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発達障害青年のピアノで違うみんなが集まる

time 2017/03/03

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発達障害青年のピアノで違うみんなが集まる

米ミシガン州デトロイト郊外にあるボーモント病院で、目の見えない25歳の発達障害の青年が病院の玄関でピアノを演奏しています。
医者、患者、看護師や家族たちは、その青年ランス・ヴァルダンの周りに集まります。
ランス・ヴァルダンは、グランドピアノに座って、バッハのプレリュードを演奏しています。
週に3日、同じ人たちが昼食時にグランドピアノの周りに集まります。
ヴァルダンは16年間、音楽療法士のリサ・バーネットとともにしています。
グランドピアノで一緒に座って、ヴァルドンは片手で演奏します。
バーネットは歌い、もう片方の手の方を演奏します。
すぐに人が多く集まります。
耳が不自由なの親の元に生まれたヴァルダンは、言葉よりも音楽で多くを語ります。
7歳で発達障害と診断されたヴァルダンは、言葉を使うコミュニケーションに困難をかかえています。
イエスかノーで答えることができますが、自分の感情を言葉で表すことはできません。
バーネットは音楽療法で、ヴァルダンのコミュニケーション能力を高め、より自立できるように支援しています。
研究者によって、発達障害の人が感情を表現するために即興の音楽を利用できることが発見されています。
米西ミシガン大学の音楽療法学部のエドワード・ロス教授は、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)スキャナによって、即興演奏や音楽鑑賞をしている間、子供たちのコミュニケーションに関わる脳の部位が活性化していることがわかったといいます。
「それらの脳の活動を見ると、音楽を通してコミュニケーションを行う人と、言葉によってコミュニケーションを行う人で、違いはありませんでした。
子どもたちは音楽を通して非言語的な議論をしています。
これらはミュージシャンに限ったものではなく、音楽的に普通の子どもたちです。」
別の研究では、即興の音楽と作曲された音楽を歌う前後で、大学生の血液を採取しました。
作曲された音楽はストレスホルモンの減少を示し、即興音楽ではストレスホルモンの減少と、良好な人間関係や信頼を示す指標となるホルモン、オキシトシンの増加を示しました。
この研究によれば、グループ合唱はストレスと減少させ、参加者のコミュニケーションをよくすることが考えられます。
音楽などの創造的芸術療法は、コミュニケーションに困難をかかえる障害のある子供や若者にとって非常に有益です。
米ミシガン州立大学では、歌、ダンス、演技などの劇場プログラムを開催しています。
参加している21歳のクリストファー・ヒブスは、発達障害です。そして、プロの俳優になりたいと考えています。
母親のマーサは、このプログラムが、息子が自分の殻からをやぶろうとしているのを助けていると言います。
「子どもに喜びをもたらし、自分にできることが、自分でわかるようになります。」
とマーサは言います。
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病院でピアノを演奏するヴァルダンも長い道のりを歩んできました。
ともにしてきた、音楽療法士のバーネットによると、教育プロセスは長く簡単なものではありませんでした。
バーネットはカセットテープレコーダーに向かって歌います。
ヴァルダンはそれを再生し、真似をして学びます。
練習には数ヶ月かかることがあります。
ヴァルダンは旧式のカラオケ機を使って録音したカセットテープだけを利用します。
スマホでのデジタル録音は好みません。
ヴァルダンが好きな音楽は、ニューエイジ、バロック、ディズニーです。
最近、ヴァルダンは映画のラ・ラ・ランドから、曲を学びました。
レナード・コーヘンのハレルヤを今は学んでいます。
発達障害の人向けの教材は視覚を利用するものが多いのですが、ヴァルダンは目が不自由なため、点字の本で学んできました。
バーネットは、米ミネソタ州立大学の音楽療法学士号を取得し、7歳から50代後半まで利用者がいるソングス・トゥ・グローオン(成長する歌)という会社を経営しています。
「ヴァルダンは他の子供たちのお手本になります。そして、ヴァルダンは、人としても素晴らしい存在です。
ここで演奏会をするのはそういう理由からです。」
ヴァルダンは、高校では学校のオーケストラと演奏をし、そしてカーネギーホールでも演奏をした経験をもちます。
ヴァルダンは手のひらに文字を書いて、両親とはコミュニケーションをとります。
ヴァルダンの両親、ジュディーとラリーは耳が不自由なため、ヴァルダンが演奏する音楽は聴こえませんが、見ることによって感じることができます。
「演奏を愛してくれる人たちを見ます。その人たちは私の耳、私の音になってくれるのです。」
そう言って、母親のジュディーは27歳の息子、ヴァルダンの手のひらに文字を書いて伝えています。
「遠くにいた人たちが、今はここに演奏を聴きに集まっています。
私たちはそれぞれ違います。しかしそれでいいのです。恐れることはありません。」
ヴァルダンの家族たちが、米ABCのテレビ番組にとりあげられてから、1年後の2005年にスティービー・ワンダーがやってきました。
スティービー・ワンダーとヴァルダンは不思議なつながりをもちました。
スティービー・ワンダーはヴァルダンにギターを贈り、数時間一緒に過ごしました。
「息子のヴァルダンは有名なミュージシャンではありませんが、私は誇りに思っています」
と母親のジュディーは言います。
ヴァルダンが音楽が好きなのは、幼い時からわかりました。
8ヶ月になる前に、ヴァルダンはバスタブの中でおもちゃのピアノを弾きました。
その後は、風鈴に夢中になりました。
ヴァルダンは風鈴の音に取り憑かれて、外に探しに行くようになりました。
6歳のある日、ヴァルダンがパニックを起こしましたが、両親はその理由がわかりませんでした。
その後、風鈴の1つがなくなってしまったことがわかりました。
ヴァルダンには、外にあった一つの風鈴がなくなったことがわかったのです。
「息子が音楽に何らかの才能を持っていることに気がつきました。私たちは息子を応援しました。
そして、息子は英語、手話、スペイン語の3つの言語も知っており、熱心な読者家です。
口を使って話すことはできませんが。」
と父親は語ります。
ヴァルダンは、若者たちが自立できるように支援するプログラムに参加しています。
ヴァルダンの演奏は、このプログラムの取り組みの一つです。
しかし、今25歳のヴァルダンが26歳になると、ミシガン州より行われていた特別支援がなくなってしまいます。
音楽療法への助成もなくなるため、音楽療法士のバーネットも、今後この地域で活動を行えるかわかりません。
ヴァルダンの音楽の将来は両親と外部の支援団体に委ねられます。
(出典・画像:英The Guardian
父母がともに耳が不自由で、息子は発達障害で、目が不自由。
「遠くにいた人たちが、今はここに演奏を聴きに集まっています。
私たちはそれぞれ違います。しかしそれでいいのです。恐れることはありません。」
そんなお母さんの言葉には重みがあり、そしてその通りだと思います。
そして、ここまで極めたのなら、音楽で今後の道も拓けること願っています。
自分の音楽が世界に広がった少女もいました。
発達障害少女の歌うハレルヤが世界に広がる

(チャーリー)

 


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