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自閉症の人の自傷行為について10年間の追跡調査を行った研究

time 2020/02/23

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自閉症の人の自傷行為について10年間の追跡調査を行った研究

新しい研究によれば、自閉症の人は過剰に活動する、または自分の衝動を制御するのが困難な場合には自傷行為を持続的に行う可能性が高いことが示唆されています。
この10年間に及ぶ研究は、発達障害である自閉症の人の自傷行為を追跡する最も長期間な研究の一つとなります。
ほとんどの研究は、自閉症の人を追跡する期間が5年未満であったり、重度の自閉症の人たちのみが対象となっていました。
生涯にわたっての自閉症の人の自傷行為についてはほとんどわかっていませんでした。
英バーミンガム大学の臨床心理学者である主任研究者のキャロライン・リチャーズは、この新しい研究は多くの自閉症の人たちがかかえる自傷行為について知ることができるものだといいます。
自閉症の人の半数未満は、自分の肌をいじったり、髪を引っ張ったり、頭を叩いたりして自分自身を傷つけます。
そのような持続的な自傷行為は、さまざまな悪い結果につながります。
学校での生活がうまく送れない、家族から離れて施設で暮らす必要がある、向精神薬の処方などです。
「これらはすべて、人に経験してほしくないことです」
そう今回の研究を行ったリチャーズは言います。
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今回の研究による新しい発見は、自傷のリスクが高い人々を特定し、それが続かないように助けるのに役立つかもしれません。
医師が対応できるのは、通常、自傷行為に気づいた後になります。
しかし、その時点ではすでに深刻な状況になっている可能性があるでしょう。
そう、米テキサス工科大学の教育心理学のデビッド・リッチマンはいいます。
「親や介護者が治療を求めるようなときには、すでにひどく悪化しているのです」
今回の研究は事後ではなく、予防的なアプローチの一歩となるものです。
リチャーズらの研究チームは、英国自閉症協会を通じて4歳から39歳の自閉症の67人について追跡調査を行いました。
その自閉症の人たちの親や介護者が3回、オンラインでアンケートに答えました。
2009年、そしてその3年後、10年後です。
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1990年代の自傷行為に対する支配的な考え方は、無意識のうちに自傷行為を学び、その後それをコミュニケーションの方法としたり人の注意をひくために行うようになるというものでした。
しかし、自傷行為をする自閉症の人の中には、自傷行為をしないようにするために手をお尻の下にして座ったり、衣服にくるんで自制しようとしている人もいます。
これはコミュニケーションや注意をひくために行うのではなく、制御できない衝動によって引き起こされている可能性を示唆するでしょう。
研究チームは自傷行為とそれを自制しようとすることについて、明らかにできるようにアンケートを設計しました。
アンケートは衝動性、多動性、社会的コミュニケーション、気分、反復行動などが評価できるようになっています。
自閉症の人の多くは成長するにつれて、自傷行為が減少しますが、44パーセントの人たちはずっと続いていました。
“Molecular Autism”にて、この研究結果は発表されています。
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そして自傷行為がさまざまな行動に関連していることが発見されました。
最初のアンケートから3年後のアンケートの間においては、社会的コミュニケーションに困難をかかえていた人たちがそうでない人に比べて自傷行為が続いていました。、
最初のアンケートで衝動性と多動性のスコアが高かった人は、10年経過時点でそうでない人に比べて、自傷行為と自制を行っている可能性が高くなっていました。
特に衝動性はすべての時点で自傷行為と関連し、その後の自傷行為について予測できるものであることを研究チームは発見しました。
そして危惧する傾向も発見しています。
自傷行為を行う自閉症の人たちはそうでない自閉症でない人に比べて、小児科の医師以外には相談していない傾向がありました。
米インディアナ大学の臨床心理学のジル・フォッドスタッド助教授はこう言います。
「それは警鐘をならすものでしょう。
本当に必要としている助けが十分に得られていないかもしれません」
研究チームは、今後も研究を行っていく予定です。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子はすごく自分をひっかきます。
最近はずいぶん少なくなりましたが、身体中をひっかいて、顔もボロボロになっていました。
小さな傷やちょっとでも気になるところがあるとそれをボリボリ掻き出して、大きくなって、他のところも傷になってとそんな具合です。いくら薬をつけたり絆創膏を貼ったりしても。
ひどいときにはひっかいてできる傷を最小限にするために指サックや手袋をつけるようにしていました。
ボロボロになった姿を見ると本当にかわいそうになります。
また、幼い頃であればそれが他害につながる心配もあると思います。
年齢が高くなるにつれて減っていくとのことですが、約半数は続く。
良い止める方法があればと思います。
発達障害の子どもたちが見せる繰り返しの動き、常同行動の意味

(チャーリー)


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