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発達障害の特性で私は画家に。ついに家族もでき父親にもなった

time 2023/01/05

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の特性で私は画家に。ついに家族もでき父親にもなった

2歳のときに、デビッド・ダウンズは絵を描き始めました。
話せるようになったのは、その数年後でした。
そして自閉症と診断されるまでにはさらに30年経ったあとでした。

「私はコミュニケーションをとる前に、絵を描くことができたのです。
今思えば当たり前のことですが、当時はまだそれほど認知されていませんでした」

そう、画家となった51歳のデビッドは言います。
デビッドは、写真のような記憶力をもっています。
これは、発達障害のおかげだとデビッドはいいます。
訪れた場所を細部まで鮮明に思い出し、それをもとに絵を描くことができます。

「私は幸運なことに、このような視覚的な能力と、物事に対する執着心を持ち合わせているのです。
子どもの頃、教会や木々、鳥の群れ、道路の交差点などを描き始めたのは、それらに魅了されたからです」

しかし、自閉症の特性はデビッドの人生の課題ともなりました。

デビッドはいつも、友人たちと違うと感じていました。
高校ではいじめにあい、絵日記を書くことで癒されました。
しかし、担任の教師は描いた絵をデビッドのものだとは信じることがありませんでした。
デビッドの芸術的才能は認められませんでした。

そんな彼に美術学校への進学を勧めたのは、最近亡くなった母親でした。
しかし、受験勉強が苦手で、情報を記憶するのが苦手だった彼は、地元で最も優秀とされるアートスクールに入学するための成績はとれず、別のアートスクールに入学しました。

「私の作品は、本当に当たり外れが大きいんです。
模写がとても苦手でした。
目の前にあるものを描くより、頭の中にあるものを描く方がずっと簡単だったんです」

デビッドはその後、英アングリア・ラスキン大学でイラストレーションを学び、さらに英ブライトン大学の大学院を卒業しました。

「社会的には、私はまだ友人を作るのに苦労していました。
美術学校では、みんな人と違うことをしたいんです。
でも、私はあまりにも変わっていて、まわりに迷惑をかけました。
私はいつも少し浮いていたんです。
ガールフレンドをつくるのにも必死でしたが、一向にできませんでした」

デビッドはそのとき、まだ自閉症の診断はうけていませんでした。
しかし、自分は自閉症だと感じていました。

デビッドは自分の苦悩をビジュアルな自伝として記録することに決め、それをもとにロンドンの名門ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに入学し卒業後、デイヴィッドはイラストレーターかファインアーティストか、どちらの道に進むべきか迷いました。

「ロイヤル・カレッジを卒業すると、自分が成功すると思い込んでしまうんです。
自分はどちらかというとファインアーティストだと感じていましたが、イラストレーション的な仕事をすることが多かったですね」

32歳のとき、デビッドは自閉症と診断されました。
カウンセラーに相談し、アートショップでアルバイトをするようになりました。

「経営に苦しみました。
芸術で生計を立てるために、何らかの理解が必要だったのです」

デビッドの仕事は再び順調になり、2012年にはザ・サヴォイ・ホテルからテムズ・ダイヤモンド・ジュビリー・ページェントを描いた作品の制作を依頼され、この世界的に有名なホテルのエントランスに飾られています。

デビッドは英自閉症協会に関わり、副会長に就任もしました。
定期的にチャリティーのための募金活動で講演したり、ライブペインティングを行ったりしました。
しかし、その一方で、人間関係に悩むようになりました。
インターネットでの出会いにかけていましたが、相手は見つからず、父親になる夢も絶たれたように感じていました。

40代前半の頃、催眠療法を受けました。

「私は催眠術を受けました。

『デビッド、君は本当に素晴らしいアーティストだ、君はユニークで、他とは違う。あなたの問題を理解してくれる人に出会えるよ』

ってね」

デビッドはその後、ロンドンのパブで、現在のパートナーのレイチェルに出会いました。
そして、2人で3年間米カリフォルニアで暮らし、その間にさまざまなタイプの仕事をするようになりました。

「ロンドンでは有名になりましたが、
カリフォルニアでは、アーティストとしてほぼ再出発しなければなりません。
それは挑戦でしたが、私のコンフォートゾーンを押し広げるものでした」

そして、レイチェルは娘のタリアを妊娠し、今は2歳になりました。

新型コロナウィルス感染拡大の間、デビッドはこれを記録しなければならないと感じました。
そして、それがストレスに対処するのに役立ったといいます。
デビッドはより想像的で超現実的な作品を作るようになりました。

「私の最高の作品は、常に自伝的であったり、私たちが生きている時代を描写するものです」

デビッドは最近ギャラリーを開きました。

「自分の作品を展示し、人々と話をする機会を得ることは、素晴らしいことです。
また、アーティストとしてのアイデンティティが確立されたような気がします」

そして、デビッドはこう言います。

「私の母は、亡くなる前にこう言いました。

『あなたが誰かと出会って父親になるなんて思ってもみなかった』

芸術の世界で達成したことはすべて誇りに思っていますが、私にとって家族をもったことは何よりも大切なことです」

(出典・画像:英BBC

もっていた特性、才能を活かし、夢を叶えられました。

その存在は多くの人の希望にもなります。

自閉症の彼女は夢を叶えてメイクアップ・アーティストになった

(チャーリー)


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