自閉症スペクトラム障害（ASD）の子どもと大人の声帯模写の障害に関わる、音声と歌の音程と音程を一致させる能力についての新しい研究です。
研究結果は、自閉症スペクトラム（ASD）の人が、音程を模倣する際に２つの異なるカテゴリーにおいて、まったく異なる能力を発揮していることを示しました。
この発見は、他者との交流や社会的なつながりを築くことが難しいなど、自閉症に関連する課題を考える上で、幅広い意味を持ちます。
この研究を英レディング大学心理学・臨床言語科学のファン・リウ准教授と共同して行った、米バッファロー大学芸術科学部心理学のピーター・フォードレシャー教授はこう述べています。
「この研究は、自閉症について他の課題から導き出したい結論が、私たちが考えているほど広く一般化できない可能性があることを示しています」
研究チームは、自閉症の子どもと大人は、音声と音楽の両方の領域で、絶対音感よりも相対音感を模倣して保持することが得意であることを発見しました。
この２つの違いは、童謡 「メリーさんのひつじ」のメロディーを例に説明されています。
絶対音感とは、歌の各音節に対応する特定の音のことです。
「メリーさんのひつじ」を歌うときの７つの音を考えてみてください。
絶対音感とは、それぞれの音を正確に歌えること、つまり曲を聴いた後に音を合わせることです。
この定義は、音楽家が言う「絶対音感」や「完全音感」とは異なり、すぐに参照できなくても音を識別して歌うことができる能力を意味します。
一方、相対音感とは、ある音から次の音への音程の変化、つまり「メリー」の第１音節の音程と第２音節の音程を分ける間隔のことです。
「行動模倣などの先行研究では、自閉症の人は他人の行動の最終目標を再現することはできても、その行動の正確な形を再現することはできないことが示唆されています。
そこで、非定型的な模倣が見られるのです」
そう、リン准教授は言います。
例えば、自閉症の人がコップに手を伸ばす動作を模倣するように指示された場合、手を伸ばす動作における腕の軌跡を正確に模倣しようとせずに、ただコップを手に取るだけかもしれません。
「声帯模写に関する研究でも、同様のことが示唆されています。
自閉症の人は、正確な形（絶対音感）よりも、曲の構造（相対音感）を真似ることに優れていました」
このことは、音楽を広い文化的な意味で考えるときに重要な意味を持ちます。
音楽と言語の関係の専門家であるフォードレシャー教授は、音楽による集団的な相互作用の重要性、特に社会的な結びつきを促進する能力を示す証拠が増えていると言います。
「自閉症の人は、人と社会的なつながりを持つのが難しいと言われています。
一般に、音楽では相対音感がより重要であると考えられています。
しかし、誰かと一緒に歌う場合には絶対音感が重要であり、ユニゾンで歌うことは社会的なつながりを作るために重要です。
そのため、自閉症の人が音楽的な相互作用を育み、他者との絆や人間関係の形成を促進できるようにするために、このような模倣の形態に注目するとよいはずです」
うちの子も音楽は大好きです。
歌うことはできませんが、うれしそうに声を出したりしています。
音楽に良い力があることは言うまでもありません。
効果的に利用できると良いですね。
（チャーリー）
