発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

発達障害の子への配慮が広がっていくようにと取り組む理髪店

time 2018/09/08

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発達障害の子への配慮が広がっていくようにと取り組む理髪店

7歳のリリアン・ホワイトホールは、椅子に座ってオレンジ色のお人形さんに夢中になっています。
その後ろには美容師のデシリー・マクドナルドが嫌な顔をしないで、さまざまにポジションをとって髪の端をもって切っています。
リリアンは発達障害です。
しかし、落ち着いてヘアカットすることができています。
「ここは、娘がパニックを起こさずに髪を切ることができた唯一の場所です。
おしゃべりはありませんが、親切に髪を切ってくれるところなんです。」
そうリリアンの母親のメリッサは言います。
「リリアンは発達障害であっても、他の子と同じようにおしゃれしたいと思っていることを知ってもらえれば。」
理髪店は発達障害の子にとって、ふだん耳にしない音が聞こえたり、他の人もいるところなので、パニックになってしまいやすい場所です。
発達障害の子の親の中には、子どもが眠っているときに切るようにしている人もいます。
おしゃれにすることが目的ではありません、しかたなくこうして切るしかないからです。
母親のメリッサはこう言います。
「感覚に問題をかかえている子どもの親からすれば、それはめずらしいことではありません。
外食する、映画を観に行く、コンサートに行く、髪を切りに行く。
そうしたことが簡単ではなく、とても困難なのです。」
ここ美容師のマクドナルドの理髪店では感覚にやさしい環境を用意してあります。
プライバシーも守られるように囲いもあり、照明も暗くしてあります。
そのために、リリアンはここで髪を切ることができています。
いじれるおもちゃや、パズル、リリアンが大好きな触った感じが変わっているクッションなども用意されています。
「感覚にやさしい環境は、誰が使ってもかまいません。
感覚に問題のある子どもに役立つようにしてあるので、そうした問題がない子どもも、そこで体験することで理解できるはずです。」
そうマクドナルドは言います。
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美容師のマクドナルドは、脳性まひの娘がきっかけとなり、こうした取り組みを行うようになりました。
「私は、もっといろいろなところでの配慮を広めたいと考えています。
ここの理髪店はまだ、ほんの一部です。
もうそういう時代になりました。みんなが仲間であることを思い起こしてほしい。
障害のある人への配慮を行っていないところはまだまだたくさんあります。
そうなっていないところには、障害のある人は自分が追い出されてしまっているように感じるはずです。」
発達障害の子どもの多くがかかえている感覚の問題についてはすでに知られるようになってきました。
しかし、そうしたことへ配慮した理髪店を見つけることは、今でも難しいものです。
オーストラリアの障害者団体の代表、ポニー・ミリエンはこう言います。
「行くことは可能です。しかし『行きやすい』のとは大きな隔たりがあります。
『どんな人でも歓迎します。』
そう言ってくれるところでも、私たちが痙攣をおこしてしまったり、突然体を動かしてしまったりして、ケガを覆わせてしまうのではないかと心配をしています。
また、車椅子の人について考えていても、そうではない障害の人についての対応方法を考えていないこともあります。」
オーストラリアでは、感覚に配慮されたスペースが設けられていることがわずかです。
発達障害者支援団体ではもっと必要だと求めています。
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オーティズム・アウェアネスのニコル・ロジャーソンCEOは、理髪店に感覚にやさしい場所を設けてもらえることは、発達障害の子が髪を切ることになれるもので、徐々に一般的な理髪店でも髪を切れるようになることへの一歩になるものだと言います。
「発達障害の人の多くにとって、問題は感覚的なこと、そして『こだわり』に関係してきます。
その場所のその建物、そしてその美容師さんが好きになることが必要にもなります。
発達障害の人のそのこだわりは、なかなか変わりません。しかし、変わらなければならないときがあります。
理髪店が閉まってしまうことは当然あります。
それまでに、子どもたちには柔軟性を教えることも必要です。
こうした理髪店でスタートを始められれば、本当によいと思います。」
マクドナルド美容師の理髪店のようなところを見つけられない親たちと一緒になって、ロジャーソンCEOはこうした理髪店を作ろうとしています。
「家族みんなで来て、すぐに髪を切らなくてもよくて、ゆっくりと落ち着けるようなお店がいいでしょう。
親切で理解してもらえる美容師さんを見つけて、ステップバイステップで実現したいと思っています。」
(出典・画像:豪abc
理髪店は本当に行くことができません。
歯科医や耳鼻科も、難しいです。
発達障害の子どもが『行きやすい』そうしたところがすぐにわかるしくみができたらとずっと思っています。
発達障害の方や家族への感覚に配慮した映画試写会

(チャーリー)


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