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自閉症の人は体の内に対する感覚が思春期を過ぎると低下。研究

time 2021/07/22

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自閉症の人は体の内に対する感覚が思春期を過ぎると低下。研究

インテロセプション(内受容感覚)とは、心拍や呼吸パターンなど、自分の体の内部から発信される信号を処理・統合する能力のことです。

この能力は、日常生活において私たちが最適に過ごすために、生理的平衡を維持するために重要なものです。

そのインテロセプションも含めた広範囲の感覚障害が、自閉症スペクトラム障害と関連して、存在することがこれまでの研究で示唆されてきましたが、まだ明らかにはなっていません。
また、年齢において、これら知覚の能力と自閉症特性との関連性がどのように変化するのかも明らかになっていません。

今回、中国科学院心理学研究所のレイモンド・チャン博士らのチームが、年齢ごとにインテロセプションと自閉症の特性との研究を、視線追跡技術なども用い行いました。

この研究では、跳ねている2つの図形を提示し、リアルタイムに心拍と視線について測定しました。

これは、言葉による報告やキー操作を必要としないため、就学前の子どもや、精神疾患や言語障害のある人の知覚間精度を調べることができます。

この測定結果、自閉症の特徴は感情を記述・表現する能力(アレキシサイミア)とは有意に相関していました。

しかし、インテロセプションのさまざまな次元、行動テストから測定できるパフォーマンス、自己報告による感度、インテロせプションに対する自らの理解、などとは相関していませんでした。

さらに、4歳から6歳の就学前児童52名、12歳から16歳の青年50名、23歳から54歳の成人50名を対象に、3つの年齢層における自閉症特性とインテロセプションの関係を調べました。

その結果、インテロセプションの正確さは、小児期から成人期前半にかけて進化し、その後、年齢とともに低下することがわかりました。
12歳から16歳の思春期の若者が最も正確に把握していることがわかりました。

今回、新たに開発した口頭での報告やキー操作を必要としない測定方法に基づいた、チャン博士の研究結果では発達に問題が見られない就学前の子ども、青年、成人の間ではインターセプションの正確さが大きく異なることを示唆しました。
また、自閉症スペクトラムが疑われる就学前の子どもたちに関する今後の研究の必要性も明らかにしました。

(出典:米Medical Xpress)(画像:Pixabay

これまで、自閉症の人は、自分の体の内について感じるインテロセプション(内受容感覚)にも問題をかかえるのではないかと考えられてきました。

しかし、今回の研究では自閉症に伴う症状の程度とインテロセプションの程度には関係が見られないということもわかりました。

適切な支援が行われるよう、よりよく正しく知る、こうした研究が求められます。

非言語、重度の知的障害者の考えをくみ取る研究プロジェクト

(チャーリー)


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