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発達障害の息子は母の私よりひよこを選んだ

time 2017/02/06

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発達障害の息子は母の私よりひよこを選んだ

私の息子が幼稚園にいた頃、米ワシントン大学で開かれた「輝く子ども」を迎えるためのクラスに私と夫は参加しました。
私たちは、子どもが発達障害になることを考えて、参加をしていたのですが、このクラスには特別支援の内容はありませんでした。
よい親になるための内容でした。
「子どもが何を言っているのか、よく聴いてください。」
何度も先生は言いました。
このクラスで学んだこと、子どもの言うことを聴くこと、そして鳥を飼うことで、発達障害の息子との関係を私たちは築いていきました。
私は椅子に深く座って言いました。
「息子は言葉を話さないの。とても心配。」
夫も同感だと言いました。
息子のアンドリューから言葉が出てきません。
ときどき、言葉がありますが、コミュニケーションは限られた言葉と手振りのみです。
私は、よい母親になろうとしてきました。
しかし、これが現実でした。
私は不安になり、怖くなりました。
ある日、私は息子が遊んでいるところを見ようと思いました。
すると眩しい光を嫌がり、音楽も嫌がるのがわかりました。
数週間の間、同じクラスにいる他の子どもたちを見ました。
一人はまるでミュージシャンのようです。
手をたたいて、リズムをとっています。
毎日ピアノの練習をしているとその子の親は言います。
別の子は、紙で帽子を作ったり、頭の上にプラスチックの飛行機を持って遊んでいます。
教室内を走り回って、飛んでいるかのように腕を伸ばしています。
その子の祖父はパイロットだそうです。
私の息子はマントを身に着けていました。
息子のアンドリューは家では、私を空想の世界に連れて行ってくれます。
スーパーヒーローたちがいる世界です。
レックスというしゃべる恐竜、ロケットパンチができるテディベア、地球から宇宙へ飛び出せる赤いワゴンが出てきます。
私は、息子の世界に入れることをうれしく思っていました。
私が役に立っていることを感じ、誇りを持てます。
私はマントを身に着けていませんが、私もアンドリューのスーパーヒーローの一員なのです。
ある日、私の夫がスーパーからひよこを買ってきました。
それから、私たちは変わりました。
その日、アンドリューは本当に会話をしたのです。
私とではありませんでしたが。
アンドリューはひよこと会話をしていました。
その後、
「僕の新しい友だち。」と息子は私に言いました。
「僕のことをよくわかってくれるんだ。」
これが、私が初めて理解することができた、息子との会話でした。
ひよこと話をしているときは、息子は夢や希望、そして不安について語っていました。
小さなひよこを、息子はポケットに入れて、どこにでも連れていきました。
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私はとって代わられてしまいました。もう、スーパーヒーローではなくなっていました。
アンドリューは私に、鳥と一緒にいる時に感じる、やすらぎがないと言いました。
最悪です。
私は、息子にあわせた振る舞いができていませんでした。
私が、私の目を見るようにお願いをするのは、とても苦痛なことだったと言います。
私が手をつなごうとするのは、あまりにも近すぎて嫌だったそうです。
私が他の子どもと遊ぶように言っても、それはとても無理だと感じていたそうです。
私がスーパーヒーローでなくなった理由をたずねると、私が息子のことを理解していなかったからだということでした。
しかし、小さなひよこにはそれらが出来ていたのです。
息子が話をすると、ひよこは頭をかしげ、ウィンクをしてくれます。
ひよこは肩に乗り、息子は手に重さを感じることはありません。
ひよこが、ぴよぴよ鳴く声は小さく、心地よい音量です。
ひよこは、息子にとって完璧だったのです。
「君は僕の鳥。君といると安心。」
アンドリューはひよこにそう歌います。そのひよこも、少し理解しているようです。
丸くて黄色い姿が、私の息子を安心させて、心をつかんでいます。
「ひよこが怖がっている。」
とひよこの羽をなでながら、ある日、息子が言いました。
「どういうこと?」
「ひよこが休憩時間を怖がってる。他の子どもは理解していないから。」
これは、息子は世の中に必要な人間なんだと思った瞬間でした。
人それぞれにできることがあります。
息子には、鳥と会話ができる能力があるのだと言いました。
他の子どもを理解し、簡単に一緒に遊べる子どもがいます。
同じように、動物を理解し、簡単に一緒に遊べる子どもがいるのです。
どちらが正しいということはありません。
ただ違うだけです。
息子がひとりぼっちではないことがわかりました。
そして、息子は私に手を伸ばしてくれました。
また、私がスーパーヒーローに戻れたことがわかりました。
「輝く子ども」を迎えるためのクラスが終わって、私と夫は「良い親になるガイド」という冊子をもらいました。
ご褒美をあげるルール、たくさん褒めること、そして、それらを自然に行うためのヒントが書かれていました。
これらは確かに良いことではありました。
しかし、覚えているのはたった一つだけです。
「人は言葉がなくても話せます。
言語は、身振り手振りで伝わるのです。
全部の感覚を使って、聴きましょう。
ハートで子どもの声が聴こえたら、それが本当に聴いたということなのです。」
12年が経ちました。
息子は、あいかわらず、私とよりも鳥と話をしています。
ときどき、鳥との話が聞こえてきます。
そうたびたびではありませんが、私は息子の身振り手振りに注目をして聴きます。
息子のアンドリューの声をもっと聴きたいからです。
マントがなくても、私は本当に息子が大好きだからです。
(出典:ニュージーランドstuff)(画像:Pixabay)
ハートで子どもの声を聴けるようになりたいですね。
私も子どもが大好きなので。
発達障害の子どもの周りを理解し、伝えようと本を出したお父さんもいます。
発達障害の子の周りの世界を本で伝えたい

(チャーリー)

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