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自閉症の人たちの遺伝子が人類に貢献。神経多様性を受け入れよう

time 2021/09/26

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

自閉症の人たちの遺伝子が人類に貢献。神経多様性を受け入れよう
  • 自閉症と発明には関係があるのでしょうか?
  • 自閉症とパターンを見出す能力との関連性は、遺伝的なものなのでしょうか?
  • 自閉症の成人の社会における扱いは、どのようになっているのでしょうか?

人類の祖先が簡単な石器を使っていたことは明らかになっています。
例えば、200万年前に生きていたホモ・ハビリスやホモ・エレクトスは、石斧やハンマーを使っていました。
また、4万年前に生きていたネアンデルタール人も同様です。
しかし、道具のデザインは少しずつ変化しましたが何百万年もの間、一度きりの発明にとどまり、発明を発展させていくようにはなりませんでした。

現在、人間以外の生物を見てみると、多くの動物が簡単な石器を使うことができます。
例えば、チンパンジーは石をハンマーのように使って木の実を割ることができますし、カラスは石を落として水位を上げ、ミミズを捕まえることができます。
他の動物の行動も、私たちヒト科の祖先の行動も、連想学習、つまりAとBという2つのアイテムの間に関連性を形成することの結果として、解析的に説明することができますが、しかし発明をさらに発展させていくような兆候はほとんどありません。

しかし、7万年前から10万年前にホモ・サピエンスが登場すると、発明の割合が急に増え、それ以来、発明が発展していきました。
突然、一度だけの発明ではなく、ノンストップで発明を発展させていく能力が見られるようになったのです。

人間の脳に認知革命が起きたといえます。
その認知革命とは何でしょうか。

人間の脳に、「共感回路」と「システム化回路」という2つの新しい回路ができました。

「システム化回路」は、私が「if-and-thenパターン」と呼ぶ、自分の周りの世界から特別なパターンを見つけることを可能にしました。

これは、システムの基本となるものです。
何かを手に入れて、それに何かをすれば、結果が得られる。
システム化回路によって、世界を分析してそのようなパターンを見つけ、それが正しいかどうかを確認することができました。

そのために、何度も何度も観察を繰り返します。
確認できたら、今度は「if」や「and」を使ってメカニズムを変化させてみます。
その結果、新しいパターンが生まれれば、それは発明となります。

現代人の脳にある「システム化回路」が生まれたと推測できるのは、7万5千年前にまでさかのぼります。
その時代に、初めて宝石が生まれたからです。
貝殻に穴を開けて、その穴に紐を通すことで、貝殻がネックレスになります。

また、7万1千年前には、最初の弓矢が登場しています。
これも同じ「if-and-then」のアルゴリズムです。
糸を矢を取り付けて、糸の張力を解放すれば、矢は飛んでいく。

また、4万年前には中空の骨で作られたフルート、最古の楽器が生まれました。
中空の骨を吹いて1つの穴を塞ぐと、特定の音が出ます。
しかし、中空の骨を吹いて2つの穴を塞ぐと、別の音が出る。
私たちの祖先は、楽器という新しい複雑な道具と、音楽と呼ばれる音のシステムを発明しました。

4万年前頃には最初の洞窟画が見られ、2万5千年前には彫刻が見られるようになりました。
1万2千年前には農業が発明されています。
トマトの種を湿った土に植えれば、トマトの苗ができます。
農業の発明は、私たちの食生活、健康、そしてライフスタイルを大きく変えました。

最近の例としては、ワクチンの発明があります。
新型コロナウィルスのスパイクタンパク質の遺伝子を無害なウイルスに入れれば、新型コロナウィルスに対するワクチンができあがります。

7万5千年前の最初の宝石に話を戻しましょう。
「システム化回路」は、どうやって宝石を作ったのかを説明します。
一方で、「共感回路」は、なぜ宝石を作ったかを説明します。

私たちが宝石を身につけるのは、誰かが考えたり感じたりすることを想像できるからです。

例えば、自分が美しいと思われたり、地位が高いと思われたりするかもしれないと考えたり、誰かが幸せを感じるかもしれないと考えたりして、宝石を作ってプレゼントしたりします。
共感が進化したことで、騙し合いや参照的なコミュニケーションなど、複雑な社会的相互作用が可能になりました。

さて、大きな疑問に戻ります。
自閉症と発明には関係があるのでしょうか?

