
この記事が含む Q&A
- スクーパブルとはどんな店ですか?
- 障害のある人を雇用するアイスクリーム店で、店内で手作りしたアイスを製造・提供しています。
- 障害のある人が働く場を作ることで、どんな変化がありましたか?
- 就労機会が少ない人が働くことで出勤や仲間づくりを通じた成長・喜びが生まれ、社会参画が深まっています。
- なぜこの店を開いたのですか?
- 障害のある人の失業率が高い現状を踏まえ、誰もが働ける場を地域に提供するためです(80%近くに達しているという指摘もある)。
地域のアイスクリーム店が、これまで雇用の場から見過ごされがちだった人たちに働く機会を提供することで、大きな変化を生み出しています。
自閉症の青年サイモン・エヴァンスにとって、この「スクーパブル」で働くことは人生を変える体験となりました。
「グルテンフリーのアイスクリームもありますし、ナッツを使わないアイスクリームもあります。
犬用のアイスクリームもあって、私たちのキャバプー犬2匹もとても気に入っているんです」
エヴァンスは、自分の仕事に対する熱意と楽しさをこう話しました。
「だいたいはアイスをすくう係ですけど、レジを担当したり掃除もたくさんします。
何よりも出勤して仲間に会って、人を笑顔にできることが本当に好きなんです」
ただ、ここにたどり着くまでには困難がありました。
自閉症のため、就職活動はなかなかうまくいかなかったのです。
「本当に悔しかったです。ちょっと不安もありました」
店名に込められた「できる(able)」という言葉のとおり、「スクーパブル(Scoopable)」は障害のある人を雇用するアイスクリーム店です。
「アイスクリームはここで手作りしています。
店内で製造し、パッケージして、お客様に提供しているんです」
と語るのは、オーナーのエイミー・ペニントンです。
彼女がラブランドにこの店をオープンしたのは5月のこと。
誰もが働ける場をつくることを目標に掲げていました。
「子どもが3人います。
そのうち2人に障害があります。
長男は自閉症で、末っ子はダウン症です。
彼らには働く機会が圧倒的に少ないと早くから気づきました。
障害のある人の失業率は80%にも達しています。
だから自分の子どもだけでなく、同じ立場にいる人たちのために必要だと思ったのです」
とペニントンは話します。
エヴァンスの母タラ・カー ティも、息子の成長に強い誇りを抱いています。
「アイコンタクトをすること、テーブルに座ること、着替えること、人前に出ること、レストランで膝に顔をうずめずに座ること。
どれも以前はできませんでした。
でも今は全部できるようになりました」
カー ティは、障害のある人にチャンスを与える大切さを強調します。
「障害があるからといって“できない”わけではありません。
“できる”のです。
ただ周りの人が柔軟であればいい。
忍耐強く、チャンスを与えてほしい。
子ども時代に苦労したことも、この世代の多くは身につけています。
だからこそ、チャンスを与えてほしいのです」
この小さなアイスクリーム店は、地域に甘い幸せを届けるだけでなく、未来へつながる可能性を広げる場にもなっているのです。
(出典・画像:米LOCAL12)
もっともっと、こうして熱心に取り組める仕事ができる機会が増えることを願っています。
(チャーリー)