声を低くすることも有効です。

【視覚】
明るい光は、目の中を触れているかのように、私には感じます。
明るい光の中で、私の目は疲れます。
ときには、明るい光のために頭痛を感じることがあります。
なので、私は目を落ち着かせるために、暗い部屋にいるのが好きです。

敏感な目を持つということは、劇的な方法で見る力を持っていることも意味します。
私の視覚は、人々の心を読むことさえできます。
私には、人々の性格も「見る」ことができるように感じるのです。

相手の目を見るように言われると、私は目が痛くなります。
他人の目を見ることは、私の目を過負荷にします。
社会でのアイコンタクトの重要性はわかっていますが、私にとっては、ミュニケーションに目の接触は必要ありません。

私はあなたの目を見ないかもしれませんし、私の行動が他の人にとっては、とてもおかしく見えるかもしれません。
たとえば、私は時々、感情をコントロールするために指を上下に動かします。
しかし、このような行動は、自閉症の人たちにとっては、自分を調節するために行っています。

【触覚】
私の触覚は常に変動しています。
ときには、体の存在を感じるためにさまざまな質感に触れたくなります。
私は、触覚的な方法を使うことで、自分の体や心と繋がることができます。

異なる質感に触れることで、落ち着けます。
たとえば、熱いものに触れるのが好きです。
また、熱い食べ物も大好きです。
ときには、霧のような空気を求めて、冷凍庫の扉を開けることもあります。

母親の手が頭に触れると、すべての心配が消え去ったように感じます。
それは安心感と喜びです。
私は生まれてからずっと、母が私の頭を触ったり、額にキスをしてくれると愛を感じます。

触れることは、人を落ち着かせる最も迅速で簡単な方法です。
触れることでドーパミンのレベルが上がり、ストレスや不安を解放するのに役立ちます。
異なる質感に触れることで、感情も引き出されます。
たとえば、柔らかい質感、例えば枕に触れると、リラックスを感じます。
私は、寝るときに、柔らかい枕を抱き、もう一つの枕で頭を覆います。
柔らかい毛布で寝ると、より良く眠れるのを助けてくれます。

一方で、硬くてとげとげしい質感には、ドキドキします。
そのため、とげとげしいボールに触れたり、とげとげしいドアマットの上を歩くことも大好きです。
手のひらに「くし」をこすりつけて、よりそれを感じるようにしています。

ハグは私をイライラさせるので好きではありませんが、母にするハグは好きです。
敏感な子供は、触れられることにイライラすることがあります。
しかし、これらの子どもたちも「自分から」触れることは好きだったりします。

【嗅覚・味覚・食感】
私は食べ物の匂いが大好きです。
たとえば、ニンニクを炒める匂いがするととても幸せを感じ、サンバル(人気のインドの煮込み料理)の匂いが大好きです。
マンゴーやバニラ、ミント、イチゴなど、様々なフレーバーを嗅ぐのも好きです。
気分を落ち着かせ、気持ちを安定させるために、ストロベリーのリップのような特定の香りを使っています。

味については、辛い食べ物が大好きです。
また、カリカリした食べ物が好きです。
硬い食べ物を食べると、顎の筋肉がリラックスします。
その感覚は、私を落ち着かせます。

一方で、柔らかい食べ物を食べると不快感を感じていました。
口の中の柔らかい質感を感じるのが難しく、噛むべきか飲み込むべきかとても混乱したからです。

【平衡感覚】
私は平衡感覚も、他の人とは異なるようです。
ブランコに乗るのが大好きです。
空高く飛んでいるような感覚で、リズムに合わせて揺れます。
ブランコは空間認識にとても良い活動です。
ときには、その動きが私を疲れさせて視界がぼやけることがあるので、ゆっくりと揺れることでコントロールします。

私は、活動をしていないときはいつも何かをいじりたくなります。
良いフィジェットが代用になります。
それは自己調整を助け、私の思考、集中力、注意力を向上させます。
フィジェットは、私の体の動きの感覚のバランスもよくしてくれます。

良い活動には、ブランコ、トランポリンでのジャンプ、ボールのバウンド、滑り台、スキップ、動物の歩き方、ロッキングチェアなどがあります。

もし子どもが平衡感覚に過敏であれば、聴覚刺激が過剰になり、視界がぼやけたり、時には疲労を感じることもあります。
ゆっくりとした動きでブランコに乗ったり、ゆらゆらしたり、癒しの音楽とそれを一緒に試してみてください。
それは聴覚と平衡感覚の機能の両方を助けます。

私の感覚はとても深く、そして高ぶりやすいです。
いつも気分が悪くならないようにコントロールし、他人に怒りやフラストレーションをぶつける代わりに、自分の中に閉じ込めます。
感情はいつも隠しているわけではなく、母には自分の感情を表現します。
また、口で話すことができない私は、書くことを通じて自分の思考や感情を表現しています。

(出典:米Autism Parenting Magazine)(画像:たーとるうぃず)

「明るい光は、目の中を触れているかのように」

そんなふうに感じられるのですね。

想像すると、そうした感覚にかかえる困難の一端が少しだけでもわかるような気がします。

うちの子は小さな頃からブランコが大好きです。

その楽しさ、喜びも、私の感覚とはちょっと違って、そしてもっと大きなものなのかもしれませんね。

自閉症やADHDの人の「声」での感覚刺激行動・スティミング

(チャーリー)


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