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発達障害の人は人を助けない。そんなことはない。

time 2016/11/05

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の人は人を助けない。そんなことはない。
  • 他の人が困っている時に、発達障害の人も助ける行動をとるのか?
  • 発達障害の人が共感や同情を示すことはあるのか?
  • 共感や同情が人を助ける行動にどの程度影響するのか?

怪我をしているような人が壊れた自転車のそばで座り込んでいるのを見たら、立ち止まって助けますか?
それともそのまま歩いていってしまいますか?
どちらを選ぶかは、同情・共感するかどうかに関わってきます。
小さな研究ですが、興味をそそります。
英ケンブリッジ大学の神経心理学者による新たな研究結果が発表されました。
助ける。と答えるのは当たり前だと思うかもしれません。

しかし、心理学者はその背景となる、
「どうして人は他の人を助けるのか?」
について長い間、論争してきました。

2つの基本的な考え方があるとケンブリッジ大学の研究者は言います。

一つは、そうするのは社会的なルールだから。
いつでも、どこでも、誰でも助けなさいという考えがあるから助けるということ。
私が人を助ければ、よい社会につながっていくという考えや、様々な文化、地域で暮らしていくことを通じて、このルールを受け入れるようになっていくというものです。
もう一つは、他の人を助けるかは、その相手に同情や共感できるかどうかで決定されるというもの。

そして、この2つめの共感理論を検証するために、ケンブリッジ大学の研究者は、現実世界ですこし乱暴な心理学の実験をしてみることにしました。
人が持つ同情や共感の程度と、利他的な相手を助ける、思いやる行動との関係を測ろうとするものです。

これまでの共感について多くの研究は、研究室内で行われたものでした。
今回の実験では、研究者は歩道のそばでこわれた自転車の横に座りました。
顔をしかめて、足首をさすり、怪我をしているふりをしました。
その近くで別の研究者が、立ち止まって助ける人の数を数えます。
さらにまた別の研究者が距離を置いて、隠れています。
その研究者はその自転車事故を見た人全てに対して、助けたか、助けていないかの質問とそこに何があったのかを質問しました。経験したことの記憶を探るためにです。
そして、過ぎてから歩いていた数分の間に見たものについての質問もして、メールアドレスも教えてもらいました。
十分に落ち着いてから、追加で2つの質問をしたいためです。

追加質問は、同情や共感の程度、そして発達障害傾向を探るためのものです。

発達障害傾向を探る質問が含まれているのは、発達障害の人は利他的な、相手を助ける、思いやる行動をあまりしないという研究結果があるためです。
発達障害の特性により、必ずしもそうであるわけではありませんが、助けようとしない。とする研究結果です。

この嘘の自転車事故には、1067名が遭遇しました。
そのうち55名が研究に参加し、18歳から77歳までの男19名、女18名の計37名が追加の質問にも答えてくれました。

立ち止まって助けたのは、この自転車事故に遭遇した人1067名のうち、たった5.6%の60名しかいませんでした。
しかし、興味深いことに、追加質問に答えてくれた人37名のうちでは、29%の人が助けています。

この結果からわかるのは、道で見知らぬ人を助けた人は、知らない人からのアンケート調査にも参加してくれるということだと、ケンブリッジ大学の研究者は言います。
「研究に参加して質問に答えようと思わない理由と、助けない理由は重なります。
主な理由は単純で、その人たちは急いでどこかに行かなければならず、助けたりすることができなかったのです。」
しかし、「助けなかったのは急がなければならなかったから。」
という当たり前のことは、この研究が明らかにしたい、共感と人を助ける行動との関係を示すものではありません。

立ち止まって助けた人は、同情・共感を測る質問では平均して高いスコア56点でした。
一方で、助けずに行ってしまった人共感のスコアは、20点でした。

しかし発達障害傾向を測る質問では、立ち止まって助けた人、助けなかった人に差はありませんでした。
つまり、立ち止まって助けたか、助けなかったかには発達障害は関係がないようです。
この結果をみると、発達障害だから利他的な行動をしないという研究結果は正しくないことを示します。

実際にこの実験の質問スコアで発達障害と疑われていた人が、実際に発達障害と診断されていることが後で判明しました。
そして、その人は立ち止まって、自転車の人を助けた一人です。

この実験での対象者数は少ないものです。
そのため、「他の人が困っている時に、助ける、助けないについての研究の最初の一歩」として捉えてもらうものでしょうと、この研究に関わったケンブリッジ大学発達障害センターのディレクター、サイモン・バーコーヘンは発表しています。
この研究結果では、少なくとも同情や共感が利他的行動につながっていることが示されると述べています。

(出典・画像:米MINNPOST)(画像:pixabay

「発達障害の人は利他的な行動を見せない。」と考えられてきたが、
人が利他的な行動をするかどうかは、同情や共感によるもので、発達障害は関係がない。
という研究結果でした。

一般に、発達障害の人は同情や共感することも苦手とされています。
話をしている時に、相手がじっとして、自分の目を見て、というふうに「行動」していると「共感」してくれていると感じるはずです。

発達障害のうちの子どもも顔を見たり、目を見たり、じっとしているのは苦手です。
話をしたって、聞いているんだかいないんだか、目なんか見ません、じっとしてません。
けれど、通じてる、わかってる感じがないわけではありません。

「行動」を見て「共感」と判断するのであれば、うちの子どもとのそれは共感とは判断されないでしょう。
つまり行動からは、共感していると判断はされないでしょうが、私は共感できていると思う瞬間がたくさんあります。
発達障害についての理解を深める研究は他にもあります。
自閉症の女の子と男の子

(チャーリー)

 


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