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発達障害の人が先生となり発達障害者向けVRの開発と指導を行う

time 2018/06/20

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発達障害の人が先生となり発達障害者向けVRの開発と指導を行う

カイル・バートンは28歳。発達障害があります。
しかし、カイルはそれを忘れて生きてきました。
カイルは発達障害の人とされることを好んでいません。
米テキサス州ダラスのテキサス大学の脳健康センターで、カイルは発達障害の成人に向けたバーチャル学習プログラムの開発を行っています。
「カリスマ」と名付けられたこのプログラムは、自閉症スペクトラム障害の成人がバーチャルな世界でリアルタイムの会話を行い、人とのやりとりに必要なスキルを向上させようとするものです。
カイルはこう言います。
「高機能自閉症の大人は、他の人とどう接していいのかわからない世界の中に、受け入れてもらうために高いハードルを越えて飛び込まなくてはならないことを知っています。
自分たちがなかなか受け入れられない世界、溶け込むことができない世界に。」
カイルにもそれがあてはまりました。カイルは、テキサス大学を卒業して2年間就職活動をしました。
何十回もの面接を受け、笑われたこともあったそうです。
また、あなたは発達障害ではないと非難をされたこともありました。
「多くの人が、発達障害の人はダスティン・ホフマンが映画で演じたレインマンのような人だと思っています。」
現在カイルは、プログラミングやゲームのデザインなどを発達障害の人たちに教えている非営利団体、ノンパレイユ・インスティテュートで講師を務めています。
自分のような発達障害の人たちの世界を変えようと挑戦しています。
「私は自閉症スペクトラム障害の、連続していることを意味するスペクトラムが、実際には鎖のフェンスで仕切られているように思います。
鎖のフェンスを越えれば、もっと大きな世界が広がっています。手を伸ばしてください。そうすればわかるはずです。新しい体験ができます。
しかし、そのフェンスを越えようとすると、それは有刺鉄線のフェンスかもしれません。
そう感じてしまうはずです。」
ある生徒が執拗にマウスをクリックしだすと、カイルは肩に手をかけやさしく接します。デザインコースで学び始めたこの生徒は、CGのお城を完成させるまで、全くディスプレイから目を離すことはありません。
「素晴らしいのを作っているね。」
そうカイルは生徒に声をかけます。
ちょっと前までは、カイルもここに座って学んでいたのです。
カイルは4年ほど前にこのセンターに来ました。
テキサス大学で心理学を学び卒業してから、仕事が見つからないまま2年が過ぎていたときでした。
このセンターは、発達障害の成人に技術的な専門スキルを学んでもらうことで、自立した生活を送れるようにすることを目的に設立された場所です。
カイルは、発達障害の人の失業率の高さを憎みます。このセンターのような場所の必要性を強調します。
「私たちは、発達障害、発達障害でない、そうした区別をして接し方を変えることはありません。
発達障害であるかは、重要なことではないのです。」
この取り組みの責任者であるダニエル・ファソはそう言います。
講師になっても、カイルにとって新しい人と接したり、たくさんの人の中にいることは簡単ではありません。
大学を卒業してから就職には苦労をしていたと、カイルの母親のジルは言います。
「カイルにはすごい可能性があるんです。」
ジルは、カイルが学長から与えられた賞について見せてくれました。
カイルは大学生になるまで、発達障害だと正式な診断は受けていませんでした。
カイルはずっと、自宅で学習をしていて、学習することには困ることもなかったため、そうした診断を受ける必要はなかったと母親のジルは言います。
困難が現れたのは、カイルが大学を卒業してからです。
「息子には就職は簡単ではないだろうと思っていました。
しかし、それは想像以上でした。」
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カイルは、映画が大好きです。
クラッシックな映画を観に、よく映画館に行きました。
カイルは、今、その映画館を作っています。
カイルのコンピュータのディスプレイの中、仮想世界の中に作っています。
カイルが開発している一番新しいものです。
発達障害の人が恐怖や不安を感じてしまう社会的な状況を再現し、社会的な合図をわかるようにします。
「このバーチャルな世界でのトレーニングは、シナリオなどはなく、実践的にバーチャル世界の中の人と会話を行うものです。」
今年の初めから、テキサス大学と非営利団体のノンバレイユが提携をして、この映画館もあるバーチャルな世界を開発しています。
このバーチャルトレーニングは、一度に複数の人が学ぶことができるもので、すでに発達障害の人たちが学べるものになっています。
講師を務める発達障害のカイルはこう言います。
「私は発達障害の人たちに希望を与えること、自分たちはできることを示したかったんです。
ここに来る発達障害の多くの人が不満を口に出しています。働ける場所がないんです。」
(出典・画像:米DALLAS NEWS
可能性が開くこうした機会、場所はどんどん増えていって頂きたいです。
違う世界の捉え方をしているからこそ、多くの人にとって新しい体験を作ることもできると思います。
360度見渡せるバーチャルリアリティでの自閉症の体験動画

(チャーリー)

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