- 障害を持つ家族を病院でどう支援するのか?
- 知的障害がある人の医療体験にはどのような問題があるのか?
- 医療専門家たちは障害者への対応をどのように改善すべきか?
リンダ・ヒューズは、入院中の息子を一人にすることはありません。
ジェイコブが入院するのはだいたい年に1回で、母親のリンダか他の家族がいつも付き添っています。
「私たちは、ジェイコブがブザーを押したり、呼びかけたりすることができないときに、そこにいるだけで役に立つのです」
ジェイコブは29歳の男性で、発達障害、脳性麻痺、聴覚障害を持ち、車いすを使用しており、話すこともできません。
豪ニューサウスウェールズ州の地方都市で息子の隣に住むヒューズは、他の人と同じように扱われるようにと息子を擁護しなければならない出来事を何度も経験してきたといいます。
ジェイコブが15歳のとき、看護婦から夜中に医者を呼んで診察を受けることを拒否されたことがありました。
「もちろん、私は治療法があることを知っていましたし、最終的には医師を呼ぶことができました」
看護師に対する懸念は、治療を担当する専門医に伝えられ、この問題は病院内部で処理されました。
その信じられない出来事から14年の間は、素晴らしい医師や看護師たちに恵まれてきたといいます。
「しかし、私が恐れているのは、あなたの息子を治療しましょうかと思えるような質問です。
これは、障害のない若者にはしない質問です。
喘息持ちの若者が病院に来ても、そんなことは聞かれません」
豪障害者王立委員会では、オーストラリアの医療制度において、認知障害を持つ人々が組織的に無視されてきたこと、そして今もされ続けていることがすでに明らかにされました。
知的障害者は、障害のない人に比べて最大で27年早く亡くなっています。
回避可能な原因によって亡くなる可能性が少なくとも2倍あるのです。
豪ニューサウスウェールズ大学発達障害神経精神科のジュリアン・トロラーは、
「知的障害者のヘルスケアには、本当にシステム的な問題がある」
と述べています。
調査によれば、知的障害の人たちは肥満、高コレステロール、高血圧、糖尿病など、後に健康を損なう危険因子を高い確率でもっていることがわかりました。
「知的障害者のこれらの症状に対する管理は、一般の人たちよりもかなり低い割合となっていました。
知的障害者は、生涯を通じて、地域社会で優れた予防医療を受けることができず、回避可能な入院をする率が高く、回避可能な原因によって早期に死亡しているのです」
ヒューズは、障害者、特に支援を必要とする人の人生の価値について、医療専門家が無意識のうちに偏見を抱いていることを指摘しました。
「彼らは障害者を見て、彼の生活の質は非常に悪いと思い、そこから思い込みのスパイラルが生じ、それが本当に差別につながるのです。
しかし、ジェイコブの生活の質はとても豊かで、仲間に恵まれ、関わりを持ち、人々を愛し、愛されているのです。
しかし、私は自己主張ができますが、すべての親がそうできるわけではありませんし、すべての障害者に病院に一緒に来てくれる家族がいるわけでもありません」
母親のヒューズは、医療関係者が無意識に決めていることに気づいてほしいと望んでいます。
日本に住む私は、うちの子に対してのお医者さんの対応などに不満をもったことはありません。
ありがたいです。
(チャーリー)