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自閉症の子たちがアイコンタクトができるよう練習を助けるメガネ

time 2020/09/06

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子たちがアイコンタクトができるよう練習を助けるメガネ

発達障害である自閉症と診断された子どもたちは、アイコンタクトをするのが困難なことがよくあります。
それは、充実した社会的関係を作り、維持することの妨げとなる可能性があります。
また、アイコンタクトや指差しなどの社会的なコミュニケーションのジェスチャーは、言語発達の基礎となることが研究で明らかになっています。

米ブリガムヤング大学のエンジニアリング・キャップストーン・チームとそのスポンサーは、その困難に役立つメガネを開発しました。

自閉症と診断された子供たちは、不必要なストレスや不快感の原因となるアイコンタクトを強制されるべきではありません。
しかし、アイコンタクトができるようにすることで、子どもたちの注意力の向上にもつながることがあります。

このメガネのアイデアは、自閉症の息子をもち、この研究開発のスポンサーとなったハイディ・カーショウの発案です。
カーショウは、彼女の息子が同時にテレビのミッキーマウスのショーに夢中になっているときに、療育をすることが難しく苦労したことを憶えています。

「メガネにミッキーマウスのショーを写すことができれば、人の目を見る練習がしやすくなるはずだと思いました」

カーショウは世界中の開発ができそうな会社に連絡を取りましたが、どの会社も同じく難しいという返事でした。

カーショウは友人の紹介でブリガムヤング大学とつながりました。
そして、3人の機械工学の学生と3人の電気工学の学生からなるチームが協力して作業を始めました。
数週間で、チームは2つのプロトタイプを開発しました。

2つの液晶画面と2つのテレプロンプターガラス、スピーカーを利用したものです。

メガネはコントロールボックスと接続していて、映すアニメーションの透明度がコントロールできるようになっています。
透明度が高ければ、子どもには相手の目が見えます。
透明度が低くなると、子どもにはアニメーションしか見えません。
透明度を徐々に上げていくことで、アニメから人の目へと切り替わっていくことで、アイコンタクトができるように練習ができます。

「初めから、このメガネが自閉症の子どもたちとその家族の生活に与える影響の重要性、人生までも変えるインパクトがあることを感じていました。

私たちは皆、このアイデアを現実にする機会を得たことにとても感謝しています。
私たちの願いは、自閉症の子どもたちの療育の現場で、このメガネが肯定的な経験を作り、素晴らしい子どもたちが成長し続けるのに役立ってくれることです」

学生の開発チームはまた、軽量で通常のメガネにもっと近くするために、有機ELスクリーンを使用するというアイデアも検討しましたが、有機ELスクリーンではアニメーションの解像度が低く単色に制限され、完全な不透明度では全く人の目が見えなくなる可能性がありました。
将来的には、技術が向上すれば有機ELスクリーンの利用を考えています。

カーショウは、この製品は世界中の医師や地域社会が、自閉症の子どもたちのニーズを理解することにもつながると考えています。

「私は、人とつながりたくても方法がわからない子どもたちのニーズに応えるだけでなく、子どもとつながりたいと思っている親のニーズにも応えたいと考えています。
親たちも必死に求めていることなのです」

米ロサンゼルスのエンターテインメント産業財団の業務担当SVPであり、芸術教育を支援する非営利団体の元会長であるカーショウは、この製品を療育の現場や自閉症の子どもの親が利用しやすいようにデザインを洗練させ、大量生産することを計画しています。

「私は、世界が自閉症の子ども、自閉症の大人の一人一人がもっている可能性を見つけられるように支援したいのです。
自閉症の人たちは驚異的な人たちです。
彼らは他の人とつながりたいと思っていますが、彼らはその方法を学ぶことがこれまで難しかっただけなのです」

(出典・画像:米ブリガムヤング大学

そこまでアイコンタクトができることにこだわるのかと思ったりしますが、それは日本人の私だからなのでしょう。

うちの子も私の目を見てくれたりすると、やはり、より通じあえてる気持ちにはなりますからね。

保険適用に向け進められている米スタンフォード大の自閉症グラス

(チャーリー)


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