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発達障害の子のママでも楽観的であれば、うつ病などになりにくい

time 2017/11/29

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発達障害の子のママでも楽観的であれば、うつ病などになりにくい

10代を過ごしたことがある人なら、10代の子どもの子育ては簡単ではないことはわかるはずです。
なおさら、自閉症スペクトラム障害や知的障害と診断をされた子どもであれば、家族みんなに関わる困難があることは少なくありません。
発達障害についての専門家である米カリフォルニア大学のジャン・ブレイシャー教授によれば、長い間続く困難が与える影響については理解されていたものの、一方で、自分の子どもの発達障害のせいにする母親へ批判の目があったといいます。
1950年代の精神科医のレオ・カナーの「冷蔵庫マザー」理論がその批判につながりました。
その理論は、母親の優しさの欠如が発達障害の本質的な原因としたものでした。
1960年代の半ばになってから、心理学者のバーナード・リムランドにより、発達障害とは母親の優しさの欠如によるものではなく、神経学的な発達の問題であると知られるようになりました。
そうして、数十年経った今は発達障害に関連する遺伝子についての研究が多く行われています。
しかし、それらの研究は発達障害の子どもの家族にとって何ら有益ではないとジャン教授とともに研究を行うブルース・ベイカーは語ります。
発達障害の子どもを育てることでもっとも影響を受けるのは、母親です。
ジャン教授とブルースは、発達障害による「副作用」だと言います。
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ジャン教授らによる研究チームは、自閉症スペクトラムや知的障害のある10代の子どもを持つ母親が、障害のない定型発達の10代の子どもの母親に比べて、ストレスを大きく抱え、うつ病や不安症であることが多いことを報告しています。
子どもがより重度の障害である場合には、母親の問題の程度も大きくなり、数もより多くなりました。
子どもたちの障害がどのように母親に影響を与えているのかを知るために、160の13歳の子どもがいる家族について調査を行いました。
このうちの84の家族の子どもは定型発達で障害はありません。
48の家族の子どもは自閉症スペクトラム障害があります。
28の家族の子どもは知的障害があります。
「発達障害の子どもが家族に及ぼす影響について、通常の研究では子どもの年齢はさまざまですが、今回の研究ではそのような差異もなくしたのです。」
その結果、自閉症スペクトラムの子どもを持つ親のストレスは、PTSDをかかえる人が経験したストレスレベルと同程度でした。
知的障害の子どもを持つ母親のストレスや心理的な症状の程度も、自閉症スペクトラムの子どもを持つ母親と同程度でした。
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さらに、母親のストレスや心理的な症状の程度は、子どもの行動に関係する障害の存在によって大きくなることも伝えています。
「子どもがADHDである場合には、母親のストレスなどはさらに大きくなります。
また、子どもが反抗的である場合、うつ病でもある場合、不安症でもある場合にも大きくなります。
親にとって最も辛くなる障害とは、行動を伴うものです。
ルールを守ることができない、自分を傷つける、叫ぶ、人に暴行的になる、物を壊す、そういうことをする場合です。」
しかし研究者たちは困難に直面している親たちに、ストレスをかかえて生きていくことに絶望する必要はないと強調します。
自閉症スペクトラムの子ども、知的障害の子どもを持っていても、ストレスや心理的な症状の程度が軽かった母親がいます。
そして共通点がありました。
共通して、楽観的な人生観を持っていたのです。
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母親には、楽観的か、悲観的か、を評価するテストも行っていました。
より楽観的だった母親は自閉症スペクトラムの子ども、知的障害の子どもの子育てによる悪影響が少なかったのです。
生きていくことについてのより肯定的な考え方が、子育てによるストレスの緩衝材になっていたのです。
今回の研究を行った米カリフォルニア大学のジャン教授はこう言います。
「楽観主義が本当に重要となるのは、ストレスがかかる困難に直面するときです。
楽観的な見方をしているママは気分よく過ごすことができているので、目の前にある困難について、うまく対応する準備ができているのです。」
(出典:米Medical Xpress)(画像:Pixabay
目の前にある現実も、見方を変える、捉え方を変えると違ったものになります。
そして行動していけば、現実も変わっていきます。
難しいことも多いですが、悲観しても良くなるとは思えません。楽観的、前向きにいきましょう。
後押ししてくれる、こういう実際の研究結果もあるのですからね。
 
楽観的になれば、こういうリスクも少なくなるはずです。
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(チャーリー)


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