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発達障害の人の社会性を育む支援ロボット

time 2017/03/20

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の人の社会性を育む支援ロボット

「こんにちは。私の名前はバンディット。見ての通り、ロボットです。」
ロボットによる介護というと、私たちは力を必要とする肉体的な労働を支援してくれるものだと考えます。
しかし、病気は目に見えるものばかりではありません。
コンピュータサイエンティストのマヤ・マタリクは心理学的な側面から、人間の社会的な活動を助けるロボットの開発を行っています。
バンディットは、コンピュータで制御される胴体とジンジャーブレッドマンのような顔で、人のすぐそばで動いて、パフォーマンスをして心理学的なセラピーを行います。
感情や創造性、協調することにまで効果があるように考えられています。
「ヘイ!もう少し楽しそうに!」
米南カリフォルニア大学のマタリクの研究所の部屋で、バンディットは人に声をかけます。
「真似っ子ゲームをしましょう。あなたのうでを動かしてみてください。そして私を見て。」
人が腕を伸ばしたりすると、バンディットも同じ動きをします。
「面白いですね。ずっとしていましょうか。」
かわいらしい声で、ロボットのバンディットが言います。
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発達障害の人、トラウマをかかえる人、アルツハイマー病の人、そういう人たちのために人とのやりとり、社会的な反応を行うロボットも、介護福祉には必要だと、マタリクは言います。
ロボット技術が進歩し、必要とされる、人を補完する仕事まで行えるようになってきたのです。
心理学と組み合わせることで、必要とする人たちの症状がコントロールできるようになったり、よくなったりする人の力を引き出します。
このロボットの研究については、サイエンス・ロボティクス・ジャーナルに論文が掲載されました。
「近いうちに、ロボットが人間のように、あなたやあなたの知っている人を助けているかもしれません。」
15年前に、マタリクは社会的支援ロボット研究という研究分野を作りました。
この分野の目的は、自ら考え人を助けるロボットを作ること。
最終的には、人が体を動かしたりしてみせなくても、人を助けてくれるロボットを作ることです。
「社会的支援ロボットには、何ができるのか?
いろいろなことができるようになります。
周りの状況を知らせたり、その人がしたことを憶えていたり、日常生活をサポートして、日々よりよく生きていけるようにします。
目に見えない問題を抱えている人には、必要としていることがたくさんあるにも関わらず、多くの人はそれを知りません。」
画面を通じたコミュニケーショでも効果があることはわかっています。
しかし、ロボットのような物理的な存在ほどの効果はありません。
私たち人間の脳は、触れる存在であるほうが、より機能します。
そして、触れる存在とは、必ずしも人でなくてもよいのです。
動物やロボットでも、それはかまいません。
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社会的支援ロボット研究は、やりとりをするロボットを作るだけではありません。人の行動に影響を与えることを目的としています。
それは、患者に運動をすすめるか、薬をすすめるか、セラピーに参加するようにすすめるか、のと同じように異なるものです。
「どうして、アプリでそれをしないのですか?」とよく言われるとマタリクは言います。
「それは、効果がないからです。
私たち、人間の脳は他の物理的な存在、肉体をもつ存在とやり取りをするように出来ています。
それは、ロボットでもかまいません。
どんな格好?どんなふうに動く?
こうした気持ちから始まります。」
機械の前では、介護者に感じる恥じらいなどを感じることはありません。
何かをお願いするときに躊躇することもありません。
ロボットらしいと感じるロボットほど、人を助けるロボットになります。
あまりにリアル、人間に似すぎてしまうと、そうではなくなってしまいます。
人に心地よい存在になるためには、ロボットは、人が行うやりとり、声のトーン、体のうごきをとらえて、早すぎず、遅すぎずに反応することが必要です。
発達障害の人や社会心理学の専門家たちと、研究をすすめて行きたいと考えていいます。
「全てのロボットも、自閉症スペクトラムと考えてもいいかもしれませn。
まわりと適切にやりとりをする方法を知りません。」
これまでの15年間に、マタリクは様々な多くの障害や病気を抱える人たちに研究参加してもらっています。
それぞれの人がかかえている障害や病気に対して、必要なことを知るだけではありませんでした。
人として共通のことを知りました。
きちんと扱われたいという尊厳への欲求、まわりから良い反応をもらいたいという気持ち、年齢、性別、障害に関係なくよくなっていきたいということ。
マタリクは社会的支援ロボットの利用は、市場によって異なると予測しています。
企業が病院の施設に導入しようとしているものは、特別支援の学校の教室やアルツハイマー病の患者の家庭よりも早く普及するはずです。
マタリクは家庭市場が最も時間がかかるものの、最も収益性は高いと考えています。
ロボットが自分の仕事を奪うという話で考える介護者は、状況がわかっていないとマタリクは言います。
社会的支援ロボットは、介護者の過労状況を減らします。
人間の介護者では築けない関係と信頼も提供します。
しかし一方で、人間にしか出来ない、決してロボットにはできないことも変わらずあるのです。

(出典・画像:米INVERSE
人と面と向かうと恥ずかしくなったり、お願いことをしづらいのもよくわかります。
だからこそ、このロボットのように、人間らしくないロボットがよいこともあるんですね。
いろんなロボットがどんどん開発されていくといいと思います。
社会性を育むための操りロボットもあります。
あやつりロボットが発達障害の子を変える

(チャーリー)


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