企業は、より多くの人たちに認知されるよう努めるとともに、神経多様性を持つ人たちと協力を深め、彼らの意見や声が十分に反映されるようコミュニケーション方法を改善すべきです。
英国では人口の約１５〜２０パーセントにあたる約１３００万人が、自閉症、ＡＤＨＤ、ＯＣＤ（強迫性障害）、ＤＣＤ（発達協調障害）、ディスレクシア（読み書き障害）、ディスグラフィア（書字障害）、ディスカルキュリア（計算障害）、トゥレット症候群などの神経多様性を持っています。
神経多様性を持つ人たちは、認知機能、感覚処理、社会的コミュニケーションの面で他者と異なる特徴を持ち、彼らの脳の働きは神経典型的な人たちとは異なります。
多くの神経多様性を持つ人たちは、特性が重複していることがあります。
例えば、ＡＤＨＤの子供たちの３０－６５パーセントが自閉症の顕著な特性を持つとされています。
神経多様性を持つ人たちの数は、より精確で包括的な診断基準と、人生の後期に診断を受ける人が増えたことにより、増加しています。
２０２１年に”the Journal of Child Psychology and Psychiatry”で発表された研究によると、過去２０年間で自閉症の診断が７８７パーセント増加しました。
また、”BJPsych Open”に掲載された別の研究では、ＡＤＨＤの薬の処方が８００パーセント増加したことが示されています。
クリエイティブ・イーカルズのデータによれば、広告代理店で働くスタッフの１８パーセントが神経多様性を持っていると報告されています。
英インタラクティブマーケティング協会のテック・インクルージョン＆ダイバーシティ・レポートでは、インタラクティブマーケティング業界では自閉症の人が１６倍も多くいるいることが明らかにされました。
しかし、メディアや広告業界では、神経多様性を持つ人たちの表現はほとんどありません。
主流メディアや公衆、企業のマーケターはしばしば、自閉症やＡＤＨＤなどの神経多様性を持つことを欠点や障害とみなしています。
これは、社会や経済に大きな貢献をしている数百万人の優れた人たちの実態とは対照的です。
これらの人たちは、家族を育て、科学的発見を行い、ビジネスを立ち上げ、技術や芸術を創造しています。
神経多様性を持つことが公に認められている著名人には、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、アンソニー・ホプキンスなどがいます。
また、これらの著名人だけでなく、数百万人の「普通の」人たちも神経多様性を持っています。
ビルクベックの神経多様性研究センターによる最近の研究では、神経多様性を持つ従業員が顕著な能力と職務上の強みを持っていることが報告されています。
雇用主の８０パーセント以上が彼らの超集中力を、７８パーセントが創造性を、７５パーセントが革新的思考を評価しています。
神経多様性を持つ人たちの表現を増やし、社会を神経多様性に優しいものに改善するためには、メディアと企業の積極的な参加が必要です。
マーケティング・ソサエティの理事であるマーク・エヴァンスは、神経多様性を持つ人たちを代表する企業の利点について、可能な限り広い消費者層に訴えること、そして彼らの特有のスーパーパワーを活用することの重要性を指摘しています。
企業が取り組むべき重要な側面は、認知と理解を高めること、共創と協力、そしてマーケティングコミュニケーションの３つです。
これには、採用を包括的にする、合理的な調整を提供する、神経多様性とその認識を促進するなどが含まれます。
また、神経多様性の人たちや支援団体と連携し、神経多様性を持つ人たちの経験を基に製品やマーケティングキャンペーンを共同で創出することも推奨されるでしょう。
神経多様性を持つ人たちの実際のストーリーで、彼らの成果や挑戦、視点を強調することが重要です。
- スーパーマーケットが感覚機器のスポンサーになる
- 食品企業が製品の一貫性を保証する
- テクノロジー企業が、直感的なインターフェースで使いやすくする
など、具体的な例を通じて神経多様性を持つ人たちの生活を支援する方法が企業にはあります。
（出典：英The Media Leader）（画像：たーとるうぃず）
メディアや広告業界には、そうした人たちがたくさんいて、才能を発揮している。
それがより知られるように、ますます才能を発揮していただきたいです。
（チャーリー）
