発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

自閉症に対する認識。問題や困難よりも強みや才能にまず注目を

time 2023/07/18

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症に対する認識。問題や困難よりも強みや才能にまず注目を

自閉症の子どもについて、一般的には次のように説明されます。

「社会的なコミュニケーションや対話、非言語コミュニケーション、関係の発達や理解など、いくつかの面で持続的に困難を抱えています」

これは、研究論文にもよく見られる説明です。
自閉症については、問題や欠点に注目して定義されています。

しかし、自閉症の子どもたちは介護者や友人との強い絆を築く能力を持っており、身体的な遊びや他の社会的な活動も楽しむことがあります。
また、自閉症の人々は早い時期から読み書きや情報の記憶、細かいことへの注意力などの能力も持っているものの、診断基準ではこれらは評価されません。
自閉症に関連する強みやポジティブな側面は、通常、主な問題点が述べられた後に言及されることが多くなっています。

こうした、「問題」を中心においた自閉症の理解や扱いが与える影響について、もっと考える必要があります。

トレビアン・ショーターズは、「アセットフレーミング」(“asset-framing”:資産のように捉える)という考え方を提唱しました。

これは、困難や問題を軽視するのではなく、むしろその人のポジティブな可能性や目標に焦点を当てることで、私たちの考え方を変えようというものです。
自閉症に関連する困難は、たとえば社会的な適応の難しさなど、物理的な世界を理解する能力の一面です。
同様に、他人との行動の調整が難しいことは、率直で正直な性格の一面です。

問題に焦点を当てることやそれに限定することは、偏見を引き起こし、個人の能力やポジティブな側面を見る力を弱める傾向があります。
私たちは、自分たちの作り出した物語と一致する情報を探し、一致しない情報を無視したり軽視したりする傾向があります。
ネガティブな物語が形成されれば、自動的かつ無意識にその視点を確認するデータを探し出し、それを反証するデータには注意を払わなくなります。

ショーターズは、人種や他の社会的に差別されるグループを定義する物語をアセットフレーミングで再構築しています。
そして、支援を行っている非営利団体がしばしば欠点や問題に基づく言葉で自分たちのミッションを定義していることを懸念しています。
希望や志向性に関するポジティブなメッセージを損なうものになっていると指摘します。

たとえば、非営利団体が「危険にさらされている」若者を助けることを目的にすると宣言しているとしましょう。

しかし、「危険にさらされている」という言葉では、自動的に否定的な結果と関連付けられてしまうのです。

一方で、「もっている能力を発揮できるように」という言葉を使用すれば、楽観的でポジティブな期待に満ちた関連付けを生み出すことができます。

重要なのは、この言葉の変更が問題や困難を軽視したり、支援や援助が必要ないと主張したりするものではないということです。
むしろ、私たちの想像力を広げ、より広範でポジティブな将来を予測することを促すのです。

自閉症の人たちを定義するときには、アセットフレーミングで、彼らの強みと能力を先に挙げるべきです。
そうすれば、私たちの心はポジティブな関連付けに向けられ、また、自閉症の人たちの困難な行動を理解し評価する方法を再構築することになります。

たとえば、自閉症の子どもが普段のルーティンから外れたことに対してパニックを起こしてしまう場合、欠点のモデルではこの行動を「柔軟性のないルーティンへの固執」という自閉症の診断基準を確認する行動として捉えるでしょう。

しかし、自閉症の人々の強みは秩序とルーティンによって成長することであると考えれば、ルーティンの変更を事前に通知することで子どもは幸せになる可能性が高いことが理解できます。
また、自閉症の子どもの視覚処理の強みを活かし、絵のスケジュールを作成することで伝えることを選択するかもしれません。
さらには、自閉症の子供がルールを守ることに優れており、クラスの他の子どもたちにとって良い模範となっていることにも気づけるかもしれません。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

確かにこうした視点、考え方は重要です。

支援を求める場合には正しく困っていること、問題点を伝えなければなりません。

一方で、少なくとも家庭内、子どもとの関係においては、悪いことより、良いことに注目する。大賛成です。

学校でも、職場でもお願いしたいです。

「この部屋にゾウはいないとイメージしてください」

そう言われると、頭の中には部屋の中にいるゾウが現れます。

悪いことを考えるなと言ったときには、悪いことを考えてしまうものです。

なので、最初から良いことを中心に考えるほうが、ますます良く捉えられ、良い面が見えてくるはずです。

ディスレクシアの強み「探求」で人類が繁栄。英ケンブリッジ大

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから

最近の人気記事

福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。