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自閉症の子と家族向けの「運動と食事」の大学提供プログラム

time 2022/07/17

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

自閉症の子と家族向けの「運動と食事」の大学提供プログラム

米デトロイトにあるウェイン州立大学(WSU)の地域密着型の自閉症スペクトラムの子どむ向けプログラムが軌道に乗ろうとしています。

子どもたちに体を動かすよう促す適応策や、より健康的な食品を紹介する栄養カリキュラムを提供するプログラム、PLANE(Physical Literacy and Nutrition Education)です。

WSUの保健体育教育プログラムの助教授兼プログラムコーディネーターであるリア・ケチソン博士が考案しました。
ケチソン博士は、自閉症の生徒に課外健康プログラムの必要性を感じていました。

「自閉症の子どもたち向けのプログラムには、強い興味がありましたが、最も困難なものでもありました。
自閉症の子どもたちは、そうでない子どもたちと比べて、健康面で大きな格差があるからです」

自閉症は、社会的関与、コミュニケーション、行動への影響として一般的に認識されていますが、その他にも様々な形で健康に影響を及ぼします。
米国国立衛生研究所によると、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもは、肥満になるリスクが41.1パーセント高くなっています。
また、胃腸障害、糖尿病、心臓病、アレルギー、喘息、摂食障害などのリスクも高くなっています。

これらのリスクはすべて、運動と健康的な食事で対処することができます。

米ミシガン州自閉症同盟の教育・アウトリーチ担当ディレクターであるヘザー・エクナーはこう言います。

「家族が自閉症の子どもと一緒に、歓迎され、一貫性があり、協力的で、身体を動かす健康的な習慣を身につけるための活動を行うことは、簡単なことではありません」

エクナーには、自閉症スペクトラムの子どもが2人います。
極端な偏食や感覚的な嫌悪感など、栄養に関する課題も自閉症スペクトラムの子どもにとっては重大な問題であると言います。

「5種類の食べ物しか食べない子どももいます。
それは本当に難しいことで、健康に影響を与える可能性があります」

障害を持つ若者に対する運動と身体活動の介入に関する自身の研究に基づいて、ケチソン博士自閉症の子どものための集中的な運動スキルの介入プログラムを考案しました。
2017年に「Jump Up to Play」を立ち上げ、自閉症の子どもたちのために適応した身体活動プログラミングの提供を始めました。
その子どもの身体活動とスポーツに焦点を当てた8週間の夏季集中プログラムが、身体活動と栄養プログラムを組み込んだ2年間の通年PLANEプログラムへと発展しました。

「自閉症スペクトラムの人にとって、行動を変えることは簡単ではありません。
しかし、健康の複数の要素に取り組むことなしに、健康増進を語ることは不可能だと思います。
また、自閉症の症状に対して処方される薬の中には、体重が増加しやすいものがあります。
身体活動や栄養だけでなく、多面的にこれらの健康行動を目標とすることがとくに重要です」

現在、自閉症スペクトラムの子どもたちとその家族は、PLANEの2年間のカリキュラムの中で毎週レッスンを受け、運動と健康的な食品を生活にうまく取り入れる方法を学んでいます。

プログラムは、年齢別に3つのグループに分けられています。
2歳から5歳の「グライダー」、6歳から10歳の「プロペラ」、11歳から15歳の「ボーイング」です。

毎週、新しいレシピとアクティビティが紹介されます。
例えば、2年目の1週目、プロペラの子どもたちはオーバーハンドスローのやり方を学び、スイカのサラダを食べます。

「私たちは、家族一人ひとりに丁寧なケアをしながら、楽しみの要素を取り入れています。
親御さんたちは、自分の子どもが成果を上げることに集中していることに気づきます。
それはとても必要なことです。
親がしっかりとサポートし、愛される環境で、集中できる機会なのです」

PLANEのスタッフには、子どもたちと1対1で働くコーチを指導する、認定行動分析官がいます。
そして、コーチは、WSUの保健体育、運動スポーツ科学専攻の学生です。
学生たちは、卒業要件を満たすために実習が必要であったり、理学療法士、作業療法士、医師助手として就職する際に、より良いサービス提供者になるために学びたいと考えています。

「効果的なプログラムであるためには、対象者が何を必要としているかを明確にすることだと思います。
私たちの対象者、つまり主要なステークホルダーは、自閉症の子どもたちとその親です。
個別のサポートを必要としています。
私たちがそれを提供できるのは、学部と大学院の学位プログラムがあるためです」

現在、PLANEの参加者は、週に1回夕方にWSUの運動施設に集まります。

「様々な背景を持った素晴らしいご家族が集まっています。
共通しているのは、家族単位で健康を向上させたいという願いです。
これらの家族は、子どもの困難に対するニーズを満たすことに重点を置いてきたため、健康は後回しにせざるを得ませんでした」

アマンダ・ペイジと8歳の息子、マーティンは、PLANEに積極的に参加しています。
新型コロナウィルス感染拡大の時期は、バーチャルでPLANEに参加し、毎週のレッスンレシピに登場する食料品を食べていました。
現在では、毎週WSUで開催されるセッションに直接参加しています。
ペイジはこう言います。

「一般的なスポーツプログラムでは対応できません。
例えばボールを投げるときに、その運動を細かく分解し理解できることは、とても大きなことなのです。
息子は、自分の体がどのように動くのか、また、すべてを筋肉で処理するのではなく、どのように物事を考えるべきかをよりよく理解できます。
そして、それはより社交的になることにも役立っています」

子どもたちがPLANEでの活動に取り組んでいる間、親は別室でコーチが指導するフィットネスセッションに参加するよう招待されています。
ペイジは、息子と一緒に自分も健康や体力が向上していると指摘します。

「他の親と一緒にいることが、私の助けになります。
というのも、同情的な視線を浴びたり、(自閉症スペクトラムの子どもを育てる)内面と外面を理解できない友人がいたりするからです。
私たちは、ジムでみんなと一緒にスポーツをすることをとても楽しんでいます。
そのおかげで、プログラムの外でも活動的になりました。
自転車やカヤックを始めました。外に出て、もっと体を動かすようになりました」

息子のマーティンにとっても、PLANEはボールの投げ方やゴールの守り方を学ぶ以上に意味があるものです。
マーティンには友だちができました。
そして、PLANEのセッションで提供される健康的な食品を試すことをがんばっています」

「ジムでのセッションの終わりには、健康的な料理とそのレシピが渡されます。
息子のマーティンは、そのときに食べることができなくても、家に帰ってくるとその料理を作りたがります。
そのおかげで、より多くの食品を食べてみるようになりました。
安心できる状況になったからこそ、新しい食べ物に挑戦できるようになったのです。
このプログラムがどれだけ、息子にとって良いものか、的確に伝えられないほどです」

(出典・画像:米FLINT SIDE

うちの子も体重増加傾向が続き、私も減らしたい。

食事も提案されて、うちで作れる。

素晴らしいプログラムですね。

(チャーリー)


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