数ある逸話によれば、多くの発明家には自閉症の特徴が見られます。
世界初の電球を発明したことで有名なトーマス・エジソンは、休みなく発明を続けました。
10代の頃、彼はモールス信号に夢中になり、自分の子どもにドットとダッシュという名前をつけました。
彼の妻は、彼が昼夜を問わず発明と実験を続けられるよう、彼の作業場にマットレスを置きました。

自閉症の人には、パターン認識やシステム化の才能を持つ人が多いという逸話があります。
現在、視覚的パターンのシステムであるルービックキューブの世界チャンピオンであるマックス・パークも自閉症をかかえています。
しかし、逸話は証拠にはなりません。

私たちは60万人の一般人を対象に、自閉症スペクトラム指数(AQ)を用いて、自閉症の特徴を測定しました。
その結果、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の仕事をしている人は、そうでない人に比べて平均して自閉症的な特徴を持っていることがわかりました。

これは、システムを理解することへの適性と、自閉症的特徴の高さとの間に明確な関連性があることを示しています。
そして、この60万人の、「共感指数」と「システム化指数」も測定しました。

その結果、共感性とシステム化のどちらに傾いているかによって、5つの脳のタイプに分けられることがわかりました。
共感に傾いている人はE型、システム化に傾いている人はS型です。
そして、極端なS型の人はノンストップでシステム化し、あらゆるところにパターンを見出すことができますが、他人の考えや感情を理解するのに苦労します。

女性はE型が多く、男性はS型が多く、自閉症の人の大半はS型か極端なS型であることがわかりました。
自閉症と超システム化の関連性を示す証拠を得ました。

しかし、自閉症とパターンを見出す能力との関連性は、遺伝的なものなのでしょうか?

私たちは個人向けの遺伝子分析企業の23andMe社と協力し研究することができました。
その結果、高いシステム化傾向をもつことに関連する遺伝子変異が、自閉症に関連する遺伝子変異と重なっていることがわかりました。

つまり、自閉症の原因となる遺伝子の中には、パターン認識の才能を引き起こすものもあるということです。

このことから、シリコンバレーのような場所では自閉症が多いのではないかという予測が生まれました。
そこで、私たちは、オランダのアイントホーフェンについて調べました。
アイントホーフェンは、IT関連の仕事が3分の1を占め、MITのようなアイントホーフェン工科大学があり、100年以上前からフィリップス社の工場がある街です。

その結果、アイントホーフェンでは、人口統計学的に一致する他の2つのオランダの都市(ユトレヒトとハーレム)と比較して、自閉症の割合が2倍であることがわかりました。

これは、子どもの自閉症と、両親のパターン探求の才能との間に、遺伝子的なつながりがあることを示しています。
これは、自閉症の遺伝子が人類の発明を促進してきたという証拠です。

それなのに、私たちの社会は自閉症の人たちを今、どのように扱っているのでしょうか?

自閉症の成人の大半は失業中であり、精神的な健康状態も良好ではありません。
これは、サポートの欠如や、教育や仕事から排除された結果であると考えられます。

私たちは、自閉症の人たちの遺伝子が人類の進歩に貢献してきたことに感謝しなければなりません。
また、教育、雇用、社会参加などの人権をいかなる集団からも奪わないようにする道義的責任があります。
今こそ、変革の時です。

イスラエル軍には、何千枚もの航空写真を見て、テロ活動の兆候となる予期せぬパターンを探すという適性を持つ自閉症の成人のみを採用した特別部隊があります。
自閉症の人たちが社会に組み込まれ、その役割を果たしているのです。

今こそ、神経多様性の概念を受け入れるべきです。
脳にはさまざまな種類があり、どれが優れているとか悪いとかではなく、それぞれが違うだけだという考え方です。

(出典・画像:英トリニティ・カレッジ (英ケンブリッジ大学)the Trinity College Cambridge magazine The Fountain

違うから良いのです。

素晴らしい能力を活かし、活躍できるように社会が変わる。

願います。期待します。

それは自閉症の人たちのみならず、人類全体にとってメリットがあります。

発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち

(チャーリー)


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