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発達障害の人の雇用を進めるIBM。多様な頭脳が必要だから

time 2019/06/05

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発達障害の人の雇用を進めるIBM。多様な頭脳が必要だから

サム・キャッスルマンは発達障害と診断をされたとき、将来の夢が難しくなるかもしれないと思いました。
「私は発達障害についてとても否定的に考えていました。
しかし、よく調べて特性など知ると、それは私の一部だったので認めました。」
10年経って、発達障害について肯定的な見方も現れてきました。
世界的なIT企業であるIBMは、オーストラリアのクライアント・イノベーションセンターで、ニューロダイバーシティプログラムを始めました。
発達障害の16人の採用候補者について、4週間の採用に向けた取り組みを行い、23歳のキャッスルマンを含む10人を採用しました。
シニアプロジェクトリーダーのベリンダ・シーハンは、IBMでは考え方が異なる人を採用する必要があるといいます。
「革新的であり続け、最先端にいるためにはできるだけ、多様な頭脳が必要となります。
さまざまな人たち、異なる考え方をする素晴らしい人たちの才能が必要なのです。
発達障害の30パーセントの人たちが失業しています。
素晴らしい頭脳が活用されていないのです。
私たちが最先端にいるためには、加わって頂く必要があります。」
シーハンは、発達障害の自閉症スペクトラム障害の人たちの多くが、ITの仕事にとても適しているといいます。
「私たちにとって、独創的な思考、革新的な思考がとても役に立ちます。
そして、細部に細心の注意を払い、パターンの乱れなどもすぐに見つけることができることもです。
そして、とても正直です。本当に素晴らしいことです。」
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採用されたキャッスルマンも、発達障害の人たちがもつ最大の利点は、異なる考え方ができることだといいます。
「私が何かをしたいと思って取り組む場合に、他の人たちとは全く異なることが多くあります。
それが新しいチャンスを作り出すのです。
私は物事にはとても情熱をもって取り組むことができます。
私は取り組み始めれば、それが達成できるまで真剣に取り組みます。」
そして、企業が発達障害の人たちを採用できていないのにはさまざまな理由があると感じたといいます。
「発達障害の人たちは、そうでない人に比べて明らかにコミュニケーションで苦労します。
そして、自分を知らない人や自分のことを知ろうとしない人たちからは、全く評価できないように見られるのです。」
また、発達障害の人たちには、必要になる物もあります。
「たとえば、音や光に敏感な人がいます。
たとえば、ノイズキャンセリングのヘッドフォンやサングラスなどです。」
企業が自閉症スペクトラム障害の人たちを見過ごしている最大の理由の一つは、面接試験だとシーハンは言います。
「例えば、まず最初は電話での会話から始まります。
発達障害の多くの人が、電話はとても苦手です。
また、面接される場合にも、上手にできることはありません。
また、とても正直です。
プログラミングが得意かと聞かれると、大丈夫な程度と答えてしまいます。
これからの面接やそこで自分を売り込まなければならないことを考えると、履歴書を書くことにも苦労します。」
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キャッスルマンには双子の赤ちゃんがいて、子育てとフルタイムの仕事のバランスは簡単ではありませんが、パートナーのカーリーは、それでもIBMで働くことには大きな価値があると言います。
「夫の人生を変えてくれるものです。
そして、私たちの人生の将来に希望をもたらしてくれます。」
カーリーは4週間が経過しIBMへの採用が決まったキャッスルマンは、すでに大きく変わったといいます。
「夫が会社に行き、すばらしい時間を過ごして、そして素晴らしい気分で家に帰ってくるはずです。
夫がそんな経験ができるようになることが本当にうれしいです。」
キャッスルマンは子どもたちが誇りに思う存在になりたいと言います。
「私がそうなることで、子どもたちが夢に思ったことは実現できると考えることができるはずです。
障害と言われるものがあっても、夢をあきらめない。そう思ってもらえる例になりたいのです。」
(出典・画像:豪ABC
その人が持つ特性や考え方など気に留めることなく、ましてや発揮してもらおうとも思っていない「法定雇用率のため」の雇用では、障害のある方にもそして企業にとっても結局うれしいものにはなりません。
乱暴な言い方をすれば、人にとっても企業にとっても、仕方ないからしている、だけです。
厳しい競争の業界にあっては、仕方ないからしている、なんて余裕はありません。
最先端にあり続けるためには、多様な考えが必要となります。
多様な考えを尊重し、発揮して頂かなければならないのです。
こうした企業は今後も増えていくはずです。必要なのですから。
自分が尊重され、自分を発揮できていれば人は楽しく幸せです。
そして仕方なくしていることよりも、その企業だけでなく社会や世界にとっても、はるかに大きな価値を創造しているはずです。
発達障害の人には他の人と同じことを求めず強みを発揮してもらう

(チャーリー)


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