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自閉症の教師が教える自閉症の子どもたちへの学校での教え方

time 2019/03/07

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症の教師が教える自閉症の子どもたちへの学校での教え方

発達障害である自閉症の子どもたちに学校で教えるのに役に立つ考え方についてお伝えしたいと思います。
教師が誤った考え方をした場合には、学校に来ることができなくなってしまう子どももいるからです。
私は教師です。32歳になって自閉症と診断されました。
お伝えしたいのは自閉症の当事者としての私の経験とこれまでに学んだことに基づいた、自閉症の生徒に対する考え方です。
お伝えする考え方の多くは、自閉症の生徒を助けることにつながるはずです。
しかし、一番良いのはそうした生徒と直接話すことです。
1.情報の伝え方、やりとりについて
これは感覚や情報に関わることです。
生徒への指示を確実に伝えたいときには、口頭ではなく、書いて伝えてください。
明確に書かれたものであれば、生徒は必要なときにそれを見て行動することができます。
教室の雑音の中から、教師の声を聞き取る難しさがなくなります。
自閉症の生徒は他のことに集中してしまうこともあるため、生徒が伝えたときに聞き逃してしまっても、後からわかるようにしてください。
また誤解は生じることを知っておいてください。
教師は自閉症の生徒からのシグナルを誤って理解することがよくあります。
そのために必要な支援を見落としたりします。

たボディ・ランゲージなども生徒には難しいこともあります。
また自閉症の生徒がみせる体を動かす行動を良くないものとして無理に止めようとしたり、無理に目を見るようにさせることはやめてください。どんなに自閉症の生徒にとってつらいことか知らなければなりません。
2.伝えていることがわかるようにするのがもっとも重要なこと
教師からの話がわからないという生徒がいるかもしれません。
教室の騒音、たくさんの視覚からの情報など、それらを減らす方法を考えてみてください。
伝えていることに集中でき、わかることは教育でもっとも大事なことです。
学校はすべての生徒がそうなるようにしなければなりません。
そしてそれは、生徒が興味を持ったことに、必要なだけ集中できるようになるスキルにつながっていくものです。
そして生徒がパニックを起こしてしまった場合の対処方法をもっておいてください。
たとえば、静かに落ち着ける教室を準備してください。
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3.切り替えの難しさ
今までしたきたことを変更するのは簡単ではありません。
変更するのではなく、新しいことと捉えられるようにしたほうがよいです。
それまでしていたことの思いを変更しようとする場合には時間とエネルギーがとてもかかります。
慣れたことは予測可能で対応が簡単です。
予測可能でない不安定なことになるほど、人は不安になります。
自閉症の人にとっては恐怖にも感じることです。
シンプルで明らかなことであれば、不安が減らせます。
4.興味にあわせて教えることができれば大きな成果
私たちが好きなものにはまり、情熱をもって取り組めることは、大きな幸せです。
自閉症の人にはそれが欠かせないものとなります。
そのため、自閉症の人から他のことへの注意を引くことは難しいこともあります。
しかし、自閉症の生徒の興味にあわせて教えることができれば、大きな教育的な成果があります。
とても難しいことのはずです。
たとえば、こちらへ注意を引こうとしたときには、多くの生徒は不快になります。
それが自閉症の生徒であればなおさら困難な状況になるためです。
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5.「なぜ?」と思う本能が強い
「なぜ?」と思う本能が、多くの自閉症の人では強いものとなっています。
それは、私たちを問題の解決に導いてくれることもあります。
私たちに利益をもたらしてくれるのです。
自閉症の人は、問題を解決するために論理的に考え、そしてそれに関連することを学び、どうしてそうなるのかを理解できると大きな喜びを感じます。
教師と自閉症の生徒でのあつれきは、教師がこれまでの考え方や権威に基づいた方法で問題解決をしたいという期待からしばしば生じます。
そして、自閉症の生徒の探求心は他の生徒よりもとても強いものです。
教師は、それをただ受け入れるしかないでしょう。
6.忘れないように注意すること
教師が注意をしていないと、忘れてしまうことがあります。
業務日誌や日記がとても有効なツールになります。
そのときには、それを行う必要性を感じないために問題が起きてしまうこともありますが、きちんと指示することは自閉症の生徒にとっても安心につながることです。
計画を立て準備をしておくことは必要であるものの、多くの自閉症の人にとってそれは難しい可能性があることも知っておかなければなりません。
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そして最後に何より、自閉症の生徒といっても、それぞれ一人ひとり異なることを知っておかなければなりません。
そのためにお伝えしたことはアドバイスにしかなりません。
他人が世界をどう捉えているのか、それは誰にも正直なところはわかりません。
しかしそうした認識がなければ、お互いを理解することはますます困難になります。
一緒に過ごしていくことで多くの理解ができていくはずです。
私がお伝えしたかったのは、自閉症の人たちが一般的に直面するいくつかの困難についてです。
それについて理解して、学校環境でどう対応していくかの考え方です。
やりがいがあります。自分の生徒に向けて行ってみてください。
さまざまな人の心を扱うことは、とても学べる機会となります。
慎重な注意とある程度の謙虚さは求められます。
本当にたくさんのことが学べます。
(出典:米tes)(画像:Pixabay)
学校だけでなく、家庭などでも役に立つ、再認識になる教えだと思います。
親であっても難しいと感じるのに、先生であればなおさら難しいように思います。
うちの子は幸せに過ごすことができてきました。学校の先生方には本当に感謝をしています。
親やきょうだいは発達障害の子から多くのことを学ぶ。博士の手記

(チャーリー)


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