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40代の後半で発達障害と診断された女性

time 2016/09/03

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40代の後半で発達障害と診断された女性

ニコラ・クラークの寄稿です。
昨年、40代の後半になってから、発達障害であると診断されました。
少し自分が人とは違っているのはいつも感じていました。
約50年もの間、だんだん生活をしていくことが難しくなっていくのを感じていました。
診断されるまでに長い時間がかかる女性は私だけではありません。
英発達障害協会では、発達障害が男性、女性で異なることの研究を推進しています。女性や女の子が、発達障害であるにもかかわらず、そのように診断されることが少なかったことがわかりました。
イギリス国内の8000人の発達障害の人とその家族について、2012年に調査がされました。
英発達障害協会では、女性や女の子が男性や男の子よりもきちんと診断がされていないことを発見しました。(41%の女性に誤診断がありました。男性ではそれは30%です。)
一度、誤った診断をされてしまうと、女性や女の子は適切な特別支援を受けることが難しくなります。
6歳になるまでの期間にアスペルガー症候群と診断された女の子はたった8%です。それに比べて男の子は25%です。11歳になるまでをみると、女の子は20%、男の子は50%です。
20代、30代になるまで女性は正しく診断をされないままであることが少なくありません。
私は若いころから、動くものを見ていたり、本を読んだり、一人でいることが好きでした。他の子供たちと一緒に遊ぶのはいつもつらいものでした。
私には感覚障害と知覚過敏があります。服についているラベル、予期しない音、きついにおい、泥、細菌それらが苦手です。
私は学生時代、生物学の先生から薬学を勉強していくことを薦められました。しかし、研究室のにおい、ホルムアルデヒトに漬けられた虫などに我慢することはできませんでした。
そこで、演劇学校に進みました。
他の人に慣れるようにがんばりました。人を見て、学んで、合わせて。とてもよい経験になりました。
私は、ほかの人の振る舞いについてわからないことを、誰かに説明してもらう必要がありました。私が12歳のときに、説明をしてくれていた兄が亡くなりました。母や他の人は説明をしてくれませんでした。
大人になって、私の娘がふたりとも発達障害と診断をされたとき、自分の行動が娘たちと似ているので疑問を持ちました。しかし、忙しい時を過ごしていたので、何もしませんでした。母もアルツハイマーになり、そんな時間はなかったのです。
昨年になって、カウンセリングを受けているときに、その疑問が再び浮かびました。自分も診断を受けようと決めました。
かかりつけの医者は、2つの精神科医のチームを紹介してくれました。
発達障害の診断のしかたは昔とは違っていて、私の場合には、子ども時代の頃について訊かれました。
自分のことについて、感情をもって話すことが難しいのがわかりました。
私の夫が一ヶ月の間つきあってくれました。
診断をされた時、泣いてしまいました。それは闘いのようなものでした。自分自身を明らかにしなくてはいけない、自分は狂っているのではないと。
今は、自分が発達障害であることがわかっています。私の夫も、長女も知っています。たぶん、自分の母親もそう思っていたのではないかと、とくに二人の娘たちが発達障害と診断されてからは。
誰でも、自分のように疑いをもったら、かかりつけの医者に相談するとよいと思います。
しかし知っておいてほしいことがあります。女性は誤った診断をされてしまう場合があります。
というのも、他の人に我慢できないと言われた性格や行動をうまくカバーしてきたからです。女性は一般に、我慢強いので発達障害と診断される特徴を、表に出さないのです。
摂食障害が、発達障害の女性や女の子ではよく現れます。食べ物は友達であったり、敵であったりするのです。
私の場合には社会のルールにあうように振る舞うことに悩んで、摂食障害になりました。そうならないようにするのは無理でした。
私には自分を守るために、すごくしゃべるか、黙りこんでしまうことが多くあります。まわりと自分の適度な距離感を壊してしまうのです。仕事をしていても、ネットでも、相手がどう受け取っているのか関係なく、思っていることをそのまま言ってしまうのです。
発達障害といっても、発達障害の人がみな同じわけではありません。ある人は多動だったり、ある人はとてもおとなしかったり。
発達障害として、ひとまとめにしてしまうのは、その必要性があるからです。発達障害でない人に、配慮されるためには他に方法がないのです。理解と配慮は必要なことです。
診断をされたことで、自分でもコントロールができなかったことで、これまでに人からいろいろ言われてきたことから、私は解放されました。
私は自分の考え方は馬鹿だとか、変わっている、そんなふうに思うのはおかしい、と言われてきました。
私を愛してくれた人たちもでも、少し私とは距離を置いていました。
発達障害と診断されたことで、自分を冷静にみることができるようになりました。
ネットでこのことを話すと、同様に時が経ってから発達障害と診断された人からはあたたかい反応があり、これまでに経験したことがない一体感を感じました。
私は8年間、ネットで障害者の権利向上のキャンペーンを行っています。
そして発達障害の診断がされてからは、発達障害という烙印とわかりづらい障害のことを伝えました。
多くの人から勇気があると言われました。
しかし、勇気なんかではありません。私の目の瞳の色はブルーです。と言っているのと変わりません。
女性や女の子は発達障害のはずがないとよく言われます。
というのも、アイコンタクトも、話すことも、同情することもできるからです。暴れたりもしません。
これによって、女性が発達障害と診断されにくいのです。
ローナ・ウィングとジュディス・ゴールドの二人の研究により、「発達障害」が明らかになってきました。
しかし、生まれた世代、場所、健康具合、住んでいる所、人種、道徳観、そして性別。それらの違いについては全く考慮がなされていませんでした。
また、診断される側のその時の経済状況などによっても、診断に差が現れるようなものでした。
例えば、子どもをもっている女性の場合には、人間関係もあり、化粧や音楽、ファッションなどに興味があり、私の場合にはそこでコメディも入りますが、そうなると、発達障害とは診断するのは難しい。最悪は、発達障害では全くない。と診断されていまいます。
女性は他人にあわせて振る舞います。それは、女性としての機能なのです。
しかし、発達障害の女性は、他人にあわせることが難しいのです。
現状、発達障害は男性のもののように見えます。
女性の発達障害を知ってもらうことは始まったばかりです。
(出典・画像:英the guardian
 
女性の発達障害はこれまで見過ごされてしまうことがあった。ことを示唆する、発達障害の診断において性差があることはこちらでも述べられていました。
自閉症の女の子と男の子

(チャーリー)


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