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私の言うことは理解している。その自閉症の子への思い込みが良い

time 2020/12/20

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

私の言うことは理解している。その自閉症の子への思い込みが良い

米カリフォルニア大学サンタクルーズ校と米バージニア大学の研究チームは、社会的なつながりに関連する概念に、根本的な再定義を迫る、数年間に渡る研究を行いました。

研究チームは、自閉症の子とその親が強い絆を形成する方法を明らかにしようと、言葉を話さない自閉症の子の母親13人に詳細な聞き取り調査を行いました。

発達障害である自閉症の特徴の一つは、社会的関心の伝統的な指標となる行動、例えば、アイコンタクトをする、自分の名前に反応する、または誰かが指さしたところを見るなどの行動に従事する可能性が低いということです。
また、自閉症の人の中には、口頭でのコミュニケーションができない人もいます。

これらの要因はすべて、社会的なつながりを形成する上での課題となります。
しかし、だからといって自閉症の人々が人間関係に興味がないということではありません。

実際、自閉症の人からの聞き取りをした先行研究では、自閉症の人の多くが社会的なつながりを強く望んでいることが実証されています。
そして、それは親にとっても同様に重要です。
社会的につながっているように見えない子どもを持つことは、子育てのストレスのレベルが高くなることと関連しします。

研究チームは、この研究で自閉症の影響を受けた家族の関係を強化するのに役立つかもしれない行動や信念体系を深く調べました。
研究結果は現在、オンラインジャーナルPLoS ONEに掲載されています。

研究チームは学際的なアプローチにより、心理学的、倫理的、文化的な文脈を取り入れた多面的なレンズを通して、自閉症と人とのつながりをめぐる大きな疑問に取り組みました。
そして、自閉症に対する否定的な捉え方に挑戦したいと考えていました。

「何十年もの間、自閉症に関する支配的な視点は、自閉症の人の経験と能力を、『普通の人』に比べて欠けている状態だと考えてきました」

そう、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校の哲学のジャネット・ディニシャク准教授は言います。

「そういう考え方は非人間的だと思います。
しかし、何か欠けていると考えるのであれば、それは人間についての理解のヒントにもなるかもしれません」

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の心理学、ナメラ・アクタール教授は、自閉症に対する否定的な考えに対して行うべきは、今回の研究で行ったように「きちんと人を見る」ことだと言います。

今回の研究で明らかになった主な傾向の一つは、母親たちは言葉を話さない自閉症の子どもでも豊かな人格を育み、子どもの行動を理解するための重要な目をもっているということでした。

そして、母親たちはアイコンタクト、発話、身体的接触のような伝統的な行動を行う頻度が少ないからこそ、それがあったときにはより大きな意味を感じていました。
また、母親たちは経験の共有、身体的な近さ、子どものニーズを満たすための特別なケアの提供など他の方法でつながりをより身近に感じていました。

「自分の子どもは自分とつながりたいと思っている」

こうした母親の信念は、関係を構築するための子どもの行動の支援につながっていました。

この研究に参加した母親たちによれば、自閉症の子どもの問題行動は、衝動制御や自己調節の難しさ、不安、痛み、過剰な刺激など、人間関係以外の要因に起因するものとして考えられることが多くありました。

「私たちの研究からの重要なメッセージの一つは、誰かとのつながりを感じる能力は、行動そのものではなく、その行動に対する解釈に依存しているということです」

そう、今回の研究の主筆であるビクラム・ジャスワルは言います。

研究に参加した母親たちからはまた、子どもたちの側の能力を仮定することの重要性がわかります。
例えば、母親たちは自分の子どもは自分の言ったことを理解していると思い込んでいました。

このような思い込みは、親が子どものその後の行動を意味のあるものと認識するのに役立つもので、子どもの発達に重要な意味を持つ可能性があります。

先行研究では、親が気づかなかったり、接続を確立しようとする行動に反応しなかったりすると、子どもの社会的能力の発達が妨げられる可能性がわかっています。
一方で、親が積極的に反応すれば、人とのつながりを築く努力を促すことになると考えられます。

母親はこれまでのやり方を変える必要はなく、これまでどおりの方法で子どもとの強い関係を構築することができ、自閉症の子を受け入れることがいかに重要なのかを、研究結果は伝えています。
また研究チームは、この自閉症の子どもへの母親の考え方は、他の家族と子どもを強く結びつけるのにも役立っていることが考えられると述べています。

(出典:米カリフォルニア大学サンタクルーズ校)(画像:Unsplash

コミュニケーションは双方向で、発する、受ける、ことで可能となります。

受けることを諦めたら、発することもなくなります。

当たり前に思うことですが、こうして研究され整理されて伝えられることは、力強く思います。

私も、うちの子は私の言うことがある程度わかると思っていますし、話すことができなくてもコミュニケーションできていると思っています。

自閉症のコミュニケーションの困難原因、失感情症と二重共感問題

(チャーリー)


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