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自閉症スペクトラム障害の女性は摂食障害もかかえることが多い

time 2019/10/16

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自閉症スペクトラム障害の女性は摂食障害もかかえることが多い

よりよい治療とサポートが行えるように、摂食障害と自閉症スペクトラム障害との関係についての研究が行われています。
バタフライ財団によれば、オーストラリア人の100万人近くが摂食障害をかかえています。
そして、精神的なことが原因による食欲不振は、すべての精神疾患の中で最も高い死亡率になっています。
10代の娘の二人が精神性の食欲不振と診断をされている母親のキャリーは、ほとんどの人に理解されずに孤独感を感じる病気だと言います。
「娘はパン屋の中で一時間も過ごしました。
そのうちパニックを起こし、涙を流しました。
何を食べるべきか決められないのです。」
キャリーの16歳の娘は2年前に精神科で摂食障害と診断をされていますが、診断をされるずっと前から食の問題をかかえていたといいます。
キャリーの娘の食べることに対する抵抗は、パニックにつながりました。
「時速80キロメートルで走っている車から、飛び降りようとしたこともあるんです。」
新しくキャリーの娘を診るようになった医師は、発達障害についても疑いました。
「発達障害をかかえているのなら、それにより起きている不安が摂食障害の原因かもしれません。」
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摂食障害をかかえている子どもの多くが、発達障害である自閉症スペクトラム障害であると診断をされています。
ウェストメッド病院摂食障害治療センターの小児病院に勤めるコリン・アフォードによれば、世界的によく知られていることであり、拒食症と診断をされた成人の20パーセント以上が、自閉症スペクトラム障害もかかえているといいます。
「拒食症と自閉症スペクトラム障害の両方をかかえる子どもたちを助けるために、どんな治療をするべきなのか研究に取り組んでいます。」
ウェストメッド病院では、自閉症スペクトラム障害と摂食障害の両方をかかえる子どもたちと家族のために取り組みを進めています。
「こうした子どもをもつ家族は、発達障害でない摂食障害の子どもをもつ親よりも、孤立していると感じています。
どうやって子どもを助ければいいのか、閉じこもって悩んでいます。」
ロンドン大学の臨床心理学助教授、ウィル・マンディ博士は、深刻な摂食障害と自閉症スペクトラム障害との関係は1990年代のスウェーデンの研究で初めて採り上げられたといいます。
「精神性の摂食障害の人たちの20パーセントから30パーセントが、自閉症もかかえていました。」
その後の研究でも同様な数字が上げられてきたといいます。
足りていないのは、自閉症スペクトラム障害の人のうち、どれくらいの割合で摂食障害であるかの研究です。
「これまでは、摂食障害の人の何パーセントの人が自閉症か、の研究でした。」
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クリスティーン・ネイスミスは、摂食障害の人に対するケアをした経験がある人たちにより作られたボランティア組織、オーストラリア摂食障害家族(EDFA)の設立メンバーです。
ネイスミスには二人の娘がいます。
23歳の娘は拒食症から回復しています。
17歳の娘は現在、回避・制限性食物摂食障害(ARFID)と診断されています。
「娘は特定のブランドの食品のみ食べます。
そして、決まった調理方法で料理する必要があります。
そうしなければ、全く触れようともしません。
それらは拒食症や過食症のイメージとは異なります。」
しかし、自閉症スペクトラム障害と摂食障害の両方をかかえる人には共通点があります。
それは強い不安をかかえていることです。
マンディ博士はこう言います。
「自閉症の女性の多くは、必要な支援を受けられないために起こっている耐え難い感情に対処する方法として、食事に厳しい制限を行っているという仮説をもっています。それを研究しています。」
女性の場合には適切に自閉症と診断されることが難しくなっているといいます。
その原因は自閉症の男性が見せる典型的な症状を基準とした診断が行われているからだといいます。
「自閉症の女の子や女性は、自閉症の少年や男性と比べると平均して社交性があることを示す証拠もあります。」
また、女性は自分が自閉症であることを隠してしまう、マスキングが社会的カモフラージュが得意です。
「自閉症の女性の多くが、社会的環境で自閉症ではないように振る舞うために学び、努力をしています。」
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マンディ博士によれば、自閉症スペクトラム障害による症状は、男性と女性では異なるといいます。
学校に通っている頃であれば、男の子は問題行動を起こすようになります。
女の子は不安症やうつ病になる傾向があります。
「そのために自閉症の女の子は、男性の症状とは異なるために自閉症と診断をされる可能性が低くなるのです。」
自閉症の女の子に迅速に必要な支援を行えるようになるために、自閉症スペクトラム障害の人がかかえる摂食障害の性質などさらなる理解が必要だとマンディ博士は言います。
オーストラリア摂食障害家族のネイスミスは、自閉症スペクトラム障害と拒食症の両方をかかえる子どもを持つ家族は、大きな疲労と孤立、絶望を感じているといいます。
「長い旅です。拒食症が治るまで平均して5年かかっています。」
オーストラリア摂食障害家族によるサポートを受けた、自閉症スペクトラム障害で拒食症の娘をもつ母親のキャリーはこう言います。
「素晴らしいものでした。
何が起きて、何を経験しているのかを理解できました。
どれほどひどくて、どれほど辛いか知っている人たちが一緒だからです。
孤独ではないことがわかりました。」
(出典:豪abc)(画像:Pixabay
うちの子も偏食はひどかったのですが、学校の給食で先生たちががんばってくださったおかげで、いろいろなものが食べれるようになりました。
小さな頃はポテチや唐揚げくらいしか食べなかったのが(今でもそれらは大好物ですが)、今ではたいていのものは口の前に出せばパクっと食べてくれます。
そのまま口から出てくることもありますが、小さな頃は口に入れることも決してなかったので。
ただ、奇妙なこだわりがあったりはします。
学校では牛乳をごくごく飲むそうなのですが、家ではどうやっても、決して飲むことはありません。
発達障害の人の「マスキング」大きな代償が必要なマスクはとろう

(チャーリー)

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