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ずっと街を見ていた発達障害の少年・戦争難民・支援:母の願い

time 2018/10/12

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ずっと街を見ていた発達障害の少年・戦争難民・支援:母の願い

サマーは小さなバルコニーの手すりをつかんで、毎日そこで時間を過ごしていました。
ずっと最近まで、これがサマーにとって唯一のまわりの世界との接点でした。
サマーの母親、48歳のカトリーナ・ヨーゼフはこう言います。
「眠る時間になるまで、ずっとバルコニーに立っています。
街を歩く人を見て、遊んでいる子どもたちを見て、サマーは叫んで笑います。
それはサマーの遊びです。」
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自閉症スペクトラム障害、社会的なコミュニケーションややりとりに困難をかかえる発達障害がある10歳のサマーは、これまで多くの時間を孤独に過ごしてきました。
故郷であるイラク第二の都市、モスルにいた頃も発達障害の子どもへのサービスが十分でないため、ずっと家の中にいました。
サマーの状態は2011年に細菌性髄膜炎になって悪化しました。
さらに2014年6月に武装集団により占拠されたことにより、ますます厳しい状況になりました。
それは、武装集団が、住民たちを厳しく管理したためです。
2017年7月に9ヶ月間にわたってのイラク軍の攻撃により、モスルは解放されましたが100万人近くの人が家を追われ、街の一部はがれきとなりました。
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混乱と暴力のなかで、母親は発達障害のサマーに適切なケアを行うことはできませんでした。
そのため2015年に家族たちは、すでに親戚が来ているレバノンに安全を求め、難民として到着しました。
レバノンには、シリアから約98万人、イラクから1万5千人以上、100万人以上が難民として来ています。
その中には、11746人の障害をもった子どもたちがいます。
そして、その子どもたちの5000人以上が発達障害です。
レバノンに来ても数年の間、サマーは母親とずっと自宅にいました。
こうして、ずっと街を見ていただけでした。
今年のはじめにNGOのカリタスが運営するレバノンにある難民支援センターを紹介されて、それが変わりました。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の資金援助により、そこでは難民の子どもたちに毎週無料で、カリタスのソーシャルワーカーが、アートのワークショップ、ゲームなどレクリエーション活動を行っています。
「私たちカリタスの目的は、特別支援を必要としている人や日常生活に困っている人たちに役立つことです。
特別支援を必要としている人たちの社会への参加を助けたいと取り組んでいます。」
そう、ソーシャルワーカーのジェシカ・フラムは言います。
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サマーと母親は、毎週火曜日に発達障害でない子どもたちとの活動に参加しています。
最初の頃は、サマーにも、そのほかの子どもにとっても難しいものでした。
「子どもたちは、サマーとどう接していいか、どう遊んでいいかわかりませんでした。
しかし、次第に仲良くなってきて、数週間後にはサマーが他の子どもたちと一緒になって取り組むようになりました。
サマーはボール遊びが大好きです。
ボールを投げて、とだけ声をかけるとずっと夢中になって遊んでいます。
他の子どもたちもサマーに慣れてきて、今はやりとりのしかたもわかっています。
友だちになっています。
自分たちの方法で、サマーを助けようとしています。」
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UNHCRは、サマーのような困難をかかえている子どもたちを把握し、適切なケアにアクセスできるようにする地域の保健センター、支援団体を支援しています。
しかしレバノンでは、多くの障害のある難民の子どもたちに、適切なサービスが行われない、財政的な支援もないことが依然として大きな課題です。
発達障害の子どもへの専門的なケアはとてもコストがかかります。
しかし、発達障害の子をもつ難民の親たちへの支援は乏しいものです。
この状況をよく知るサマーの母親は、毎週火曜日のカリタスによるレクリエーション活動に深く感謝しています。
発達障害の人は、適切なサービスを受けることが出来ない場合には、精神的な問題もかかえてしまう二次障害の可能性が高くなります。
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「息子はカリタスの活動に参加してから、良くなってきています。
これまで、息子はこんなふうに遊ぶこともありませんでした。
いつも自分自身に怒りをかかえていました。
それが毎週火曜日には、他の子どもたちと一緒に遊んで、そして笑っているんです。
私は息子に何でもしてやりたい。
どんなに私が疲れても、私はうれしい。
息子が遊んで、笑っていると、本当に幸せを感じます。
『お母さん』と呼んでくれる声がいつか聞けたらと思います。」

(出典・画像:国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
発達障害の子がいると、そればかりに気を取られて他の困難や問題について私はあまり想像することができていませんでした。
しかし、災害に見舞われたり、こうして戦争に巻き込まれてしまう発達障害の子、家族もいます。
本当に支援が必要な人、状況だと思います。どれだけこのお母さんはご苦労されたのだろうと深く考えます。
そして、発達障害にばかり気を取られず、発達障害だからこそ、ふだんからより備えておかなければなりません。
発達障害の方の感覚に配慮した、持ち運び可能なモバイル避難所

(チャーリー)

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