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自閉症の人はモノを示すようなジェスチャーは多く使う。研究

time 2023/12/12

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

自閉症の人はモノを示すようなジェスチャーは多く使う。研究

“Psychological Bulletin”に掲載された新しい研究、“Comparing Gesture Frequency Between Autistic and Neurotypical Individuals: A Systematic Review and Meta-Analysis“(自閉症と神経典型者のジェスチャー頻度の比較:系統的レビューとメタ分析)で、豪マッコーリー大学と豪グリフィス大学の科学者チームは、自閉症を持つ人は、一般的な定型発達の同年代の人々に比べて、指差しや象徴的なジェスチャーを使うのは少ない傾向にあることを確認しました。

しかし、具体的な物を表すアイコニックジェスチャーの違いはあまり顕著ではありませんでした。

この包括的なレビューは、自閉症スペクトラム内の複雑さと多様性を強調し、研究と実践の両方でより繊細なアプローチへの道を拓くものです。

「自閉症の診断基準は複数ありますが、ジェスチャーの使用頻度の低下はスクリーニングの一部としてしばしば使用されます」

そう、ニコラ・マッカーン、ニコール・ダーグ、ナオミ・スウェラーの著者は共同声明で述べています。

「しかし、自閉症に人と定型発達の人について、ジェスチャーの使用に関する研究結果は一貫していません。
そこで、自閉症の人が本当に定型発達の人よりもジェスチャーを少なく使用しているかどうかを明確にすることに興味を持ちました。
そこで、これまでに行われた31の異なる研究からの調査結果を統合した体系的なレビューとメタ分析を行うことにしました」

メタ分析は、複数の研究からのデータを組み合わせてより広範な結論を導く統計技術です。
今回、研究者たちは2003年から2022年にかけて出版された関連する研究を探し出すために、数多くのデータベースを綿密に調査しました。
彼らは自閉症の標準診断基準を使用し、定型発達の比較グループを含む研究を探しました。

それらは、ジェスチャーの頻度を明確に測定する研究であることが必要です。
基本的には、参加者がコミュニケーションでどの程度ジェスチャーを使用するかです。

最終分析には、合計1561人の参加者のデータが含まれていました。
この参加者グループは、自閉症と診断された701人と自閉症でない860人(定型発達の人)で構成されています。

研究は12カ国で実施され、主にアメリカ合衆国と中国で行われていました。
最も多く代表された年齢層は幼児期です。その後に中児期と成人期が続きます。

研究の結果は、一部の長年にわたる信念を確認すると同時に、他のものに挑戦するものとなりました。

一つの重要な発見は、自閉症を持つ人は一般的に定型発達の人に比べてジェスチャーを少なく使用するということでした。

しかし、研究は具体的な物体、行動、またはイベントを描写するアイコニックジェスチャーに関して興味深いニュアンスを浮き彫りにしました。
予想に反して、自閉症の人と定型発達の人生で、これらのジェスチャーの使用は同様の割合でした。

「自閉症の人は、定型発達の人に比べて、ある種のジェスチャーをする頻度が低い傾向がある一方で、他の種類のジェスチャーは定型発達の人と同程度かそれ以上の頻度ですることがわかりました。

指示的ジェスチャーは、人や物の位置や方向を示すために使用される指差しのジェスチャーです。
象徴的ジェスチャーは、例えばOKを示すための親指を立てるなど、言葉なしで自体に意味を伝えます。
アイコニックジェスチャーは、ボールを示すために互いに向かってカップ状に手を上げるなど、具体的な物体や行動を描写するものです」

「私たちは、自閉症を持つ人が指示的および象徴的なジェスチャーは少なく使用するものの、アイコニックジェスチャーは同様の数を使用し、いくつかの研究では自閉症を持つ人が定型発達の人よりも多く、または少なくアイコニックジェスチャーを使用することが示されています。

自閉症の人がジェスチャーを使用する程度には大きな変動があります。

そのため、誰かがジェスチャーを使用しているからといって必ずしも自閉症ではないということを覚えておくことが重要です。

自閉症の人は、ジェスチャーを使用するのは少ない。
その一般的な信念には例外があるのです」

研究のもう一つの重要な側面は、これらのジェスチャーの頻度の違いに影響を与えるいくつかの要因を特定したことでした。

これには、個人の年齢、ジェスチャーが観察された環境(構造化されたタスクやより自然な設定など)、ジェスチャーをする人にとって観察者が馴染みのあるかないかも含まれます。

この研究によると、さまざまな要因によって、結果が異なったことは重要だと、マッケルン、ダーグ、スウェラーは述べています。

「例えば、個人の年齢や、ジェスチャーを観察している人との馴染み度、そしてどれだけ多くの言葉を発するかによって異なりました。
自閉症の人と定型発達の人のジェスチャーの違いに、それらがどの程度影響を与えるか、より詳細に調査するために、さらなる研究が必要です」

この研究は、将来の研究にいくつかの道を開いています。

一つの重要な領域は、自閉症を持つ青少年や大人を含む、異なる文脈や人生の段階でのジェスチャーの使用についての探求です。
これらの人々は、既存の研究で代表されていないことが多くなっています。
さらに、自閉症におけるジェスチャーの使用に性別や共存する条件がどのように影響するかを理解する必要があります。
これらの領域はまだ十分に探究されていません。

さらに、将来の研究では、認知能力や自閉症特性を「隠す」またはカモフラージュする傾向など、個々の違いがジェスチャーの使用にどのように影響するかをより深く探ることができるはずです。

この理解は、さまざまな社会的文脈で自閉症の個人をより良く支援するための、より適切なコミュニケーション戦略や介入を開発する上で非常に重要です。

「ジェスチャーは、幼児期から社会的コミュニケーションに非常に重要です」

そう、研究者たちは付け加えています。

「自閉症の人々はジェスチャーを少なくすると考えられているため、自閉症の診断基準は、評価中に個人がジェスチャーを少なくすると、自閉症と診断される可能性が高くなるように重み付けされています。
診断を行う医師は、例外があること、自閉症の個人がジェスチャーの減少を示さない可能性があることを認識することが非常に重要です」

(出典:米PsyPost)(画像:たーとるうぃず)

うちの子はまったく話すことができませんが、ジェスチャーもありません。

ただ、最近は私が注意を引こうと何度か声がけすると、聞いているよ、わかっているよ、という感じで、私をつっつくようなジェスチャーをします。

小さな頃はそんなこともなかったので、うれしく思っています。

自閉症の子どもには、ジェスチャーは見えていないのかも。研究

(チャーリー)


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