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ヨガや中くらいの運動がカギ?ADHDの子どもたちへの効果

time 2026/02/18

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

ヨガや中くらいの運動がカギ?ADHDの子どもたちへの効果

この記事が含む Q&A

運動はADHDのある子どもや思春期の若者の心の健康にどのような影響がありますか?
運動は抑うつ・不安の軽減と感情の調整の向上を補助的に支えると報告されています。
どの運動が特に効果的とされていますか?
心身統合型の運動(ヨガ・太極拳など)は不安と抑うつの改善に特に大きな関連があり、呼吸や身体感覚への注意を取り入れる点が重要とされます。
効果の強さや運動の強度、年齢で差はありますか?
中強度の運動で抑うつの改善が最もはっきりし、思春期の若者で有意、子どもは有意には至らない傾向だが改善の可能性はあり、長期かどうかは決定的な結論が出ていません。

ADHDのある子どもや思春期の若者は、注意のむずかしさや落ち着きのなさだけでなく、気持ちのコントロールのむずかしさを抱えることが少なくありません。
不安が強くなったり、落ち込みやすくなったりすることもあります。
こうした心の問題は、学校生活や人間関係に大きな影響を与えます。

では、体を動かすことは、こうした気持ちの問題にどれほど役立つのでしょうか。

中国の北京師範大学 体育・スポーツ学院の研究チームは、この問いに答えるために、これまでに行われた複数の研究をまとめ直しました。
対象はADHDと診断された18歳未満の子どもと思春期の若者です。

研究チームは、ランダム化比較試験と呼ばれる信頼性の高い研究だけを集め、最終的に18本の研究を統合して分析しました。
これをメタアナリシスといいます。
個々の研究では見えにくい全体像を、統計的に明らかにする方法です。

その結果、運動は次の3つの点で有意な改善と関連していました。

・抑うつ症状の改善
・不安症状の軽減
・感情をうまく調整する力の向上

効果の大きさは「小から中程度」でした。
劇的な変化というよりは、はっきりと確認できる前向きな差がある、という結果です。

ここで重要なのは、「運動だけでADHDが治る」という話ではないことです。
今回の研究は、運動が心の健康を支える“補助的な方法”として意味を持つ可能性を示しています。

さらに研究チームは、「どんな運動がよいのか」も詳しく調べました。

まず、運動の種類です。
ランニングや体力トレーニングのような身体中心の運動と、ヨガや太極拳のような心と体を同時に扱う運動を比較しました。

その結果、ヨガなどの心身統合型の運動は、特に抑うつと不安に対して大きな改善と関連していました。
不安に関しては、比較的大きな効果が示されています。

なぜでしょうか。

論文では、こうした運動が呼吸や身体感覚への注意を含み、気持ちの揺れに気づく練習を自然に取り入れている点が関係している可能性が示されています。
ADHDでは感情のコントロールがむずかしいことがありますが、こうした運動はその部分に直接働きかけるのかもしれません。

次に、運動の強さです。

低強度、中強度、中〜高強度を比べたところ、抑うつ症状の改善がはっきりしていたのは「中強度」でした。
強すぎても弱すぎてもなく、やや息が上がる程度の運動が、もっとも安定した結果を示しました。

また、年齢による違いも調べられました。

思春期の若者では抑うつ症状の改善が統計的に有意でしたが、子どもでは有意には達しませんでした。
ただし、子どもでも改善傾向は見られています。研究チームは、発達段階の違いが関係している可能性を指摘しています。

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一方で、運動を続けた期間の長さによる明確な差は見られませんでした。
単回の運動でも一定の効果が報告されている研究がある一方で、長期的な取り組みが重要である可能性も示されていますが、今回の統合分析では決定的な結論は出ていません。

では、なぜ運動が心に影響するのでしょうか。

論文では、生理学的な仕組みも説明されています。

・気分に関係する神経伝達物質の増加
・脳由来神経栄養因子の増加
・感情に関わる脳の働きの調整
・自律神経のバランスの改善

こうした変化が積み重なり、気分や不安の軽減につながる可能性があるとされています。

ただし、研究には限界もあります。
研究数はまだ十分とはいえず、運動の内容や強さの測り方も研究ごとに違いがあります。
そのため、「最適な運動処方」が完全に確立されたわけではありません。

それでも、今回の研究はひとつの大切な事実を示しています。

体を動かすことは、ADHDのある子どもや思春期の若者の心の健康に、確かに前向きな影響を与える可能性があるということです。

薬や心理療法を否定するものではありません。
しかし、日常の中で取り入れられる方法として、運動には意味があります。

「体を動かすこと」が、「気持ちを整えること」につながる。

今回の研究は、その関係を統計的に示しました。

ADHDのある子どもや若者にとって、運動は単なる体育の時間ではありません。
心を支える、ひとつの選択肢になり得ることが、データとして示されたのです。

(出典:Frontiers in Psychology DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1748777)(画像:たーとるうぃず)

  • ヨガなどの心身統合型の運動は、特に抑うつと不安に対して大きな改善
  • 抑うつ症状の改善がはっきりしていたのは「中強度」でした。強すぎても弱すぎてもなく、やや息が上がる程度の運動

無理なく、そんな運動を一緒に行いましょう!

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(チャーリー)

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