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「少し自閉症」私たちのアイデンティをそんなふうに使わないで

time 2019/07/14

この記事は約 5 分で読めます。

「少し自閉症」私たちのアイデンティをそんなふうに使わないで

10年前、私はオーストラリアの大学で研究セミナーに参加すると、一人の学者が発表をする前にこんなことを言いました。

「学者はみんな、少し自閉症なんです。」

最近、私はつきあうのが難しい人がいると友人の学者に相談をされました。
起こったトラブルについて一通り言い終わるとこう言いました。

「あの学者は少し自閉症。」

こんなふうに、よくこの言葉を聞きました。
すべての学者が自閉症ではないにせよ、その学者も本当に自閉症なんでしょうか。

私は悲しく思います。

自閉症という言葉を気まぐれに侮辱的に使っているのです。

私はキャリアをもつことができ、歳を重ねた女性として、今は

「自分は自閉症」

と言えることに喜びを感じるくらいです。

私の自閉症は、私が仕事をするのに必要な能力を制限するものではありませんでした。
むしろ、多くの場面で役に立ったと思います。

「少し自閉症」私たちのアイデンティをそんなふうに使わないで t3

しかし、自閉症という言葉が侮辱的に気まぐれに使われることは、
自閉症の人がオープンにすることをためらわせます。

私は二人の自閉症の息子の母親でもいます、自閉症の子どもたちを支援しています。
そのため、自閉症という言葉を良くないものとして使うことがどれほど有害になるのか、よくわかっています。

自閉症について限定的に捉えられると、自閉症の人たちがかかえている問題は単純化され、そして持っている強みが無視されます。

そして限定的に捉えられ使われた、自閉症という言葉は、自閉症の子どもたちや方には自閉症であるというのは基本的に悪いことだと届きます。

自閉症とは何でしょうか。

社会的な関わりやコミュニケーションで困難をかかえること、強いこだわりをもったり、繰り返しおなじ行動をとることを特徴とします。

しかし、自閉症の人はそれぞれ症状が異なるため、連続性をもった幅のある範囲を意味する「スペクトラム」を使い、自閉症スペクトラム障害と呼ばれます。

自閉症の人はある分野では困難をかかえていても、別の分野では大きな強みを持つことがあるかもしれません。
逆に言えば強みをもちながらも困難もかかえているために、誤解をまねく「高機能自閉症」という言葉の利用への反対も今は高まっています。

「少し自閉症」私たちのアイデンティをそんなふうに使わないで t1

「学者はみんな、少し自閉症。」

そんなことはもちろんありません。それは間違いです。
ダンスが上手にできない人に、「少し体が全身まひ」と言わないのとおなじことです。

たしかに学者の中に、自閉症である人が多い可能性は実際あります。
しかし、

「少し自閉症」

という言葉は、自閉症の人たちの生活をよくすることを邪魔するものになります。

話し方がおかしい、コミュニケーションが上手にできない、目を見ることが難しい、あの人が怖い、そうしたことは、自閉症の人に限らず誰でも自分の中にも感じます。

しかし、自閉症の人の多くがかかえる、照明が明るすぎる、エアコンの音に耐えられない、香水などのにおいがするオフィスでは作業ができなくなるなどの感覚過敏、または逆の感覚の鈍さは、多くの人はわからないものです。

「少し自閉症」私たちのアイデンティをそんなふうに使わないで t2

自閉症の人にとって、会話をしているなかで、相手の声だけを集中して聞き取るのを恐ろしいほど難しくするノイズの存在なども、多くの人は気づくことさえありません。

自閉症の人が、他の人と同じように行動をしよう、話そう、としているときに感じている大きな不安も多くの人にはわかりません。

気まぐれに「自閉症」という言葉を使ったり、少し扱いが難しい人の形容詞にしている場合には、そうした自閉症の人が直面している、自分が感じていない困難を無視しています。
そして、持っている強みも無視しています。

あなたとはちょっと違う人を説明したいときには、「自閉症」ではなく、他の言葉をつかってください。
気まぐれに使ったり、侮辱するようなときに私たちのアイデンティティ、「自閉症」を使わないでください。

オーストラリア カトリック大学 副学長 サンドラ・ジョーンズ教授

(出典:ニュージーランドstuff)(画像:Pixabay

私にはこうした言葉が引っかかります。

「少し発達障害」「発達障害っぽい」「発達障害の傾向がある」

発達障害と正式には診断されていないが、そう自分で思っている状態。

 

発達障害の特徴を程度は違えど全く自分にはないと思う人はそうはいないでしょう。

なので、これらの言葉は、口に出すかはおいて私も含めて多くの人が該当すると思います。

私からすれば言うまでもない、みんなに当たり前のこと。

そして、そうした言葉を使う人はみんな口で話すことができ、特別支援を受けていない人がほとんどです。

(もちろん深刻な場合には、適切な支援を受けるために診断を受けることをおすすめします。)

 

一方で、うちの子は重度の自閉症、発達障害です。知的障害もあり話すこともできません。特別支援、介護が必要です。

「あなたの子は発達障害ではなく別の障害じゃないの。」

そういわれたことがあります。知的障害もありますが、発達障害である自閉症と診断されています。

「少し発達障害」でイメージする発達障害から、かけ離れているためにそう言われたのだと思います。

 

また「発達障害の傾向がある」という方から、全く見たこともなく、話すことができないことも知らないのに、うちの子について、私よりもわかっているかのように多くを語られたこともあります。

 

うちの子のような「発達障害」で特別支援や介護が必要で話すこともできないような多くの子どもや方のことを思うと、私もそんなふうに使われる「発達障害」とそのイメージに危惧を抱かないわけにはいきません。

発達障害当事者の私が思う「ニューロダイバーシティ」の問題点

(チャーリー)

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